産後クライシスの乗り越え方
さまざまな原因が絡んで起きる産後クライシス。生まれてきたかわいい子どもとともに、今後も家族で仲良く暮らしていくため、産後クライシスの乗り越え方について確認していきましょう。
産後クライシスはパパとママの両方に原因があるので、それぞれができることを分けて、乗り越え方をお話していきます。
【ママができること】パパに対して寛容になること
まずは産後クライシスの乗り越え方として、ママができることから見ていきましょう。
ホルモンバランスの影響などもあるとは言え、ママがパパに対してイライラしてしまうと産後クライシスが悪化してしまいます。そこでママは、パパに対してなるべく寛容になることが大切です。
家事・育児を少しでも協力してくれることがあれば、思い切り喜んで甘えてあげてください。他の家のパパと比べて「あそこのパパはこれだけしているのに…」と考えることも避けてくださいね。
ママがパパに対して寛容な姿勢を見せれば、ご自身のイライラも減るでしょうし、パパも喜んで家事・育児に協力してくれるようになるかもしれません。
- 独立行政法人労働者健康安全機構山陰労災病院「いまどきの子育て」(https://www.saninh.johas.go.jp/sas/kowa/201801.pdf,2021年6月24日最終閲覧)
【ママができること】子どもと離れる時間を作ること
子育てに終始不安を抱えているタイプのママは、定期的に子どもと離れる時間を作ることも大切です。育児は24時間、毎日、何年も続く大変なお仕事です。育児のことばかりを考えていると息をつく暇もなくなり、ママの心はいっぱいいっぱいになるでしょう。
そこで、1週間に1回、1か月に1回などタイミングを決めて、子どもと離れるための時間を作ってみてください。そしてご自身の好きなことを思い切り楽しみ、羽を伸ばす時間を作りましょう。
ご両親やパパの協力や民間サービスの利用が必要となりますが、ママが育児から離れることは、パパに育児を協力してもらうきっかけにもなりますね。
【パパができること】ママの身体の変化について知ること
ここからは産後クライシスの乗り越え方として、パパができることをお話していきます。まずは、産後のママの身体の変化についてよく知ることが基本のポイントです。
妊娠・出産・育児を経験した女性の身体は、妊娠前の身体とは全く違います。妊娠中はつわりやホルモンバランスの変化による自律神経の乱れを経験し、出産時は自律神経のバランスが崩れることで悲しくなったり、落ち込んだりします。
そのような不安定な状態で、言葉が通じない子どもの面倒を24時間見なければならないのですから、心身ともに疲れ果ててしまうのが産後のママです。産後クライシスを防ぐためには、まずパパが、心身ともに疲れ切っているママの身体を理解することから始めましょう。
- 独立行政法人国立病院機構大阪南医療センター「心理士」(https://osakaminami.hosp.go.jp/section/cnt1_000107.html,2021年6月24日最終閲覧)
【パパができること】家事・育児にできるだけ協力すること
大事なポイントは「育児で常にストレスを抱えがちな妻の状況に、“寄り添い”の気持ちを示すこと」。物理的に子育てを分担することももちろん大切ですが、一人で頑張る母親たちのつらさを理解し、共感し、「よくがんばってるね」と認めてあげることが、オキシトシンの作用でイライラを感じやすいママたちの心を安らがせ、円満な夫婦関係にもつながると考えられるのです。 ※3
パパができる限り家事・育児に協力し、ママの心を支えてあげることがママの大きな助けとなります。
パパも仕事で疲れていると思いますが、物理的になにかができない場合でも、気持ちに寄り添ったり話を聞くことを大事にしてほしいです。
【パパママが協力すること】出産後の家事・育児の分担について決めておくこと
産後クライシスの乗り越え方として、パパママそれぞれに心がけるべきことがありますが、やはりパパとママが協力し合うことがいちばんのポイントです。
協力しあって子育てをしていくためには、出産前から産後クライシスについての知識を得て、出産後の家事・育児の分担について決めておくことがおすすめ。パパが行うルールになっている部分があれば、ママは安心して身体を休められますよね。
熟年離婚は主に産後クライシスが原因だという考えがありますが、熟年離婚につながる産後クライシスは「役割期待のズレ」から生じるそうです。つまり、ママがパパに期待していた役割を、パパが果たしてくれなかったということ。
数十年後離婚の危機に陥らないためにも、役割分担をはっきりとさせて、「役割分担のズレ」をなくしていくことは欠かせません。
- 女性心身医学「女と男の関係性からみた心身医学 —女性漢方外来からみた女性心身医学—」(https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspog/23/3/23_208/_pdf/-char/ja,2021年6月24日最終閲覧)










