🔴【第1話から読む】「助けて…」甥から涙の告発。隠された姉一家の"闇"
涙ながらに語られる宗吾の暴虐非道の数々。そんなことになっているとはまったく知らなかった初葉は、自分の無力さに落胆するのと同時に、宗吾に対する怒りが込み上げてくる…。
虐待について、涙ながらに語る甥
那月から語られた、宗吾さんのこれまでの暴言や暴力について…何もしらなかったことにショックをかくしきれなかった。ぶっきらぼうな人だが、「姉のえらんだ人だから」と安心してしまっていたのだ。
大気が一時期、不登校になっていたことも聞いていた。しかし、理由までは知らず、「また学校に通えるようになった」と知ってからは、その件について話すこともなかった。
(まさか…そんなひどい状況がつづいていたなんて…)
胸が締め付けられる感覚におそわれた。
「俺が私立に行ってるせいで、お金に余裕をもてなくなったとか…父さんが買った家なんだから、父親に従えとか。キゲンがわるいと八つ当たりしてくるし。ずっとビクビクしながら過ごさないといけなくて…本当にしんどい…」
「そんなの、家に居たくないのもあたりまえだよ…」
「こづかいも5000円だったのを1000円にへらされたし…あの人、勝手に俺のサイフ確認してくるし」
今どき、高校生がおこづかい1000円じゃ、友だちとも満足に遊べないのではないだろうか…。
「友だちの両親はめっちゃいい人たちでさ…愛されてんだなあって感じがする。叩かれたりとか殴られたりなんて、したことないんだって…。俺なんて、胸ぐらつかまれて投げ飛ばされたこともあるのに…。だれにも相談できなくて、くるしかった」
甥がその日、電話をしてきた理由
尽きることはないのではないかと思うほど、父親への不満が止まらない。
那月は、友だちとの間にある、あまりにも大きな「家庭環境」の差に、たえがたいむなしさを感じているようだった。
「今は外?…部屋?」
「部活おわって…帰り道。今日どうしても帰りたくなくて…できれば、もうこのままずっと帰りたくない…。それで、初さんに電話した…」
つまりそれは…「家出をしたい」ということ。
那月は少しずつ冷静さを取りもどしたようだった。たまりにたまっていたものを吐き出したあと、私に電話をする決心をつけた理由を話してくれた。
「昨日の夜、部活の準備してたら寝るのがおそくなって、朝寝坊しちゃったんだよね。朝ごはんをゆっくり食べてる時間がなくて、おかしだけつまんで出ようとしたんだ」
このまま帰宅させることはできない
「そしたら母さんに、ちゃんとつくってるやつ、少しでも食べなさいって止められて…急いでたから、いらないって言ったんだ。そこでちょっと言い合いになった。それで運わるく起きてきた父さんに見つかって…」
そこからは、那月の言葉を聞かなくても、大体、想像がつく…。
「もっとはやく気づいていたら…那月が一人で抱え込まなくて良かったかもしれないのに…」
そう返すと、那月の声がちいさくふるえるように「うん」と答えた。
「今、外にいるんでしょ?一旦、私のところに帰っておいで。夜、あぶないから」
このまま、佐藤家に帰宅させるのは無慈悲だと思ったのと同時に、父親といえど…そんな話を聞いてしまうと、宗吾さんの居るところに帰すのはこわい。
「もう少しゆっくり話を聞いてあげたほうがいいな」と思い、一度、私の自宅に帰るように言った。
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あとがき:やっとかけられた電話
つみかさなっていた那月のストレス。殺意を感じるほどの暴言をあびせる父親はいかがなものでしょうか。初葉はそんな環境から那月をすくうためにうごき出します。初葉という拠り所があって、本当に良かったと思います。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










