ママを悩ます、授乳後の「吐き戻し」
授乳後の赤ちゃんの吐き戻し。特別に珍しいことでもないですが、授乳のたびに吐き戻しされると気持ちも憂鬱になってしまいますよね。筆者も我が子への授乳の際、勢いよく吐き戻しをされることがあり、ビックリさせられました。
特に、初めての赤ちゃんや新生児だと「せっかく飲んだのにこんなに吐いてちゃんと栄養は足りてるのかしら?」「もしかして病気かしら?」とあれこれ不安になってしまうかもしれませんね。吐き戻しにはさまざまな理由がありますが、授乳を見直すことで解決できる場合もあります。
筆者が助産師さんから教えてもらった、今すぐにでも始められる簡単な方法をご紹介していきます。赤ちゃんの吐き戻しで悩んでいる方は参考にしてみてくださいね。
赤ちゃんが吐き戻してしまうのはどうして?
- 食道と胃の接合部分が発達途中なため、おっぱいやミルクが食道に逆流しやすい
- 授乳時に空気を飲み込みやすく、ゲップと一緒に吐いてしまう
- 満腹中枢が未熟で、母乳やミルクを飲み過ぎてしまう
上記の1と2に関しては、産院で教わったり、育児雑誌に書かれていたりして知っているママも多いかと思います。
3も特別驚くような理由ではないでしょう。しかし「飲み過ぎたから吐いてしまう」と理屈は分かっていても気付かないうちに飲ませ過ぎてしまっていることがあるかもしれません。
そこでこの記事では「満腹中枢が未熟で飲み過ぎてしまう」という点に注目して、筆者自身のエピソードと助産師さんからいただいたアドバイスをご紹介します。
- ISHIDA Lady's Clinic「赤ちゃんの病気」(http://www.ishida-iin.com/s_baby_infection.html,2019年8月20日最終閲覧)
- 中野こどもクリニック「病気・症状なんでもQ&A」(http://www.nakanokodomo.com/db/spitup1.htm,2019年8月20日最終閲覧)
- 松井潔(監)「月齢ごとに「見て分かる!」育児新百科」226(ベネッセコーポレーション,2014)
- マミーローズクリニック「ジャスミンだより」(http://www.mammyrose.net/jasmine/pdf/h27spring.pdf,2019年8月20日最終閲覧)
吐き戻しが怖くて、不安になりながら授乳する日々
筆者には2人の子どもがいて、1人目は完全母乳でしたが吐き戻しは全くありませんでした。2人目は母乳とミルクの混合育児をしていましたが、新生児の頃は毎回のように吐き戻していました。
しかも勢いよく「ゴボー!」っと吐いてしまうので、初めて見たときはその迫力に驚いてしまいました。何度か吐き戻しをされるうちに、実際に母乳やミルクを飲んだ量が足りてるのか心配でたまらなくなりました。
こればかりは赤ちゃん特有の胃のつくりなどが原因だろうから、ある程度の月齢まで育って落ち着くまで待つしかないのかなと諦めていました。
授乳をしていた当時は、まさか自分が前述の「満腹中枢が未熟であり、母乳やミルクを飲み過ぎてしまう」のスパイラルに陥ってしまっているとは知る由もなかったのです。
半ば諦めつつも、生後2週間健診があったため助産師さんに吐き戻しについて相談してみたところ、「飲ませ過ぎのスパイラルに陥っているのではないか?」と教えてもらいました。筆者の場合は、母乳の出がいいのにたくさん飲ませ過ぎていたようです。そのため、赤ちゃんが苦しくて吐いてしまっているとのことでした。
それから助産師さんにいただいたアドバイスを実践するようになって、うれしいことに徐々に吐き戻しはしなくなりました。
助産師さん直伝!「吐き戻し」の原因と解決法
どうして気づかないうちに飲ませ過ぎてしまうのか?どうしたら解決できるのか?筆者が助産師さんから聞いた方法を詳しくご説明します。
赤ちゃんの仕草に惑わされるな!
まだ話すことができないため、何かを訴えるときは泣いて教えてくれる赤ちゃん。
そのときの「赤ちゃんの仕草」にも、つい飲ませ過ぎてしまう原因があるようです。それは、指をチュパチュパしたり、口をパクパクしたりといった仕草です。
赤ちゃんにそんな仕草をしながら泣かれると「赤ちゃんはおなかが空いてるのかしら?おっぱいが足りなかったかしら?」と考えてしまいますよね。
助産師さんによると、赤ちゃんはおなかが空いたときだけでなく「満腹で苦しいよ~」と訴えるときも同じような仕草をすることがあるそうですよ。
吐き戻しの無限ループ?
前述の通り、赤ちゃんは満腹でも「おなかが空いたよ」というようなしぐさをみせます。そこで空腹だと勘違いをして授乳してしまうと、満腹の赤ちゃんに更に飲ませることになってしまいます。
ましてや普段から吐き戻しをする赤ちゃんの場合、本当は満腹だったとしても、「吐いてしまう分、母乳やミルクが足りてないのかもしれない」と考えて、さらに授乳してしまうことがあるのだそうです。
特に新生児は満腹中枢ができ上がっていないため、おなかがいっぱいにもかかわらず与えられるだけ母乳やミルクを飲んでしまいます。この繰り返しが、飲ませ過ぎスパイラルから抜け出せなくなる原因となってしまうのです。
解決法!飲ませ過ぎスパイラルから抜け出そう!
吐き戻しの解決方法は、授乳間隔をしっかり開けること」だそうです。赤ちゃんの消化する力に基づいて、だいたい2時間~3時間はあけて授乳するよう、筆者は助産師さんからアドバイスされました。
「しっかり飲ませて、しっかり間隔をあける」これを続けることで飲ませ過ぎて赤ちゃんが授乳のたびに吐き戻しをしてしまう、ということを少しずつ減らせるでしょう。
いきなり3時間おきの授乳を無理して目指さなくても、そこを目標に赤ちゃんの様子をみながら少しずつ間隔が開くようにしていくだけでも効果はあるようです。
最初は私は2時間すら開けられませんでした。それでも日々の積み重ねで少しずつ間隔が開いていき、吐き戻しも減っていきました。
ただ、これは混合育児だったためできたのかもしれない、と思うことがあります。母乳のみの方ならではの難しさもあると思いますが、ママと赤ちゃんのペースを見つけられるとよいですね。
赤ちゃんとママの授乳タイムが幸せな時間になりますように
赤ちゃんの吐き戻しに関する筆者の体験談をご紹介しましたが、いかがでしたか?
つい吐き戻しに注意がいってしまい、飲ませ過ぎていることに自分で気付くのはなかなか難しいですよね。もし心当たりがあれば試していただけたらと思います。
また順調に体重が増え、赤ちゃんが機嫌よく過ごしているのであれば、多少の吐き戻しがあっても問題はないと助産師さんがおっしゃっていました。そのため、あまり神経質にならず赤ちゃんとの授乳タイムを「幸せ」と感じながら過ごしてもらえたらと思います。
なお、赤ちゃんはウイルスや細菌感染などが理由で吐く場合もあります。いつもの母乳やミルクの吐き戻しとは違う、と感じた場合は病院を受診してくださいね。