イヤイヤ卒業期の子どもの姿
3歳ごろになると「イヤイヤ」の自分なりの理由や、やりたいことを言葉で語れるようになります。親としては要求を言葉にしてくれると、お世話が楽になったと感じるかもしれません。
一方、子ども同士では、友達との距離が縮まり、大人を介さない関わり合いも増える時期。少しずつ相手の気持ちを理解しようとしつつも、自我と自我のぶつかり合いがおき、けんかも多いでしょう。こうした気持ちの伝え合いを通して、コミュニケーションの力をつけていきます。
- 焼津市乳幼児教育推進会議「第2回 イヤ!自分で!から始まる自我~大きくなるのは、楽ではない~」(https://www.city.yaizu.lg.jp/g04-005/documents/dai2kaih28.pdf,2021年6月10日最終閲覧)
- 東京都教育委員会「きまりをまもる こころを育てる」(https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/school/document/pre_school/files/handbook_for_instructor/9.pdf,2021年6月10日最終閲覧)
自分も相手も大切にする心を育てる、関わり方のコツ
見た目がだいぶお兄さん、お姉さんになり、口も達者になってくるイヤイヤ卒業期。子ども同士の関わりが増えて世界が広がる時期でもありますが、その分人との衝突が増える面もあるでしょう。
こうした時期のわが子には、自分も相手も大切にする心を持ってほしいところ。ここからは、そのための関わり方のポイントをお伝えします。
1. けんかでは「相手の気持ち」を知らせる
他人に興味がありつつも、お互いの気持ちを理解する力は未熟。けんかになったら「あなたは○○だと思ったんだね。でも、お友達は○○と思ったみたいだね」などと、自分と相手との違う部分をていねいに伝えて、理解を手助けしてあげましょう。
こうした経験を通して、けんかになる前に「相手はこう思っているのかな」と考えられ、いずれは争わずに遊べるようになっていきます。それまではけんかを恐れず、子ども同士の関わりを大事にしてあげてください。
- 焼津市乳幼児教育推進会議「「第2回 イヤ!自分で!から始まる自我~大きくなるのは、楽ではない~」」(https://www.city.yaizu.lg.jp/g04-005/documents/dai2kaih28.pdf,2021年6月10日最終閲覧)
- 今泉保育園「友だちとのトラブルについて」(http://imaizumi-hoikuen.sakura.ne.jp/trouble.pdf,2021年6月10日最終閲覧)
2. 決まりを守る良さを伝える
順番、ルールなど決まりごとの存在を理解しつつ、まだ受け入れられないこともある時期。大人も遊びに参加しながら、みんなでルールを守って「楽しかった」という経験を積みましょう。「ルールを守ると楽しく遊べる」と感じる機会が増えると、決まりを守る大切さがわかります。
滑り台を順番で滑る、ルールを守って鬼ごっこをする、など遊びを通じて学ぶ機会があると良いですね。上手に遊べたら「決まりを守って遊べたね」「みんなで遊べて楽しかったね」と、できたことをほめてあげてください。
こうした経験から、自分だけが楽しければいいという考えではなく、みんなが楽しく遊ぶためにルールを守ろうという気持ちが育っていきます。
- 東京都教育委員会「きまりをまもる こころを育てる」(https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/school/document/pre_school/files/handbook_for_instructor/9.pdf,2021年6月10日最終閲覧)
3. 気持ちを伝える姿勢をほめる
一生懸命に自分の思いを言葉にする時期。伝わったときは「上手に伝えられたね」とほめ、言葉が足りないときは親が補ってあげましょう。話して伝わるうれしさを味わう機会を増やすと、自分の思いをどんどん言葉にするようになります。
自分の思いを相手に伝えられると、友達同士で相手の思いを理解し合い「相手はこうしたいんだな」ということを、大人を介さずにわかり合えます。いずれ4~5歳になるころには、子どもだけでちょっとした話し合いをして、問題を解決できる力がつくでしょう。
- 東京都教育委員会「「きまりをまもる こころを育てる」」(https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/school/document/pre_school/files/handbook_for_instructor/9.pdf,2021年6月10日最終閲覧)
イヤイヤ卒業期をあたたかく見守って
イヤイヤ卒業期となる3歳ごろは、子ども同士の関わり合いが増え、2歳までのだだこねや自己主張とは違う、人とのぶつかり合いが見られるかもしれません。
「遊びのルールはわかっているのに守らない」など、親がきつく言いたくなるシーンもありますが、その先には心の成長が待っています。子どもの気持ちの葛藤に向き合い、一歩一歩の前進を見守ってあげてくださいね。