災害時にアレルギー対応食の不足を経験したママの声
東日本大震災の被害者であった米と卵のアレルギーをもった1歳2ヶ月の子供のママは、日々の生活がインターネット注文による取り寄せで成り立っていたと話します。
交通網が乱れ、医療機関の対応が見込めない中、米アレルギーの子供を持つママを救ったのはたまたま持っていたアレルギー用米のストックでした。食べられる限られた米の種類を作っていた岡山と北海道の農家が被災しなかったことも不幸中の幸いだったようです。
災害時でなくても思い通りにはいかない子育て。食べられるものが限定されるアレルギー疾患のある子供を持つママの不安と苦労は果てしないものでしょう。
アレルギー疾患の子供のママが抱く不安は、東日本大震災の被害者だけではありません。災害用の備蓄品を整える上で不安を抱えるママは多いようです。
困るなと思ったのは、離乳食を卒業した後の外出先での食事や災害時の非常食、私がダウンしたときの食事です。
小麦、大豆、卵、乳製品でクラス3のアレルギーをもつ子供を持つママ、やはり不安は災害時の非常食ですね。
ママがコントロールできるできることが極端に減る災害時。アレルギー用が必要となると、自治体や周りのサポートに頼ることができないのではないかと心配になってしまうものですね。
災害用備蓄品がアレルギー対応とは限らない
ママの心配は、想定できない非常事態に、アレルギーをもつ子供が食べられるものがあるのかどうかでしょう。
東日本大震災後、災害時に備えた食料、飲料水、生活必需品などの備蓄は、家庭内だけでなく自治体でも積極的に行われていますが、自治体の災害用備蓄品がアレルギー対応であるとは限らないのが現状です。
2015年に日本小児アレルギー学会が自治体におけるアレルギー用食品の備蓄に関する案をまとめ、各自治体に周知したこともあり、アレルギー対応の備蓄品を用意している自治体は増えているようですが、まだまだすべての自治体が対応したわけではありません。
アレルギー疾患をもつ子供のママは、住んでいる自治体がどのような備蓄を行っているかを確認した上で、1週間分程度の食料・飲料水を備蓄し、災害発生時には避難所に持参できる準備をしておきたいものですね。
- 愛知県「食料、生活必需品等の備蓄」(http://www.pref.aichi.jp/soshiki/saigaitaisaku/0000035609.html,2017年5月25日最終閲覧)
- 日本小児アレルギー学会「大規模災害対策におけるアレルギー用食品の備蓄に関する提案について」日本小児アレルギー学会2015年8月(http://www.jspaci.jp/modules/gcontents/index.php?content_id=10,2017年5月31日最終閲覧)
アレルギー対応の備蓄食品
災害時用に備蓄しておきたいアレルギー対応食品にはどのようなものがあるのでしょうか。おすすめ食品をいくつかピックアップしましたので、子供のアレルギーに応じたものをご検討ください。
アレルギー対応食品の備蓄は、3日分以上、できたら1週間分を目安に揃えておくと安心ですね。子供のアレルギーに適した食品かどうか、不安な場合はかかりつけの医師に相談しましょう。
ミルクアレルギー対応粉ミルク
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原材料名:デキストリン、調整脂肪(パーム油、パーム核油、ヒマワリ油、サフラワー油、エゴマ油)、乳たんぱく質(カゼイン)消化物、ショ糖、ラフィノース、L-カルニチン、塩化カルシウム、グリセリン脂肪酸エステル、クエン酸...
一般の人工乳が飲めないミルクアレルギーのある乳幼児用ミルクです。日本小児アレルギー学会が自治体に対し備蓄を提案しているミルクでもあるため、安心して与えられますね。保存期間は18ヵ月。もちろん水の備蓄も忘れずに!
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原材料名:デキストリン、調整食用油脂(サフラワー油、シソ油)、リジン、加工デンプン、グリセロリン酸カルシウム、ロイシン、プロリン、アスパラギン酸Na、バリン、チロシン、スレオニン、イソロイシン、グリシン、アラニン、...
こちらもミルクアレルギーの乳幼児用ミルクです。たんぱく質に対するアレルギーに配慮し、アミノ酸源には抗原性のない精製アミノ酸のみを使用しており、乳、卵、小麦、大豆のアレルゲンは含んでいません。
ミルクアレルゲン除去食品、無乳糖食品として消費者庁の認可を受けています。こちらはスティック状なので、衛生面でも安心ですね。
小麦アレルギーのある子の主食
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小麦アレルギーの子供たちの主食であるご飯です。商品によって異なりますが、安心米は5年間の長期保存ができるので、一度ストックしておけばしばらく安心ですね。
配給や非常食はパンや乾パンの場合も多く、小麦にアレルギーのあるお子さんのいる家庭はお米の非常食は必ず準備しておきたいものです。熱湯を入れて20分でできあがるという利便性も嬉しいところです。
シンプルな原料で作られたカレー
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食物アレルギー対応食品を専門に扱う辻安全食品のレトルトカレー。馬肉を使っているので、牛肉や豚肉などにアレルギーがある子供も安心してカレーを楽しむことができますね。
賞味期限が長く、お湯で温めるだけで食べることができる手軽さが魅力的です。
どんなお子さんでも必須のお菓子
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こちらも辻安全食品のふわふわかぼちゃボーロ!甘さが控えめなので、赤ちゃんにも安心して渡せます。アナフィラキシー症状のある子供が食べる場合は、事前にかかりつけの先生に相談してみましょう。
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原材料名:米粉(新潟県産)、食用植物油脂(ライスショート)、砂糖、ココナッツピューレ、アーモンドプードル、発酵調味料(米、塩)、ココナッツファイン(アレルギー物質は使用しておりません)。
アレルギー物質27品目を使用せず、新潟県産の米粉が使われているようです。小麦アレルギーの子供の強い味方ですね。賞味期限が5年あるのため、小箱でストックしておくと安心!少しおやつを与えたい時、子供がぐずっている時など、重宝しそうです。
賞味期限が長い食品を多めにストック
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その他、備蓄品ではなくても、アレルギー物質を含んでいないレトルト食品など、賞味期限が長いものをストックしておくとよいでしょう。定期的に賞味期限を確認し、必要に応じて買い換える癖をつけるとよいですね。また、普段から、親戚などにアレルギー食をストックしてもらい、災害時に送ってもらえる状態を作っておくと安心です。
- アレルギーネットワーク京都 ぴいちゃんねっと「災害支援案内」アレルギーネットワーク京都 ぴいちゃんねっと(http://www.allergy-k.org/disastersupport/disaster-support.html,2017年5月31日最終閲覧)
食料以外に用意しておきたいもの
災害時に必要なものは食品だけではありません。災害時に周囲の人たちが子供のアレルギーを把握できるよう除外食品明記したカードや、症状の経過が記載された書類、お薬手帳、薬なども用意しておくべきでしょう。食品以外にアレルギーをもつ子供のためにママが準備できるものを紹介します。
誤食時の緊急薬
過去にアナフィラキシーショックを起こしたことがある場合、緊急時用の薬が処方されていることがあります。災害時に誤食してしまう可能性はゼロではないため、処方されている場合はアドレナリン自己注射薬などを忘れない場所に保管しておくとよいでしょう。
アレルギー対応食品が備蓄されている場所の地図と連絡先
自治体によっては、備蓄しているアレルギー食品を詳細に公開しているところがあるので、住んでいる自治体がどのような状態にあるのか、調べる価値はあるでしょう。自治体によっては、備蓄している場所も公開しています。防災という観点からも事前に確認できると安心しますよね。
除去食品が明確に書かれたもの
子供がどのようなアレルギーをもち、どのような配慮が必要なのかを明記したものを用意しておくとよいでしょう。特に災害時は親とはぐれてしまうことも想定しおきたいですし、周囲の大人が誤ってアレルギー反応がでてしまう食品を与えたりしないよう対策しましょう。
たとえば、アレルギー支援ネットワークが販売している「緊急時(災害時)のお願いカード」は、アレルギーの内容だけでなく、緊急連絡先、かかりつけ医院、家族の集合場所などの記入欄があるもので、事前に用意しておくと災害時に焦らず行動ができるでしょう。
その他、エーエルサインの「食物アレルギーサインプレート」は、周囲の人でもどの食材が食べられないのか、周囲の人にもわかりやすいデザインになっているので、検討してみてもよいでしょう。
災害時に焦らないよう準備を念入りに!
災害時はただでさえバタバタし、不安になってしまうもの。アレルギーをもつ子供のママは、より敏感に、より神経質になってしまうものだと思います。
災害時にひとつでも不安要素を減らすため、事前の準備をしっかりしておきたいですね。