5歳児の製作遊びのねらいとは
保育園や幼稚園でも制作遊びが取り入れられていますが、それには子どもの成長を促すためのいろいろなねらいがあります。
完成形をイメージしながら作り上げる力がつく
5歳児になると手先も器用になり、想像力も育ってくるので、自主的に何かを作りたいという意識も高まりますが、何を作れるのかどうやって作ればいいのかがわかりません。製作遊びを通して、素材の扱い方や作り方などを学び、完成形をイメージしながら物を作っていくことができるようになります。
友達との共同作業を通して思いやりの心が育つ
製作遊びでは、一人だけでなく友達と協力しながら作っていくこともあります。思いやりの心が育ち始める5歳児にとって、他者と協力しながら何かを成し遂げたり、友達を助けたり助けられたりすることによって、相手の気持ちを思いやる気持ちや自立心などさまざまな心的要素が育っていく大事な作業になるでしょう。
季節の行事を大切にする心を養う
保育園や幼稚園では、季節ごとの行事を行い、それに伴うグッズを作ることもあります。5歳児は時系列についても理解し始めるころなので、製作遊びを通じてお正月や節分、七夕など季節の行事を知り、礼節を重んじる子どもへと成長を促すねらいがあります。
- 東京都教育委員会「就学前教育カリキュラム 5歳」(https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/school/document/pre_school/files/curriculum2/14_2_2_5.pdf,2021年1月15日最終閲覧)
- 堺市「幼児教育堺スタンダードカリキュラム」(https://www.city.sakai.lg.jp/kosodate/kyoiku/gakko/gakuryoku/yojishien/sodachimanabi.files/07-4.pdf,2021年1月15日最終閲覧)
- 幼児教育「幼児教育堺スタンダードカリキュラム」(https://www.city.sakai.lg.jp/kosodate/kyoiku/gakko/gakuryoku/yojishien/sodachimanabi.files/07-4.pdf,2021年1月15日最終閲覧)
季節・イベントごとの5歳児におすすめの製作遊び
製作遊びは、ご自宅で家族と一緒に行うこともできます。季節やイベントに合わせた、自宅で家族と取り組める5歳児におすすめの製作遊びをご紹介します。
お正月に遊べる!牛乳パックで羽子板作り
用意するもの
- 牛乳パック
- 割りばし
- ビニールテープ
- 折り紙
- マジック
- 毛糸
- はさみ
作り方
- 牛乳パックを開いてよく洗い、縦長になるように折って持ち手部分を斜めにカットします。
- 折った牛乳パックが開かないようにビニールテープでしっかりとめ、割りばしで持ち手を作って牛乳パックに取り付けます。
- 折り紙やマジックなどで牛乳パックに干支(えと)の絵を描いたり飾りつけをしたりします。
- 毛糸を丸めて縛って羽根を作り、牛乳パックの羽子板で打ち合えば室内でも楽しく遊べます。
製作の際のポイント
持ち手が取れないよう、割りばしはしっかり牛乳パックに取り付けてください。折った牛乳パックの内側にも割りばしを通すことで、曲がりにくく丈夫な羽子板になります。
おすすめポイント
作った後も楽しく遊べ、牛乳パックを自由に飾りつけできるので、創作意欲が高まります。羽子板の遊びは運動にもなるので、あまり動かないお正月には特におすすめ!
まるで飛んでいるよう!傘袋のこいのぼり
用意するもの
- 傘袋
- 折り紙
- マジック
- テープ
- はさみ
作り方
- ビニールの傘袋にマジックで目玉を描きます。
- 折り紙をはさみでうろこの形に切ってテープで傘袋に貼り付けます。
- 傘袋に空気を入れて、端を少し残して縛ります。
- こいのぼりの口の部分を割りばしなどにくっつけて完成。
製作の際のポイント
ビニールの傘袋は100円ショップなどで購入することができ、空気を入れることでふわふわと浮いているような見た目になります。
おすすめポイント
空気が入っているので軽く、飛ばして遊ぶこともできます。大きなこいのぼりを飾れない集合住宅でも、楽しくこどもの日を祝うことができますね。
暑い夏にはペットボトルで涼し気な風鈴
用意するもの
- ペットボトル
- カッター
- アイロン
- 鈴
- タコ糸
- マスキングテープやシール
- 折り紙
作り方
- ペットボトルをカッターで半分に切り、上半分を使います。切り口をアイロンで温めて丸めます。 ※危ないのでこの工程は大人が行ってください。
- ペットボトルのフタに穴を空けてタコ糸を通し、ペットボトルの下あたりに鈴がくるようにタコ糸に結び付けます。
- 鈴の下に折り紙などを取り付けて風がくると鈴がなるようにし、ペットボトル部分をシールやテープなどで飾り付けて完成。
製作の際のポイント
ペットボトルの切り口を温めると丸くなるので見た目もかわいく、触ってもケガしにくくなります。アイロンで温める代わりに、ビニールテープなどを巻くのもいいですね。
おすすめポイント
とても簡単なのにかわいくて涼し気な風鈴ができあがります。ペットボトルの色や透明性をいかしたいろいろな風鈴が作れそうですね。
縁日のようで楽しい!空き容器で魚釣り
用意するもの
- 空き容器
- モール
- ビニールテープ
- タコ糸
- 割りばし
- 折り紙やシールなど
作り方
- 乳酸菌飲料などの小さめの空き容器に、折り紙やテープで飾り付けて魚を作ります。
- モールをJの字に曲げてタコ糸を結び、割りばしに結び付けます。
- 複数作った空き容器の魚を泳いでいるように配置し、割りばしの釣りざおを持って、モールの釣り針を魚の口に引っ掛けて魚釣り!
製作の際のポイント
手順はとっても簡単なので、たくさんの空き容器を飾り付けて個性的な魚を作ってみましょう。
おすすめポイント
ただの空き容器を飾り付けることによって、魚に見えるという想像力を働かせられる製作遊びです。作った後は何度も遊べるので、みんなで釣り競争をするのも楽しそうですね。
秋に楽しめる!落ち葉を使った製作遊び
用意するもの
- 落ち葉
- どんぐりなどの木の実
- まつぼっくり
- 画用紙や折り紙など
作り方
- まず、外で落ち葉やどんぐりなどを拾い集めます。
- 拾ってきた落ち葉をきれいに洗って乾かします。
- 想像力の赴くまま、画用紙に落ち葉を貼り付けて動物を描いたり、松ぼっくりやどんぐりを飾り付けて鳥の形に似せたりして完成です。
製作の際のポイント
拾ってきた落ち葉や木の実は、きれいに洗ってカビが生えないよう乾燥させてから遊ぶようにしましょう。(木の実は虫が出てくる可能性もありますので、気になる方は一度ゆでるか、冷凍庫にて冷凍してから使いましょう)あらかじめ何かを作ると決めるのもいいですし、無作為に拾ったものが何に見えるか考える見立て遊びをするのもいいですね。
おすすめのポイント
落ち葉を拾いに行くところから始まり、なぜ秋になると葉が落ちるのか、葉の色が変わるのかなどを教えながら、季節の移り変わりについて学ばせることができます。決まった形はないので、想像力を伸ばしたいお子さんにぴったり。
紙コップで竹とんぼ
用意するもの
- 紙コップ
- カッター、はさみ
- ストロー
- 折り紙やマジック
作り方
- 紙コップを縦にはさみで6等分にカットして開き、底に穴をあけておきます。
- ストローの端に十字にはさみを入れて開き、紙コップにあけた穴に通します。
- ストローの開いた部分をテープでしっかりととめ、紙コップに折り紙やマジックで飾り付けをし、ストローをくるくる回して竹とんぼのように飛ばします。
製作の際のポイント
紙コップをプロペラのようにしっかり開いて飛べるように工夫してみてください。
おすすめのポイント
紙でできているので安全で、家の中でも竹とんぼのように飛ばすことができて楽しく遊べます。
製作遊びで期待できる効果
5歳児の製作遊びには、子どもの成長を促す期待できる効果がたくさんあります。
ものを大事にするようになる
製作遊びは、ペットボトルや割りばしなど、ふだんの生活の中にある材料を使うことが多く、捨てるだけのものがおもちゃになることを教えることにもつながります。ものを大事にすることや、ゴミをリサイクルしようという意識を高める効果も期待できますね。
創作意欲や想像力が豊かになる
大人が製作遊びの例を見せることによって、自分でも何か作ってみようという創作意欲が高まり、ふだんなら捨ててしまうようなものを別のものに生まれ変わらせる想像力を養うことができるでしょう。
日本の文化や行事に触れることができる
製作遊びは飾りつけするものも多く、お正月やひな祭り、七夕など季節の行事や文化とかかわりが深いものも少なくありません。製作遊びを通して、日本の文化や行事に親しむようになり、豊かな情緒を養うことにつながっていきます。
遊びながら情緒が豊かになる製作遊び
製作遊びは単なる遊びだけでなく、ものを作ることによって創造性や想像力を養い、文化に親しむ精神性を高めるなどメリットがたくさんあります。ぜひ、ご家庭でも製作遊びで親子のコミュニケーションを取りながら、お子さんの成長を促してあげてください。