子宮収縮の間隔は5~30分と幅があり、1回の収縮は30~45秒続きます。初期の陣痛は平均すると初産婦で8時間続きますが、2~3時間のこともあれば、2~3日かかる場合もあります。
子宮口が開くって?
出産が近づくとドキドキしますね。子宮口が開いてくると赤ちゃんと会えるのももうすぐです。しかし、子宮口はどうやって開いていくのか、自分でわかるものなのか、いろいろと気になりますよね。
子宮口が開き始めて全開大になるまでを分娩第1期と呼びます。一般的に分娩第1期は初産婦さんで10~12時間、経産婦さんでは4~6時間が目安です。
子宮口はどうやって開いていくのでしょう。子宮口が開いていく様子をご説明します。
子宮口が0~3cm:準備期
内子宮口と外子宮口が開いている状態になると子宮口が開き始めたと判断されます。内診で外子宮口がどれくらい開いているかを検査します。準備期では子宮口は0~3cmです。
子宮収縮は5~30分とだいぶ個人差があります。目安として10分おきといわれることもあります。1回あたりの収縮は30~45秒持続します。まだ自由に動くことができるでしょう。
下腹部の痛みや腰、背中の痛みがあります。生理痛や下痢のときの痛みに似ています。中には痛みなどの症状はなく子宮口が開いていることに気づかない方もいます。
おしるしが出ることもあります。
子宮頸管は薄くなり、ほぼ完全に展退します。初期の陣痛は初産婦で平均8時間ほど続きますが、2~3時間のこともあれば、2~3日かかることもあります。
準備期の過ごし方のポイント
準備期ではリラックスして過ごすように心がけましょう。破水していなければシャワーを浴びても大丈夫なので、脚を暖かくしておくと陣痛がスムーズにきやすくなります。あぐらをかくなど楽な姿勢をして、痛みをやわらげてくださいね。
また、消化のよいものを適度に食べたり、意識して休息を取ったりするなど、出産に備えることも大切ですよ。
子宮口が4~7cm:活動期
子宮収縮の痛みがひどくて、しゃべるのもつらくなってきたくらいなら、陣痛の活動期に入ったといえます。子宮口の開き具合は4~7cmで、一般的にこの時期の子宮収縮は3~5分間隔で45~60秒続きます。
腰からお尻にかけて痛みがだんだん強くなりますが、まだ赤ちゃんは出てこないので腰をマッサージしたり温めたりして過ごします。
吐き気がしてくる方もいるでしょう。なるべくリラックスして過ごすようにします。
赤ちゃんの頭が骨盤の下のほうまで下りてくるので、卵膜が破れる破水はこの段階で起こるのがほとんどです。
活動期の過ごし方のポイント
子宮口が4cmから7cmくらいに開く活動期には、尿がたまると赤ちゃんが生まれてきにくくなってしまうため、適度にトイレへ行くようにしてください。
楽な姿勢でリラックスして過ごすのは準備期と同じですが、痛みが強くなるのでおなかや腰をやさしくマッサージするのもおすすめですよ。
子宮口が8~10cm:極期
極期は陣痛が最も激しく、最も短い段階です。通常は15~90分しか続きません。活動期よりも間隔が短く、1~3分間隔で60~90秒の収縮があります。いきみたくなりますがまだ我慢です。
腰やお尻が割れるように痛くなるので、こぶしやテニスボールなどで圧迫していきみのがしをします。そして、赤ちゃんが少しずつ産道を回りながら出ようとします。
極期の過ごし方のポイント
子宮口が8~10cmに開いたら出産はもう間近です。痛みが強くなるので赤ちゃんに酸素を送るイメージで、吐く方を意識して深呼吸をしましょう。痛みがないときは力を抜いてリラックスしてください。
いきむのは子宮口が開ききってからなので、呼吸に意識を向けていきみを逃すのが大切です。
- 近畿中央病院「分娩の経過」(https://www.kich.itami.hyogo.jp/obestetrics/obs/flow/,2022年12月27日最終閲覧)
- 身原病院「出産の流れ」(https://mihara.com/obstetrics/bunben_howto/,2022年12月27日最終閲覧)
- 山本産婦人科「分娩各期の特徴と呼吸法」山本産婦人科(http://www.yc-tsu.jp/dekigoto/nyuin/bunben.html)
- 身原病院「出産の流れ」身原病院(http://www.mihara.com/obstetrics/bunben_flow.html)
- ドクター ウィリアム・シアーズ他「シアーズ博士夫妻のマタニティブック」(主婦の友社)
子宮口が開くとどんな感覚?体験談
「陣痛がきたのに子宮口は開いてなかった」「陣痛がきたらすぐ産まれた」いろんな話を聞きます。かかる時間も進み具合も人それぞれで、子宮口が開いたからすぐ産まれるというわけでもありません。わかっていてもやっぱり気になりますよね。
子宮口が開くとはどんな感覚なのか、痛みやお産の進み方はどうだったのか、先輩ママたちの体験談を集めました。
子宮口が0~3cmのとき
夜まで何となくなんか痛いなぁが続いてて日付変わる少し前に破水してそこから子宮口5cmでトントンと進んでいきました!
子宮口が0~3cm開くころには、なんとなくの痛みがあるとのことでした。コメントを見ると生理痛のような痛みではないでしょうか。ただそこからの進み具合はすぐに破水する方や10日ほどかかる人など、人それぞれなのですね。
子宮口が4~7cmのとき
こちらの先輩ママからも「生理痛のような痛み」とのコメントが。子宮口が7cmに開くまでは、我慢できる程度の鈍い痛みを感じるようですね。
もちろん痛みには個人差があるでしょうが、4~7cmくらいの開き具合だといきみを逃す段階ではありません。この段階までに、病院に向かう準備を整えられると良いですね。
子宮口が8~10cmのとき
先輩ママたちが「つらい」「いきみたい」と思うようになったというのが、子宮口が8cm開くころからです。ここから子宮口が全開になるまでの間が痛みとの戦いになるのですね。
6~7cmくらいの開きでは重い生理痛のような我慢できる痛みですが、この段階になると声が出るほどつらい痛みになるので、出産という大仕事に向けての正念場に入ります。
流れを知ってリラックス
出産に向けて子宮口が開くと、「いよいよ…」と緊張したり、不安になったりするのではないでしょうか。しかし子宮口の開き方による感覚や、その段階ごとの過ごし方のポイントを知っておけば、知らないよりもずいぶんとリラックスできるはずです。
痛みが感じられるようになったら、子宮口が開く段階を考えて楽に過ごせるように工夫してくださいね。そして次の段階に進むまでに食事や睡眠、お風呂など、必要なことも済ませておいてください。
あとはかわいい赤ちゃんを出産するだけですから、そこに向けてがんばって痛みを乗り切りましょうね。