粉ミルクってどうやって選べばいいの?
母乳が出ない時のために粉ミルクを用意したいけど何が良いのだろう、ミルク中心で育てたいけどその場合はどの粉ミルクが適しているのだろう、と疑問を持っているママは多いようです。
それに粉ミルクの種類は色々あるので、選ぶのは大変ですよね。でも赤ちゃんの成長や健康に関わる重要なことなので、しっかり選びたいところです。
ここでは、そもそも粉ミルクとはどのようなものなのか、粉ミルクで育てるとどのようなメリット・デメリットがあるのか、選び方の基準はなんなのか、私が経験して感じたことをご紹介していきます。
粉ミルクとは
粉ミルクとは、母乳の代わりとして与える赤ちゃんの食事です。
今も昔も、母乳育児を強く推進する考えを持つ産婦人科や助産師さんがいますが、粉ミルクをあげることは決して悲観的なものではありません。最近では、ライフスタイルの都合や、さまざまな理由で粉ミルクを選ぶ家庭があります。
- 日本小児科学会「乳児用特殊ミルク等の栄養素含有適正化に関するワークショップ」日本小児科学会(https://www.jpeds.or.jp/uploads/files/saisin_120509.pdf)
- 母乳育児支援ネットワーク「母乳代用品のマーケティングに関する国際規準」母乳育児支援ネットワーク(http://bonyuikuji.net/?p=317)
粉ミルクをあげるメリット・デメリット
まず、粉ミルクと母乳にはどのような違いがあるのでしょう。栄養が足りないのでは?お金がかかる!等、粉ミルクにマイナスなイメージをもったママもいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、最近の粉ミルクは母乳に限りなく近い成分のものが数多くあります。それをふまえても、デメリットに目が行きがちになりますが、実はメリットもたくさんあると感じています。私自身が感じるメリットは以下のようなものです。
メリット
- どこでも、誰でも授乳ができる
- お母さんが飲食を気にしなくてすむ
- お母さんが薬を飲むことができる
- 腹持ちがよい
- 哺乳瓶に慣れる
- お母さんの負担が軽くなる
粉ミルクの最大のメリットは、ママの精神的な負担が軽くなることだと私は考えています。誰でも授乳ができるので、お父さんにもミルクをあげる喜びを味わってもらえ、育児にも積極的に参加しやすくなるかと思います。
ママは飲食やお薬などの制限が減り、赤ちゃんは哺乳瓶を使うことで、スムーズに他の飲み物も飲むことができるようになります。
もちろん、母乳だけで育てる「完全母乳育児」の人もいますが、母乳派の人も、乳腺炎になってしまった時や薬を飲んでいてあげられない時もあります。そんな時は、粉ミルクで乗り切ることができますよ。
デメリット
- コストがかかる
- 手間がかかる
- 荷物が多くなる
そしてどうしてもお出かけの際の荷物は多くなってしまいますよね。最大のデメリットとしては、お金です。赤ちゃんが卒乳するまで毎日飲むことを考えると、それなりの金額がかかってしまいます。
粉ミルクの選び方
粉ミルクのメリットも感じていただけたかと思いますが、粉ミルクの種類はたくさんありますから、どのメーカーのどの商品を選ぶのがいいのかわからないものです。
今回は、粉ミルクをどうやって選べばいいのか、その基準をご紹介します。粉ミルクの選び方について、一緒に考えていきましょう!
粉ミルクの対象年齢は?
「新生児から飲める粉ミルク」と、「9ヶ月以降にならないと飲めない粉ミルク」があります。製品に「○ヶ月から」と書いてあるので、注意して購入しましょう。
たとえば、森永乳業の「はぐくみ」だと生後0ヶ月から飲むことができますが、同じメーカーから出ている「チルミル」は生後9ヶ月からが対象です。
- 森永乳業「森永 はぐくみ」はぐくみ(http://www.hagukumi.ne.jp/brand/chirumiru/chirumiru.shtml#pLink05)
- 森永乳業「森永 チルミル」はぐくみ(http://www.hagukumi.ne.jp/brand/chirumiru/chirumiru.shtml#pLink05)
粉ミルクの種類
粉ミルクには以下のような種類があります。
- 乳幼児用ミルク
- アレルギー対応ミルク
- フォローアップミルク
1.育児用ミルク
育児用ミルクとは、母乳の代わりに赤ちゃんに与える「母乳代替食品」のことです。「母乳に近づける」ことを目的として各メーカーで研究が行われています。
例えば雪印ではたんぱく質成分や脂質成分、ビタミン・ミネラルを母乳に近づけるように製造し、母乳に含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)・オリゴ糖・ラクトアドヘリン・ヌクレオチドなどを配合しています。
各社のホームページや、ミルクの商品に書いてある成分にも着目してみましょう。
2.アレルギー対応ミルク
さまざまなアレルギーを持った赤ちゃんのためのミルクも開発されています。たとえば和光堂から発売されている「ボンラクトi」では牛乳の成分を使わず大豆のたんぱく質を使ってミルクが作られています。
各社でアレルギー対応のミルクが販売されているので、赤ちゃんの体質の事で困ったら小児科医に相談の上、赤ちゃんに合うミルクを探してみましょう。
3.フォローアップミルク
離乳食を1日3回しっかり食べるようになる生後9ヶ月くらいから飲む、足りない栄養素を補うためのミルクです。こちらは育児用としては使用できません。離乳食がしっかり3回定着してから飲むものです。
例えば雪印では、日本人の食事摂取基準などを参考に、たんぱく質、脂質成分をはじめ、ビタミン・ミネラルをバランスよく配合したミルクを作っています。
粉ミルクの量
粉ミルクは一般的に、800g程度入っている大きな缶、300g程度が入っている小さい缶、100ml用のスティックや固形タイプが販売されています。私は以下のような使い分けをおすすめします。
- 大きな缶(800~850g):ミルク常用派
- 小さい缶(300g程度):混合派
- 100ml用のスティック、固形タイプ:ミルク派の人のおでかけ用/母乳派の人
粉ミルクは赤ちゃんの口に入れるもの。消費期限もあります。使い切れる分だけを購入するのがいいですね。特に、母乳と併用する場合は、買い置きがたくさんありすぎると消費しきれないこともあるので注意が必要です。
- 和光堂「ボンラクトi」和光堂(http://www.wakodo.co.jp/product/babyfood/milk/bonlact/)
- 雪印「ぴゅあ」雪印(http://www.snowbaby.jp/pure/)
- 雪印「たっち」雪印(http://www.snowbaby.jp/tacchi/)
赤ちゃんにも粉ミルクの好みがあります
赤ちゃんによっても、母乳しか飲まない子、粉ミルクはどのメーカーのものでも飲める子、メーカーによっては飲めるものもあるという子など、赤ちゃんの好みはさまざまです。母乳が足りないと思って粉ミルクを用意しておいたのに、結局は飲まなかったといったケースもあります。
またA社のミルクは飲むのに、B社のミルクは飲まないという場合もあります。そのため、最初は少量から試してみるのがいいかもしれません。
粉ミルクを上手に利用し、ママも赤ちゃんもハッピーな毎日を送りたいですね。