産休は誰でも取得できる
産休とは「産前・産後休業」の略称で、妊産婦の母体保護を目的に、出産前と出産後に取得可能な休業のことを指します。これらは雇用形態に関係なく、正社員やアルバイト・パートタイム勤務や派遣社員であっても取得が可能です。
産前休業は出産予定日の6週間前、多胎妊娠の場合は14週間前から取得することができます。産後休業は、出産翌日から8週間までを指し、その期間は就業できません。ただし、産後6週間経過し本人が労働を希望し、医師が問題ないと判断した場合に限って就業可能です。
また産休期間中、企業側は「妊娠・出産を理由に解雇やそのほか労働者側が不利益になる扱いをしてはならない」と男女雇用機会均等法で定められています。そのため、期間中の解雇は心配いらないでしょう。
産休は契約期間に関係なく取得することができます。そのため入社・転職後すぐに妊娠が分かった場合も会社へ請求すれば、取得可能です。
産休を取得した先輩ママの声
出産予定日、もしくは産休に入る日が
勤続年数1年以上なら
大丈夫でしたよ⑅︎◡̈︎*
私は入社(4月)して次の年の9月に
出産しましたが
いただきました( ᵕᴗᵕ )*・☪︎·̩͙
確かですが産休自体は
どの方でも頂けると思いますが
育休でしたら勤続年数1年以上だったと
思いますよ\( ¨̮ )/
批判する人もいると思いますが、会社の人事制度上早く産み終えた方が有利だとわかったので早いうちに年子で授かりました。……
前述したように、産休は日雇い労働者でなければ契約期間に関係なく取得することができます。入社また転職してすぐ取得することができるため、妊娠が分かった段階で会社への報告をすることが大切かもしれません。
- 厚生労働省「あなたも取れる!育休&産休」(http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/pamphlet/dl/31.pdf,2018年6月21日最終閲覧)
- 厚生労働省「妊娠・出産、育児休業等を理由とする不利益取扱い禁止 関係法令 」(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/0000089161.pdf,2018年6月21日最終閲覧)
- 東京都「男女平等に働くために」(http://www.hataraku.metro.tokyo.jp/sodan/sodan/qa/qa03_19.html,2018年6月26日最終閲覧)
- 東京都「母性を守るために-産前産後の休業・生理日の休暇-」(http://www.hataraku.metro.tokyo.jp/sodan/sodan/qa/2-9o.pdf,2018年6月26日最終閲覧)
産休中に受給できる手当ての種類と条件
産休期間中の賃金に関しては法律による取り決めがないため、ほとんどの会社が無給となるでしょう。その無給分を補う制度として条件を満たしていれば「出産手当金」が受給できます。
また別の手当てで「出産育児一時金」というものもあり、こちらも条件を満たしていれば受給が可能です。名称が似ていますが全く別の助成金のため、違いや受給資格を得る条件について整理しておくようにしましょう。
出産手当金
権利として産休を取得したとしても、給与は無給か減額されるためその期間を補う目的として出産手当金が支給されます。
出産手当金を受給するためには、会社の保険に妊婦本人が加入している「被保険者」であるということと、産休期間中に給料が支払われていないことが条件です。被保険者であれば、正社員などの雇用形態は関係ありません。国民健康保険や、家族の扶養に入っている被扶養者の場合は対象外です。
産休中に会社から給与が出る場合、手当金は減額されます。また給与額が出産手当金を上回る場合は支給されないため、注意しましょう。
受給対象期間は、出産日以前の42日から出産日翌日以降56日までの合計98日間で、双子以上の多胎妊娠の場合は出産日以前の98日から出産日の翌日以降56日までの合計154日間です。出産が予定日より過ぎた場合は過ぎた日数分についても支給対象期間です。
出産手当金は産休の期間中1日につき「標準報酬額の2/3の相当する額」、産休前毎月支払われていた給料のおおよそ2/3が手当金として支払われます。
産休期間中に退職した場合でも「健康保険の被保険者期間が継続して1年以上ある」「出産日もしくは出産予定日から42日、多胎妊娠の場合は98日以内に退職している」「退職日に働いていない」、以上の3点の条件を満たしていれば出産手当金を受給できます。
手続きは、必要書類を会社に提出するか、直接加入している保険協会へ申請することもできます。
出産育児一時金
出産は一般的な疾病とは異なるため、健康保険加入者であっても保険が適用されません。つまり、本来であれば分娩費、入院費などの出産費用が全額自己負担ということになってしまいます。ですが出産費用については健康保険から補助が出ることになっています。この助成金のことを出産一時金と言います。
また家族出産育児一時金という制度があり、これは被扶養者が対象となる制度です。金額は同じですが、手続きは扶養に入っている会社で行う必要があります。
対象者となる条件は、自分が健康保険に加入している被保険者もしくは配偶者の健康保険の被扶養者であり、妊娠4ヶ月以上で出産する人です。国保に加入している方も対象です。そのため、出産育児一時金は保険に加入していれば、受給されます。帝王切開で出産した場合、保険が適用されますが出産育児一時金は受給できるため、申請を忘れないようにしましょう。
支給額は「子供1人につき42万円」です。産科医療補償制度加算対象ではない病院で出産した場合、または在胎週数22週未満(妊娠6ヶ月未満)の分娩で出産した場合、支給額は40.4万円です。双子以上の多胎妊娠は「子供の人数×42万円」の出産一時金を受け取ることができます。
退職した場合は、勤続1年以上経ってからの退職かつ退職後半年以内の出産であれば、加入していた健康保険から給付されます。ただ、退職後に配偶者の扶養に入った場合は扶養先から、国民健康保険に加入したらから国保から支給されるため、やむを得ない理由で退職したとしても保険に加入していれば必ず支給されます。
- 全国健康保険協会「子どもが生まれたとき」(https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat315/sb3080/r145,2018年6月21日最終閲覧)
- 全国健康保険協会「出産育児一時金について」(https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g6/cat620/r310,2018年6月21日最終閲覧)
- 全国健康保険協会「出産に関する給付」(https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat320/sb3170/sbb31712/1948-273,2018年6月21日最終閲覧)
- 全国健康保険協会「出産手当金について」(https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g6/cat620/r311,2018年6月21日最終閲覧)
- 全国健康保険協会「出産で会社を休んだとき」(https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat315/sb3090/r148,2018年6月21日最終閲覧)
出産手当金はいつ頃入金された?先輩ママの声
出産育児一時金は、直接支払制度を利用すると産院と会社が加入している保険協会でやり取りをしてくれ、出産後の退院時には42万円を超えた差額分のみの支払いで済みます。
しかし、出産手当金は出産後に書類を用意し本人や医師(または助産師)、会社が必要事項を記入して保険協会に提出します。その後の処理となるため、提出時からいつ頃支給されるか明確ではありません。
実際に、出産手当金を請求したママたちは申請してからどのくらいで支給されたのか、口コミを紹介します。
ただ、私の場合は通知が来たのは振り込まれた翌日でしたw
こちらはもう申請でき、申請から約2週間で振り込まれます。……
出産のために休んだ期間は、
1回目の申請には出産予定日を軸に産前42日前から産後56日の全期間を記載すれば良いかと思います。
そして、2回目の申請には実際の出産日を軸に産前42日から産後56日の全期間を記載すれば良いかと思います。
ちなみに出産日は産前の期間に含まれます。
また、出産手当金の申請についてですが、医師等の証明欄は1回目の申請が出産後であって、証明によって出産日が確認できる場合は、2回目の申請の際は証明は不要です。
尚、ぴかちゅーさんが会社が加入されている社保(保険者)はおそらく協会けんぽか健保組合かと思いますが、入金については審査後に振り込まれますので直接保険者に問い合わせても一概には答えられないと言われてしまうと思います。
ですが、審査終了後遅くても2ヶ月以内には振り込まれているように思います。
産休中は無給の場合が多いですが、その時期にもらえる出産手当金は非常にありがたい存在です。上記、社労士事務所で働いている方によると、遅くても2ヶ月以内のためそれ以上経った場合は、一度会社か加入している保険組合に確認してみるとよいかもしれません。
- 全国健康保険協会「健康保険出産手当金支給申請書」(https://www.kyoukaikenpo.or.jp/~/media/Files/honbu/g2/cat230/170828s/k_syutte_s_170828.pdf,2018年7月6日最終閲覧)
- 全国健康保険協会「出産に関する給付」(https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat320/sb3170/sbb31712/1948-273,2018年7月6日最終閲覧)
分かりにくい制度や条件については事前確認を
産休の取得や産休時にもらえる手当金を申請する際には複数の申請手続きや条件の確認が必要になります。間違えのないようにご自身に当てはまる条件であるかどうかを確認しておきましょう。
万が一不明な点がある場合は必ず会社の担当部署や関係する機関のホームページを確認するなどして、クリアにした状態で産休に入るようにしましょう。