そもそも、ウェブカメラてなあに?
ウェブカメラとは、保育園の施設内にカメラが設置してあり、園から配布されるIDとパスワードを入力するとインターネット上でリアルタイムの映像を見ることが可能になるシステムです。
私が利用していた保育園は0歳、1歳クラスにウェブカメラが設置されていました。時間は10時~16時まで。その間はIDとパスワードさえ入力すればどこからでも自由に見ることが可能でした。
ウェブカメラを保育園に設置している理由は?
ではなぜ保育園にウェブカメラを設置しているのでしょうか?誰が見るの?なぜ必要なの?
何かと話題に上るこのウェブカメラについて、改めてまとめてみたいと思います。
防犯、監視面の強化
これはウェブカメラを設置をしている運営側が挙げる設置理由に多く含まれています。常にカメラで監視が出来る事により、不審者の侵入を防いだり、夜間も防犯カメラとして安全強化に役立たせたりしているようです。
現場管理のサポート
もう一つ運営側の観点からの利用方法として、保育士さんの業務の進捗度合いを確認するなど運営側の現場管理ツールとしても活用しているようです。
保護者へクリアな保育を提供
子供を預ける上で一番の不安要素は「信頼できる保育園なのか?」という事。絶対安心というものはないけれど、例えば保護者の見えない日中の保育時間はどんな風に過ごしているのかなど、常に不安は付きまといます。
運営側もこの点を出来る限り解消させるためにウェブカメラを設置して「クリアな保育の提供」を謳っている所も多々あります。
万が一の事故・怪我の際の検証
子どもが万が一の事故を起こしたり、怪我をしたときに、ウェブカメラを見て事態の検証をすることができます。
子どもの身に何かが起こったときに、保護者へ事情や原因を説明する際、ウェブカメラがあれば、運営側はスムーズにその時の状況について話を進めることができるとともに、保護者も納得感を持って話を聞くことができますよね。
他にも、原因を追求して次回に向けて同じことを繰り返さないための対策を練ることも可能です。
何よりも保護者への安心感とサービスを提供
子供の様子を思い立った時に確認できるという安心感。特にまだお話が出来ない年齢の子供を預ける親にしたら、子供の様子が余計に気になるところです。
日中仕事に追われてふと休憩をした時に、園の様子をのぞいて見て、わが子が泣いて笑って元気に過ごしている姿を見られたら、保護者もまた「がんばろう!」という気持ちが湧いてくるのではないでしょうか。
実際に利用して感じたウェブカメラのメリット
それでは、ウェブカメラのメリットをご紹介します。
未知の世界を垣間見る
初めて保育園に預けた日。とにかく子供は急に親から離され知らない空間に取り残されて何事かと泣き叫び、親は親で今までべったりだった子供がいなくなった喪失感で落ち着かないのではないでしょうか。
復職する前のならし保育期間中であれば、ひたすらウェブカメラをのぞいて子供の様子をチェックすることもできます。
入園からしばらく経つと泣くことも少なくなり、徐々に視野を広げて環境に馴染んでいく様子もウェブカメラによって見ることができます。
子供の力、保育園という空間の素晴らしさを実感するきっかけにもなります。
家とは違う子供の一面を発見!
保育園生活に慣れてくると、子供達もそれぞれの遊びに夢中になっていきます。
ある一定の期間泣いて過ごした後は、案外積極的におもちゃで遊んだり、先生と絡んだり、お友達と一緒に本を眺めながら何やら指差していたり。
ママべったりの子供しか知らなかったお母さんも、ウェブカメラによって新しい一面を発見出来るでしょう。
食事やお昼寝の際の不安を確認
慣れない集団生活の中で、どんな反応を見せるのだろう?言う事を聞かない子供相手に保育士さん達はどんな対応をするのだろう?と全てが心配。
初めは座っての食事もお昼寝も全力で拒否していた子供達に根気強く笑顔で対応してくれる保育士さんの姿など、保育士さんの子供への接し方もウェブカメラを通してみることが出来ます。
体調の確認
熱もなく元気にしているけれど、何となく親の勘でいつもと違うような気がしながらも保育園に預けた日は一日モヤモヤと不安が残ります。
そんな時にウェブカメラを見たら、いつも通り元気いっぱい遊んでいる息子を見つけてホッとしたり・・・。
体調がグレーゾーンであれば預けざるを得ない保育園児パパママにとって、安心のツールであると思います。
離れて住む親族も楽しめる
近い親族であればIDとパスワードを共有出来るため、離れて住んでいる祖父母などが保育園で過ごす孫の様子を見る事が出来るのはとても楽しいようです。
たまに遊びに行くだけでは中々見る事の出来ない普段の孫の様子を見せてあげられるというのは、親にとっても嬉しい事ですよね。
これぞウェブカメラの醍醐味と言えるかも知れません。
便利なウェブカメラが持つ不安要素
ここまでウェブカメラの利点を挙げてきましたが、次に利用者側の不安要素について触れたいと思います。便利な反面、不安もある、これは保護者の間でも常に話題に上がっていました。
ID、パスワードの流出
ID、パスワードは毎月変更して保護者へプリントで配布されていました。一枚のプリントでホームページのアドレスもID、パスワードもすべて記載されているので、もしプリントを紛失したら?と常に不安が付きまといました。
ネット公開のため不正アクセスへの不安
ID、パスワードのプリントをしっかり管理していても、ネット上での不正アクセスにより外部の人間に覗かれる不安もあります。
それがただの閲覧で済めば不幸中の幸いですが、そこで得た情報を元に保育園に不審者が侵入したり、子供の顔写真が流出して犯罪に繋がったりしたら・・・。考えただけでも恐ろしいですね。
園や保育士を監視する保護者
不安な要素は子供の安全面だけではありません。世間には何かとクレームをつけたがる保護者も残念ながら存在します。
ウェブカメラを通して園や保育士の行動を監視して、例えばお友達との些細なトラブルで子供が泣いている現場を見ようものなら、園や保育士を責め立てる。子供が一人遊びをしていたり輪から外れたりしていると、保育を放棄していると捲し立てる。
これでは保育士さん達も、本来の業務以外にも常に気を張っていないといけなくて不安やストレスが蓄積されます。子供の日常生活に、多少のトラブルや怪我、気の浮き沈みは良くありますよね。それにウェブカメラで見える事が全てではありません。
では実際ウェブカメラは必要なのか?
これまでメリットとデメリットを挙げてきました。
本当のところウェブカメラは必要なの?なくても困らない?実際に利用してみて思ったことをまとめました。
あればラッキー!的な感覚で
前述したように、ウェブカメラのメリットは多々あります。特に低年齢の子供の場合は今日の出来事を話せないので、保護者がウェブカメラで確認出来るのはありがたい事です。
でも、必ずしも必要とは言い切れません。保育園選びの条件の上位にする必要はないものです。入園してウェブカメラがあったらラッキー!くらいの感覚で良いと思います。
あくまでも補助的ツールである
子供の様子が常に見られるという事で、初めのうちは好奇心と心配と色々入り混じった感覚でウェブカメラを見る頻度が高かったのは事実です。でもその一時が過ぎてしまえば、親も子供を預けている時間は通常仕事をしている訳ですし、どんどん見られる時間は限られていきます。
それでも忙しい日々の合間、少しの休息時間にチラッと眺めて子供のがんばっている姿を見れば親も元気をもらえる。そんな役割の補助的ツールとして活用できれば、一番うれしいかなと思います。
保護者会で話題になる事のトップがウェブカメラ
0歳、1歳など低月齢のクラスにはウェブカメラを設置しても、3歳クラスなどある程度園生活に慣れてきた年齢のクラスには設置しないという方針の園も多いようです。そういった園の保護者会では「上のクラスにもウェブカメラを設置してほしい」という要望が必ず出ます。
その際、保護者会に参加する第三者委員の方や運営側からの意見を挙げてみます。
- 基本的に保育施設としてウェブカメラの設置義務はない
- 全ての部屋に設置するのは設備面、防犯面で望ましくない
- 2歳になれば園の様子はウェブカメラに頼らず子供との会話で聞いてほしい
まあ、確かにおっしゃる通りです。それでも親たちは是非設置をしてほしいと願う。毎回これは平行線のまま交わる事のない議論になっています。
子供の保育園生活に大切なものは
ウェブカメラのない2歳児に進級した私を含めた親たちが思うところ。それは、
- 2歳児にウェブカメラはなくても全く問題ない
- 2歳になり保育園生活にも慣れたころは親の仕事も忙しくなる
という事。もちろんウェブカメラが付いているのであれば、小さな不安は解消されますし、普段は見られない集団生活の中のわが子を見る楽しみも増えます。なので0歳、1歳児クラスには付いている方が色々な面で利点もあるし安全に設置が出来るのであれば賛成です。
しかし2歳にもなると色々拙いながらも日々の出来事を話すようになってきます。今では夕飯の支度をしながらそれに耳を傾け、言葉をつなぎ合わせて、わが子の一日に思いを馳せるのが楽しみになりました。
今はウェブカメラもないので何をしているのか見ていない状態のため、色々私も質問をする。息子はまたキラキラした瞳で細かく状況を教えてくれる。日中は離れて過ごす保育園親子に、会話以上の大切なツールは存在しません!
利点も欠点も併せ持つウェブカメラ。今後も上手な利用法で活用される事を願っています!