子育てに関する助成金を非課税へ
令和2年4月に発令された緊急事態宣言を受け、保育園および幼稚園が休園。その結果、医療従事者などがいる家庭が積極的にベビーシッターや一時預かりなどを利用できるように、助成金を受けられる制度を自治体が設けました。
国税庁の情報によると、令和3年1月現在は新型コロナウイルス感染症の影響による下記のベビーシッター利用に基づく助成にのみ非課税としています。
- 企業主導型ベビーシッター利用者支援事業の特例措置における割引券
- 東京都のベビーシッター利用支援事業の特例措置における助成
また、政府は令和3年4月から、国や自治体が実施するベビーシッターや認可外保育施設の利用など、子育てに関係する利用料の助成金については非課税対象とする決定をしました。
- 国税庁「国税における新型コロナウイルス感染症拡大防止への対応と申告や納税などの東面の税務上の取り扱いに関するFAQ」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/kansensho/faq/pdf/faq.pdf,2021年1月7日最終閲覧)
- 国税庁「5 新型コロナウイルス感染症緊急経済対策における税制上の措置」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/kansensho/faq/05.htm,2021年1月7日最終閲覧)
- 総務省「令和3年度税制改正の大綱の概要 」(https://www.soumu.go.jp/main_content/000724450.pdf,2021年1月7日最終閲覧)
ベビーシッターなどを利用する際の注意点
令和3年4月よりベビーシッターや認可外保育施設の利用料等に対する助成が非課税となった場合、より子育てにおける第三者からのサポートを受けやすくなり、利用を検討する家庭も増えるでしょう。
しかし、ベビーシッターを利用する際には注意しておくべき点もあります。
令和2年4月に、内閣府が助成制度の対象としている企業で、ベビーシッターの登録サポーター2名がベビーシッティング中に強制わいせつにより逮捕されるという事件が起こりました。
このニュースにより、子どもをベビーシッターに預けることに恐怖を感じている方もいるかもしれません。
厚労省は、少しでも安心して利用できるよう、ベビーシッターなどを利用する際は10項目の観点で注意するよう呼び掛けています。その内容を紹介します。
- キッズライン「当社サービス内で発生した事件及び安全対策に関する報告書」(https://kidsline.me/contents/news_detail/645,2021年1月7日最終閲覧)
1. 情報収集
助成制度の対象となるベビーシッター利用支援事業は、各自治が認定している事業者のみとなります。利用したい施設が、助成制度の対象となる事業者かどうかを確認するようにしましょう。
また、ベビーシッターには、事業者に申し込み、所属するベビーシッターが派遣される方法と、マッチングサイトを通じてベビーシッター個人に自分で直接依頼する方法があります。
保育料の安さや簡単に依頼できるといった基準で選ぶのではなく、信頼できる相手なのかどうかという視点で選ぶようにしましょう。
- 東京都福祉保健局「ベビーシッター利用支援事業(ベビーシッター事業者連携型) 認定事業者一覧」(https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/kodomo/hoiku/bs/jigyoushalist.html,2021年1月7日最終閲覧)
- 大阪市「新型コロナウイルス感染症対策(大阪市ファミリー・サポート・センター事業)補助金について」(https://www.city.osaka.lg.jp/kodomo/page/0000497945.html,2021年1月7日最終閲覧)
2.事前に面接
ベビーシッターを依頼する際は、実際に派遣される方と事前面接を行う機会を設けましょう。事業者に依頼する際は、事前にこちらの要望を伝えましょう。
個人に直接依頼する場合も、事前面会を希望し、子どもを預かるうえでの方針や心構えなどを質問してみましょう。親としてわが子を預けても大丈夫と信頼できる相手かどうか確認するのがおすすめです。
そして実際に子どもを預ける際は、事前面接を行ったベビーシッター本人に直接子どもを預けるようにしましょう。
3. 事業者名、氏名、住所、連絡先の確認
子どもを預ける際は、ベビーシッターの事業者名、本人の氏名、住所、連絡先を確認しましょう。ベビーシッターの身分証明書のコピーをもらっておくと安心です。
マッチングサイトを通じて利用する場合は、公開されている保育者の情報の確認と実際に都道府県に事業者として届け出をしているかどうかを確認しましょう。
4. 保育の場所の確認
保育を依頼する場所は自宅以外の場合は、事前に見学し、子どもの保育場所として適切かどうか確認しましょう。
5. 登録証の確認
ベビーシッターが保育士や認定ベビーシッターの資格を持っている場合は、その登録証の提示を求めて確認しましょう。保育に関する研修を受けているかどうかの確認も行っておくとより安心です。
6. 保険の確認
万が一の事故に備え、保険に加入の有無やその内容、金額を確認しましょう。事業者や運営側にも問い合わせ確認をしておきましょう。
7. 預けている間もチェック
子どもをベビーシッターに預けている間も、こまめに電話やメールをするなどで確認しましょう。事前に伝えたうえでカメラなどを設置しておくのもおすすめです。
8. 緊急時における体制を整えておく
子どもの体調が急変するなどの緊急事態が生じた際には、ベビーシッターからすぐに連絡を受けられるようにしておきましょう。
9. 子どもの様子の確認
ベビーシッターから子どもの引き渡しを行ける際は、何をして遊んだのかなど、保育の内容や預かっている間の子どもの様子について報告を受けましょう。
子どもの様子次第では、子ども本人にも確認を行うようにしてください。
10. 不満や疑問は率直に伝える
ベビーシッターに対する不満や疑問が生じた際は、そのままにせず、事業者や運営者などにすぐ相談を行いましょう。
内容によっては、事業者などではなく、都道府県や市町村の保育担当部署、各地域の消費生活センターなどに相談するようにしてください。
- 厚労省「ベビーシッターなどを利用するときの留意点」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/babysitter/index.html,2021年1月7日最終閲覧)
利便性だけではく安全性も意識して活用しましょう
ベビーシッターなどの助成金が非課税になれば、より利用しやすくなります。仕事の理由だけでなく、産後ケアやワンオペ時の対応策としても利用のハードルが下がりそうです。
しかし、利用にはリスクもあるということを理解したうえで、一番信頼できる事業者を慎重に選ぶとともに、預けている間も確認をこまめに行い安全に活用していきましょう。