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監修:坂本昌彦

アデノウイルス感染症の出席停止期間は何日?症状と治療方法を解説

子どもによくみられる感染症の一つである「アデノウイルス感染症」。はやり目やプール熱などの原因ウイルスですが、アデノウイルスには50種類以上の型があり、それぞれ症状が異なることに注意が必要です。一部の型による感染症は、保育園や幼稚園で「出席停止」の対象になります。この記事では、佐久医師会 教えて!ドクタープロジェクトチームによる書籍『マンガでわかる!子どもの病気・おうちケアはじめてBOOK』から、アデノウイルス感染症の出席停止期間や症状、治療法についてお伝えします。

PIXTA

アデノウイルス感染症の一部は出席停止の対象

子どもによくみられる俗に「はやり目」や「プール熱」と呼ばれる感染症。これらの感染症の原因はアデノウイルスによるものです。アデノウイルスの型は50種類以上ありますが、中でも以下の2つの感染症は、学校保健安全法に基づく「出席停止」の対象です。出席停止(登園停止)期間は、以下の通りです。

  • 咽頭結膜熱(プール熱):発熱やのどの痛み、結膜炎などの症状が消失したあと2日を経過し、医師の許可を得てから
  • 流行性角結膜炎(はやり目):結膜炎の症状が消失してから

この2つ以外のアデノウイルス感染症は、登園登校に際し医師の許可は不要で、症状が改善すれば登園登校可能です。なお、一般に、アデノウイルス感染症の症状が改善するまでの期間はおおむね3~7日ほどです。

アデノウイルスは水ぼうそうのように一度かかったら二度とかからない病気と思われている方もいるかもしれません。しかし、そのようなことはありません。その理由は、ウイルスの型がとても多いためです。子どもの中には治癒しても毎年のようにかかってしまう子もいます。

アデノウイルス感染症によくある症状

ⓒKADOKAWA / 『マンガでわかる!子どもの病気・おうちケアはじめてBOOK』

アデノウイルスによる感染症の症状はさまざまです。

一般的には咽頭炎(のどの痛み)や鼻炎が多いとされています。アデノウイルス感染症と同様に発熱やのどの痛みを引き起こす溶連菌感染症と区別するのが難しいことも少なくありません。溶連菌感染症では抗菌薬の内服が必要ですが、アデノウイルスでは不要のため、区別するためには検査が必要です。

また、流行性角結膜炎(はやり目)の主な症状は、目の充血や目やになど。咽頭結膜熱(プール熱)の症状は発熱やのどの痛みなどです。中には、下痢や膀胱炎を引き起こすものもあります。

医師は、患者の熱がなかなか下がらなかったり、のどが腫れるなどの症状があるときに、アデノウイルス感染症の可能性も考えます。保育園や幼稚園での流行状況は診断の助けになるため、医師に伝えましょう。

アデノウイルス感染症の治療法

アデノウイルス感染症を直接退治する薬はありません。免疫の力で追い出すことが必要ですが、解熱剤、のどの痛み止め、整腸剤などを使えば症状をやわらげることができます。症状が強い場合は受診して相談しましょう。

なお、熱が3~4日以上続いたり水分がとれないなどの場合は、点滴や入院が必要になることもあります。無理せず病院に相談してください。

なお、目の症状が強い場合は、眼科受診をおすすめします。炎症を抑える薬や細菌感染を防ぐ薬をもらって治療することになります。

アデノウイルス感染症の予防方法

ⓒKADOKAWA / 『マンガでわかる!子どもの病気・おうちケアはじめてBOOK』

アデノウイルスの主な感染経路はウイルスを含んだ唾液や目やになどによる飛沫感染や接触感染です。そのため、予防するには、新型コロナウイルス対策と同様に石鹸や流水による手洗いが大切です。

なお、咽頭結膜熱は、別名でプール熱という名前がついています。これはプールの水を介して感染することがあるために名づけられていますが、プールに入っていなくても感染します。

なお、プール後に水道水で目を洗う行為については、以前はプール熱の感染を防ぐために推奨されていましたが、現在はむしろ目を保護する粘液を洗い流してしまうことでかえって目を傷めてしまい、細菌感染のリスクが上がるため推奨されていません。その代わりに、プールに入るときにはゴーグルを着用することが勧められています。

非常に感染力が強く、容易に家族内に広がります。家庭内でタオルなどの共有などは避けて看護しましょう。

『マンガでわかる!子どもの病気・おうちケアはじめてBOOK』

マンガでわかる! 子どもの病気・おうちケアはじめてBOOK [ 佐久医師会 教えて!ドクタープロジェクトチーム ]

SNSを駆使して正しい情報を拡散し子育て世代を応援する、長野県佐久市の「教えて!ドクタープロジェクト」の初著書。
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記事の監修

日本小児科学会専門医・指導医

坂本昌彦

小児科専門医。2004年名古屋大学医学部卒業。現在佐久医療センター小児科医長。専門は小児救急と渡航医学。現在日常診療の傍ら、保護者の啓発と救急外来負担軽減を目的とした「教えて!ドクター」プロジェクト責任者を務める。同プロジェクトの無料アプリは約20万件ダウンロードされ、18年度キッズデザイン賞、グッドデザイン賞を受賞。

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本記事は必ずしも各読者の状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて、医師その他の専門家に相談するなどご自身の責任と判断により適切に対応くださいますようお願いいたします。なお、記事内の写真・動画は編集部にて撮影したもの、または掲載許可をいただいたものです。

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