子どものインターネット利用で生じうる問題・危険性
子どものインターネット利用で生じる可能性のある問題や危険性にはどのようなものがあるのでしょうか。子どもの安全を守るためには、まずどのようなインターネットトラブルが考えられるのか、その種類について知っておくことが大切です。
・書き込みやメールでの誹謗中傷やいじめ
・SNSなどに載せた個人情報の流出
・SNSを通じて知り合った人からの誘い出しによる性的被害
・無料ゲームサイトでの意図しない有料サービスの利用
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インターネットトラブルの種類はさまざま。ご紹介した4種類の中でも、小さな子どもに多いのが性的被害とゲームサイトでの有料サービス利用です。
これらは、子どもにネットリテラシーをきちんと教えることも大切ですが、スマホやタブレットを大人が管理することでリスクを下げることができるものでもあります。
インターネットでの問題を回避するには
いつ巻き込まれてしまうかわからないインターネットトラブル。子どもをインターネットの問題から守るための対策法として、考えられることをご紹介します。
子どもにインターネットの危険性を教育する
子どもをインターネット問題から守るためには、まずインターネットの危険性について教育することが欠かせません。子どもにとっては「ゲームができる」「動画が見られて楽しい」というイメージのインターネットですが、楽しいだけのものではないと教えてあげてください。そして、インターネットでしてはいけないことを子どもに教育しましょう。
まだスマホを持たせる年齢ではないし…小さな子どもだから大丈夫だろう…などと思うことなく、早いうちから安全な使い方を教育してあげる必要があります。
まずは大人がインターネット利用の見本となる
子どもにネットリテラシーを説明する前に、まずは大人が見本となる使い方ができているか見直しましょう。「安心ネットづくり促進協議会」の「考えよう!子育てと子供の成長とデジタル機器」の中に、以下のようなチェック項目があります。
- 子どもと話をするよりもスマホを触っている時間の方が多くありませんか?
- 日頃、ながらスマホをしていませんか?
- 個人情報をブログやSNSに載せていませんか?
- 知人の悪口を子どもの前で言ったり書いたりしていませんか?
子どもにスマホやタブレットの使い方を教えるには、教える側がきちんとマナーやルールを守れていることが前提になります。子どもから話しかけられているにもかかわらずスマホをいじっているような使い方をしていては、子どもに適切な指導ができませんね。
まずは、こういった基本的なことから見直してみましょう。
- 安心ネットづくり促進協議会「考えよう!子育てと子供の成長とデジタル機器」(https://www.good-net.jp/files/original/201711012220364007103.pdf,2021年3月12日最終閲覧)
子どもとインターネット利用時のルールを決めておく
あらかじめ、インターネット利用時のルールを決めておくことも効果的な対策法です。たとえば、次のようなルールはいかがでしょうか。
- 使う時間と場所を決めておく
- わからないこと、困ったことがあればすぐにパパママに相談する
いろいろなことをすぐに覚えてしまう小さな子どもは、新しいインターネットの利用方法もすぐに覚えてしまいがち。使うときのルールを決めて、正しい使い方ができるように管理してあげることが大切ですよ。
利用時間を制限する機能を使う
iPhone、iPadであれば「スクリーンタイム」を利用することで利用時間を確認したり、使わない時間を設定したりすることが可能です。
Androidの場合でも、docomoやau、ソフトバンクが提供する「あんしんフィルター」という機能を使うことで、利用できる時間帯を制限することが可能です。
他にも、さまざまなアプリがありますので探してみるとよいですね。
- Apple「iPhone、iPad、iPod touch でスクリーンタイムを使う」(https://support.apple.com/ja-jp/HT208982,2021年3月12日最終閲覧)
- NTTドコモ「あんしんフィルター for docomo」(https://www.nttdocomo.co.jp/service/anshin_filter/,2021年3月12日最終閲覧)
- KDDI「あんしんフィルター for au」(https://www.au.com/mobile/service/anshin-filter/,2021年3月12日最終閲覧)
- ソフトバンク「あんしんフィルター」(https://www.softbank.jp/mobile/service/filtering/anshin-filter/,2021年3月12日最終閲覧)
気づいたら多額の課金請求が、、を防ぐために
「子どもが勝手にゲームで課金をしてしまっていた」という話は最近よく耳にするようになりました。こういった事態に対して日本オンラインゲーム協会から注意喚起がなされています。
保護者が普段使うスマホやタブレットを子どもに使わせる場合、さまざまなアカウントをクレジットカードやネット決済で連携している場合もあるでしょう。「いちいちパスワードを入力するのが手間」などの理由で、ボタン一つで決済が完了してしまう状態になっていませんか?
子どもは、漢字が読めなくてもボタンが表示されれば押してしまいます。「よくわからない画面が出た」と教えてくれればよいですが、反射的に押してしまうことも容易に想像できますよね。
「なんで勝手に押したの!」と怒ったり、多額の請求に慌てたりすることがないように、パスワードをきちんと設定しておく、クレジットカード情報は保存しないなどの対策をしておきましょう。
- 日本オンラインゲーム協会「子どものスマートフォン課金トラブルを防ぎましょう」(https://japanonlinegame.org/Campaign_Credit/,2021年3月12日最終閲覧)
フィルタリングやペアレンタルコントロールを活用する
「フィルタリング」や「ペアレンタルコントロール」を活用すれば、子どものインターネット問題を管理しやすくなります。
保護者(ペアレント)は、日ごろから、子どもによる機器の使用状況を正しく把握しておくことが大切です。
使用状況の把握や、保護者のサポート機能として、ペアレンタルコントロールやフィルタリングを上手に活用しましょう。 ※2
フィルタリングは有害情報やアダルトサイトなど危険なサイトへのアクセスを制限する機能で、ペアレンタルコントロールはスマホやゲーム機の利用状況をチェックできる機能です。
スマホ・パソコンのどちらでも設定でき、子どもが危険なサイトにアクセスすることを強制的に回避させられるので必ず設定しておくことをおすすめします。
上述の「あんしんフィルター」を使うことでフィルタリングの設定も可能ですし、子ども向けのWebサイトのみを表示するようなアプリも多数出ています。
たくさんの動画を見ることができるYouTubeも、「YouTube Kids」という子ども版がありますので、そういったものをダウンロードしておくとよいでしょう。
フィルタリングはどう設定する?
使用しているものによって表示形式は異なりますが、スマホ・パソコンなどの「設定画面」から「機能制限」や「使用制限」という名前でフィルタリングのページにたどり着きます。
また、上述の「あんしんフィルター」を使うことでフィルタリングの設定も可能ですし、子ども向けのWebサイトのみを表示するようなアプリも多数出ています。
たくさんの動画を見ることができるYouTubeも、「YouTube Kids」という子ども版がありますので、そういったものを利用するとよいでしょう。
子どものインターネット問題はパパママがしっかりと管理・対策を!
インターネットで生じうる問題から子どもを守るためには、パパママがしっかりと管理・対策してあげることが何よりも大切です。インターネットトラブルの種類や危険性を子どもに教育してあげて、利用するときのルールを守るよう教えてあげましょう。
まずは、大人が正しい使い方の見本となること、そして子どもに使わせる場合にはフィルタリングやペアレンタルコントロールを活用して、安全に楽しくインターネットを使える環境を整えてあげたいですね。