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監修:齋木啓子

【医療監修】BCG予防接種後の経過。ワクチン接種後まれにあるコッホ現象って?

生後5ヶ月から受けられるBCGワクチン。BCGワクチンの予防接種後は、時期によって経過が異なるため、事前にしっかりと確認しておく必要があります。予防接種を受けたあとに「腫れてきたけれど大丈夫?」と焦ることのないよう、疑問や不安な点は医師や看護師に質問しておくことが大切です。

PIXTA

BCGワクチンとは?

BCGとは、結核を予防するためのワクチンです。

予防接種時期は1歳未満、国としては生後5ヶ月~生後8ヶ月の間を推奨しています。1本の針の注射ではなく複数の針が集まったスタンプのような形のもので接種するため、「スタンプ方式」と呼ばれています。

定期予防接種ですので、費用はかかりません。時期になればお住まいの自治体から必要書類が送られてきますので、対応している医療機関に予約し、予防接種を受けるようにして下さい。

BCG予防接種による副反応

泣く PIXTA

BCGワクチンの接種後に副反応が発生することはまれですが、1%以下の割合で接種した側の脇のリンパ節が腫れることがあります。

また、発生頻度は不明ですが、骨炎や全身性のBCG感染症、アナフィラキシーなどの重大な副反応が発生したという報告があります。

出典元:

BCG接種後の正常な経過

小児科 PIXTA

BCGワクチンを接種してから10日~14日間くらいで、接種した部分に赤いぽつぽつができ、膿を持ってかさぶたを作るようになります。接種後5~6週頃に最も強く現れます。

その後、接種後3ヶ月くらいすると、赤みや膿はなくなり、針の跡だけが残ります。

出典元:

接種後10日以内の赤み、腫れはコッホ現象?

悩む PIXTA

コッホ現象とは、結核にすでに感染している人にBCGワクチンを接種した際に、10日以内に接種したところに上記のような反応が起こる現象のことを言います。

通常より早い段階(多くの場合は3日以内)で赤く腫れて膿んできた場合はコッホ現象が疑われます。

しかし、厚生労働省は、平成17~21年度でコッホ現象として報告された症例を検証した結果、「コッホ現象に伴う重大な障害は認められなかった」と報告していますので、焦らず対応しましょう。

コッホ現象が疑われる場合の検査方法

コッホ現象が疑われたときは、「ツベルクリン反応」と呼ばれる検査で判断します。ツベルクリン反応検査とは、ツベルクリンという液を注射して、結核感染の有無を調べるものです。

その他、問診はもちろんのこと、結核を発病していないかどうかの確認のためにレントゲン撮影を行う場合もあります。その際、経過を写真で残しておくと、医師の判断材料になるでしょう。

偽コッホ現象の可能性も

親子 PIXTA

反応が2~3日以内に出るからと言って全部がコッホ現象とは限りません。コッホ現象の局所の反応が1週間以内に消えてしまう場合、偽コッホ現象と呼ばれます。

しかし、判断が難しいため、心配なことがあったらBCGを接種した病院に相談しましょう。

出典元:

焦らず経過観察しましょう!

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予防接種は、さまざまな危険から子供を守るために必要なこと。とはいえ、生後間もない赤ちゃんにたくさんの予防接種を受けさせるのはなかなか心が痛みますよね。

BCGに限らず、ワクチンを接種するときには、医師や看護師からしっかりと説明を受け、疑問がある場合にはきちんと質問できるとよいですね。

あとから慌てないよう、しっかりと準備をして予防接種を受けましょう。

生後5~6か月の赤ちゃん育児についてもっと知りたい方は、以下からごらんになれます。

生後5か月の赤ちゃん育児特集
生後6か月の赤ちゃん育児特集

記事の監修

家庭医、在宅医

齋木啓子

2004年島根医科大学卒。独立行政法人国立病院機構姫路医療センターにて初期研修、CFMDにて家庭医療後期研修および在宅フェローシップ、Leadership Training Fellowship-distant(LTF-distant)修了。
12年にふれあいファミリークリニックを開設し、院長として勤務。17年にEU Business SchoolにてMaster of Business Administrationを取得し、LTF-distant運営・指導に当たっている。現在は悠翔会在宅クリニック新橋で院長として勤務。
家庭医療専門医、在宅医療専門医、経営学修士。

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