小学校入学前に身につけておきたい算数力
小学校への入学前に身につけておきたい算数力とは、「数や計算にたいするセンス」です。つまり、数を数えたり足し算・引き算ができたりするようになるよりも、1年生になる前に算数脳を鍛えることが大切なのですね。
たとえば、「2+3」の答えが「5」だとわかっても、「2」と「3」を足すとなぜ「5」になるのかがわかっていないと、小学校1年生の算数にうまく順応できなくなる可能性も…。
小学校1年生になる前に数の概念や物の量などの概念を身につけるには、生活の中で触れるものと数字や量を結びつける会話を積極的にする、自宅でアプリやワークで数に触れる機会を増やす、算数塾に通うなどの方法があります。
しかし小学校1年生段階の算数の教え方は、ドリルなどで勉強をさせるのではなく、あくまでも子どもの興味・関心を数に向けさせて「楽しいな」という気持ちから自主的に「学びたい」という気持ちを引き起こすことが最も重要です。
- 文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 算数編」(https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2019/03/18/1387017_004.pdf,2022年6月8日最終閲覧)
- 千葉市 教育委員会事務局 学校教育部 教育センター「小学校低学年における思考力・表現力の育成」(https://www.city.chiba.jp/kyoiku/gakkokyoiku/kyoiku/documents/r1kenkyuronbun1.pdf,2022年6月8日最終閲覧)
- 岩手県教育研究発表会「わかる算数の授業をつくる」(http://www1.iwate-ed.jp/kenkyu/siryou/h29/0306_1.pdf,2022年6月8日最終閲覧)
- 武蔵野東学園「身近なものは何でもさんすう・数学」(https://www.musashino-higashi.org/kyoiku-kenkyu/sugaku.pdf,2022年6月8日最終閲覧)
小学1年生が算数でつまずきやすい内容と対策
算数に関心を向けさせることが、小学校1年生段階の教え方…と言っても、小学校1年生で算数につまずいてしまうことがあるのも確か。小学校入学前の子どもに算数を教えるなら、つまずきやすいポイントも知っておきたいですよね。
そこでここからは、小学校1年生が算数でつまずきやすい内容と、つまずきに対する対策法を見ていきましょう。
小学校1年生は「繰り上がり」が苦手!
小学校1年生が算数で最もつまずきやすいポイントは「繰り上がり」と「繰り下がり」の計算です。繰り上がり・繰り下がりのない足し算・引き算なら難なくこなす1年生でも、繰り上がり・繰り下がりを含む問題となると急にできなくなることも。
算数の繰り上がり・繰り下がりでつまずかないようにするためには、小学校1年生になるまでに「10」の感覚を養いましょう。
「9」と「1」を足すと「10」になることや、「15」から「5」を引くと「10」になるなど、「10」という数字がどのようにできているかを理解できれば、小学校1年生の算数で習う繰り上がりのある足し算や引き算でつまずきにくくなります。
- 植草学園短期大学「小学1年生における計算学習の現状と課題」(https://www.jstage.jst.go.jp/article/uekusat/14/0/14_KJ00008511579/_pdf/-char/ja,2022年6月9日最終閲覧)
- 学研CAIスクール「「算数」 の大きな5つの落とし穴」(http://jukutown.com/cai-nakamurabashi/campaign-detail-5466/,2022年6月9日最終閲覧)
「文章題の読み取り」も苦手になりやすい
繰り上がりとともに小学校1年生が算数でつまずきやすいのが「文章題」です。単純に計算式を解くだけでなく、文章にあわせた計算を自分で考えて答えを導き出さないといけないのですから、子どもにとっては応用力が問われる難問ですよね。
子どもによっては「文章の読み取り」がつまづきポイントになることも。計算力があっても、読解力が低いと「何を問われているのか」がわからなくなることもあるのですね。
そのため算数が得意な子どもでも、読み取り力の低さから文章題が苦手となってしまうことも…。
文章題の読み取りができないと、足し算をするべきか、それとも引き算をするべきなのかがわからなくなってしまいます。読解力・応用力・想像力の3つが必要な文章題は小学校1年生にとって難関となることが多いのです。
「時計の読み取り」もつまずきやすい
次につまづきやすいのが、時計の読み取りです。ママパパにとっては身近にある存在で、計算問題よりもわかりやすいと感じられるかもしれませんね。
しかし時計の読み取りには「時間の感覚」が必要となります。時間という目に見えず、数値化しにくいものを感覚的にとらえるのは慣れていない子どもにとって意外と難しいもの。
つまり小学校1年生の算数で時計の読み取りにつまずかないためには、時間を感覚的に学ばせてあげることが大切だということですね。
日常生活の中で「あと1分だけお風呂につかろうか」などと声をかけてあげて、1秒・1分・1時間の感覚を日ごろから意識させると、算数でつまずきにくくなるかもしれません。
小学校入学前の算数学習に関する先輩ママの体験談
小学校1年生になるまでに教えておきたい算数について解説してきましたが、小学校入学前の子どもがいた先輩ママたちはどのように算数を教えていたのでしょうか?
ここからは、小学校1年生になる前の子どもに算数を教えて、小学校入学後のつまずきを回避できた体験談を中心に紹介します。1年生になる前の子どもに、教科書やアプリを使って算数を教えたいと考えているパパママはぜひ参考にしてくださいね。
まずは公文で算数を勉強していたという先輩ママの体験談です。
ご自身の体験談だそうですが、やはり小さいころから小学校以外で勉強をしていると、小学校の授業でつまずく可能性も低いようですね。繰り上がりの足し算・引き算などでつまずきがあっても、1年生の算数を学校外でカバーしてくれるはずです。
ただ、この先輩ママもおっしゃられているように、子ども自身の興味・関心が一番なようで…。
トミカやプラレールには、なんの興味も示さない幼少期を過ごし、今は数学命の大学生です😅
子どもに算数への興味があれば、少し教えてあげるだけでどんどん吸収してくれるでしょう。1年生になる前に算数を教えてあげても、本人が興味を示さなければつまずきが起きるはず。
1年生になる前に算数を教えるなら、計算のやり方を教えるよりも、子どもが数に関心を示してくれるような教え方をするのが最大のポイントとなりそうですね。
1年生に向けての学習では「算数力」を意識して!
小学校1年生に向けて子どもに算数を教えるときの教え方では、計算のやり方よりも「算数力」を高めることを意識しましょう。算数のセンスを養えば、繰り上がりのある足し算・引き算など1年生でつまずきがちなポイントもクリアできるはず。
子どもの算数力を鍛えるには、算数への関心を高めることが一番です。1年生になるための学習準備をするなら、教科書代わりになるドリルやアプリを使いながら、遊び感覚で算数を学ばせるのが理想的ですよ。