アトピー性皮膚炎と食物アレルギーの関係
アトピー性皮膚炎と食物アレルギーには、関連がある場合とない場合があります。また、どちらが先に起きているのか、今まさに解明中で分かっていない部分もあります。しかし、アトピー性皮膚炎をもつ子が食物アレルギーも持っている場合が多いのは事実です。
国立成育医療研究センターから、次のような報告がされています。「乳児期にアトピー性皮膚炎を発症した子供は食物アレルギーなどの他のアレルギー疾患を発症するリスクが非常に高いことが示唆されていました」
つまり、長引く乳児湿疹(アトピー性皮膚炎を含む)をもつ赤ちゃんに離乳食を始める際には、ママは多少なりとも食物アレルギーに注意しながらスタートする必要があることになります。
さらに、同研究センターは「アトピー性皮膚炎発症が卵アレルギーの発症と関連することも突きとめました」と発表しています。
- 国立成育医療研究センター「世界初・アレルギー疾患の発症予防法を発見(アトピー性皮膚炎発症が卵アレルギーの発症と関連)」(https://www.ncchd.go.jp/press/2014/topic141001-1.html,2018年6月25日最終閲覧)
保湿によって皮膚を守り、食物アレルギーを防ぐ
食物アレルギーは、食べ物に含まれるタンパク質を体がアレルゲン(異物)だと間違えて、過剰に反応するために起こります。
ある食べ物に対して、何らかの原因でIgE抗体といった体を守る防御因子を作ってしまうため、ある食べ物を食べると体が反応(=アレルギー反応)してしまうのです。湿疹がある子供は、湿疹のない子に比べて、食べ物に対するIgE抗体を作りやすいことがわかっています。
湿疹のある皮膚に、部屋中に浮遊するホコリに混ざっているほんの少しの食べカスなどが接触し、その食べ物をアレルゲンと身体が認識してIgE抗体を作ってしまうのです。これを経皮感作というのですが、食物アレルギー発症の原因のひとつと考えられています。
この経皮感作を予防する方法として有効なのが、湿疹を治すことです。成育医療研究センターは「新生児期からの保湿剤塗布によりアトピー性皮膚炎の発症リスクが3割以上低下することが分かりました」と発表しています。
肌を清潔にしてしっかり保湿を