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🔴【第1話から読む】「ただの疲れ」と思っていた夫の不調は、うつ病だった|夫がうつになりました
帰国した義姉・みかの提案で、家族会議が開かれました。えりなも家族に本音を伝えることができ、うつ病の夫を支える家族の団結が生まれます。
話し合いの場で本音を語る
みかさんは帰国後すぐに話し合いの場を設けてくれた。当事者であるハルキは緊張していたけれど、みかさんが「えりなちゃんのためにも、ハルキ自身のためにも、一度みんなで話そう」と促してくれたので、参加してくれた。
リビングの空気は重かったけれど、みかさんが口火を切った。
「お父さん、お母さん。ハルキの病気のことはもちろん心配だよね。でも今日は、毎日ハルキを支えているえりなちゃんのことを話したいの」
みかさんの言葉に促され、私は自分の現状を包み隠さず話しました。ハルキがうつ病になって生活が一変して、昼夜も、平日も休日も関係なく疲れ果てていること。そして、実は義母の電話の内容が偶然に聞こえてしまい、ショックを受けていること。
まさか電話を聞かれていたと知らない義母は、顔を赤くしてうつむいていました。
義姉の提案
私が話し終えた後、義母は、静かに顔を上げた。その目には涙がにじんでいた。
「えりなちゃん……ごめんなさい。正直に言うとハルキのことで頭がいっぱいで、えりなちゃんの大変さに目を向けられていなかったわ。私も2人の子どもを育てたことがあるからわかるはずなのにね…。本当に、ごめんなさい」
義母の心からの謝罪は、素直に私の心に届きました。さらに、みかさんが現実的で具体的な提案をしてくれた。
「これからは、家族みんなでハルキとえりなちゃんを支えよう。そのためには、えりなちゃんが体を休める時間が必要だと思う」
義姉はいくつか、今の状況を改善するアイデアをくれました。
ハルキの体調が悪いとき、実家に行く力があれば、実家で休む日を作ること。もしくは子どもたちを義実家で預かり、私が休む時間を作ること。そして夫がうつ病になった妻の苦労を家族みんなで想像し、できる限りのサポートと最大限の感謝をすること。
家族はみんな、黙ってその提案を聞き、みんなが同意してくれました。こうして話し合いをしてくれただけで、私の気持ちはとても軽くなりました。
ようやくスタートライン
話し合いが終わり、義母が私にそっと言った。
「えりなちゃん、本当にごめんなさい。そして、本当にありがとう。これからは遠慮しないでちょうだい。あなたが倒れたら、ハルキが一番悲しむもの。あなたの笑顔が、ハルキの回復に繋がるんだからね」
ああ、みかさんのおかげで、家族は1つにまとまれた。誰にも理解されない孤独感から救われ、私は再び、夫の回復のため、家族みんなで支えようと一致団結することができた。
「ハルキ、焦らなくていいよ。私も、みんなも、ハルキが元気になるまで待ってるからね」
そう優しく声をかけられる自分に戻れたことが、何よりうれしかった。私の闘いはまだ続くけれど、もう1人ではない。そう思えるだけで、私はもう少し頑張れる。大事な家族だからこそ、一大事のときはみんなで支え合うんだ。義姉のおかげで私たちはようやくスタートラインにたった。
🔴【第1話から読む】「ただの疲れ」と思っていた夫の不調は、うつ病だった|夫がうつになりました
あとがき:家族で支え合う介護へ
最終話では、問題の「構造」を解決することの重要性を描きました。義母の謝罪は重要ですが、それ以上に必要なのは「えりなの負担を物理的に減らす」という具体的な行動です。
みかさんが提案した「ハルキの実家療養」と「えりなへの確実なリフレッシュ時間提供」は、えりなの生活を「仕事と家事と育児」に軽減し、精神的な余裕を取り戻させました。えりなの闘いは続くものの、「もう一人ではない」という希望とともに、物語は幕を閉じます。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










