親子で作る「言葉のおうち」って?
子供はママや周囲の人とのコミュニケーションの中で言葉を理解し、話せるようになっていきます。そのスピードには個人差があり、いつまでに言葉を発するべきという決まりがあるわけではありません。子供とのコミュニケーションや言葉を話す力の育て方について、臨床発達心理士の新井範子先生のお話をもとにお伝えします。
ママたちは、子供と早く「言葉」でコミュニケーションを取りたいと考えてしまうもの。しかし新井先生は、言葉はあくまで人に伝える手段の一つであり、コミュニケーション力が育っているかを見る上ではあまり重要なことではないといいます。
新井先生は言葉の発達を家の建設にたとえて「言葉のおうち」と呼んでいます。「言葉のおうち」は、以下のような順番で建設が進んでいくそうです。
- 1階部分:人と関わりたい気持ち
- 1階部分の屋根:相手の意図を理解する力
- 2階部分:人に伝えたい気持ち
- 屋根:言葉でコミュニケーションを取る
言葉とは、人と関わりたい、伝えたいという気持ちの土台の上に乗った「屋根」のようなもの。新井先生が重要だと話すのは、屋根があるかどうかではなく、これから屋根を乗せるための土台ができているかどうかということ。
わが子が一生懸命言葉のおうちを建てようとしているとき、ゆったり見守るのも正解。しかし、ママができることを少しお手伝いしてあげることも、良いことだといいます。
言葉のおうちの建設工事が、少し手間取っているところがあれば手伝い、弱い部分は一緒に補強をしてあげて、素敵な「言葉のおうち」を親子で一緒に作りましょう。