🔴【第1話から読む】「助けて…」甥から涙の告発。隠された姉一家の"闇"
初葉の自宅へと避難した那月。そこでも話が尽きることはなかった。そんな彼に初葉は、「今後のくらし」について提案をする。
ちいさな背中
自宅のチャイムが鳴り、那月が到着した。
「おじゃまします」
小さな声でつぶやくと、まようことなくリビングへと向かった。そのうしろ姿を見ていると、私よりも背が高いはずなのに、彼の背中はとても小さく見えた。
「はい、どうぞ」
「ありがとう…ココア?」
「こんな時間まで外にいたら、体ひえちゃってるでしょ。あまいの好きだったよね?」
電話の時よりおちついている彼の様子を見ると、すこし安心した。自宅に帰らなくて済んだことに、安堵していたのだと思う。
「家出したいって言ったこと…俺から初さんに連絡したこと、言わないでほしい…」
「でも、今日、泊まっていくなら…久美には連絡しないと」
那月は下を向いて、ちいさくうなずいた。
「私、この先の那月のことで提案があるから!とりあえず久美には今日のこと、話したほうが良いと思う」
甥との約束
「提案?」
「来年、高校卒業でしょ?大学行くのか、就職するのか知らないけど…家を出て、別でくらしたほうがいい。住むところとか、私が援助するから」
「本当に?でも…初さんの迷惑じゃない?」
「那月も大気も息子みたいなもんだよ。こんな話を聞いて何もできないのは、私ががまんならない!」
那月の表情はすこし明るくなって、何度もお礼を言ってくれた。そんなことくらい…大事な甥のためなら、なんてことはない。
(なんとしても、那月を宗吾さんからはなさないと…)
とりあえず、那月は母親である久美に、今日は私の家に泊まるということを正直に伝えた。久美も今朝のことが気になっていたようだ。
しかし、事態を治めるために、「今日は帰ってきてほしい」と言われた。那月はいやそうながらも、私との約束が支えになったのかもしれない。
「今日は帰るよ」
そう言って、帰り支度を始めた。
義兄との対決を決意
「初さんに話せて良かった!胸のつかえが一気に取れた」
帰り際、那月はせつなそうな顔でそう笑った。
「本来なら…久美が母親として、もっと那月や大気を守らないといけないよね…」
「母さんは助けてくれてたと思う。父さんがひどすぎるだけ。母さんや大気に矛先が向く方がイヤだし」
那月が姉(母親)のことをわるく言うことはなかった。母と弟を守るため…暴君な父からの攻撃に耐えるのは、本当につらかったと思う。
「…ちかいうちに、那月の一人ぐらしの件…説得するから」
「本気?信じるよ?」
「うん、気をつけて。何かあったら連絡して」
那月の背中を見おくりながら、宗吾さんと対決する日のために決意を固めた。
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あとがき:甥を守る覚悟
初葉は自身に負担を抱えてでも、那月を守る覚悟を決めました。未成年を守るのは、大人の責任。本来であれば、保護者の役わりではありますが、世の中にはその保護者が子どもを追い詰めているケースもすくなくありません。
理不尽な目にあっている甥のSOSをキャッチし、覚悟を決めた初葉の姿にエールをおくりたくなりますね。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています










