1. 「〇〇するふり」ができる
1歳半ごろになると、本物でないものを本物のように扱う「代理品」を使った遊びをするようになっていきます。
例えば、おもちゃのおにぎりを「アムアム」と言いながら食べるのは、空気を食べ物の代わりにして食べる「ふり」をしているということ。おままごとのほかにも、好きな絵本の中にある果物や野菜などを絵本の中から取るしぐさをし、かむふりをします。こうした想像力がぐんぐん育つのも、この時期の特徴です。
おすすめの遊び:つもり遊び
段ボール箱を車に見立てて子供を乗せる、ひっくり返してテーブルに見立てるなど、つもり遊びを楽しみましょう。「車に乗ったつもり」「テーブルでご飯を食べているつもり」など、いろいろな場面を想像して遊ぶことで、イメージを膨らませる力を使います。
ほかにも、空のコップで飲んでいるつもりになる、おもちゃの食べ物を食べているつもりになるなどの「ままごと遊び」もおすすめ。自分で食べるまねをするだけではなく、人形に食べさせてあげたり、ママやパパにおままごとで作った料理をふるまったりするのもよいですね。
想像力の芽をしっかり使って、遊びの幅をぐんと広げましょう。
- 0歳児から2歳児の発達過程「0歳児から2歳児の発達過程」(http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/school/document/pre_school/files/curriculum2/15_2_2_sankou.pdf,2019年11月14日最終閲覧)
- 楡の会こどもクリニック「遊びが言葉を育てるわけ」(http://nire.or.jp/wp-content/uploads/2015/12/023.pdf,2019年11月18日最終閲覧)
- 同仁会地域子育て支援センター「「遊べる子」を育てる 4つのポイント」(http://www8.plala.or.jp/doujinkai/kosodate/come1112.htm,2019年11月18日最終閲覧)
- 焼津市乳幼児教育推進会議「見えないものを信じる想像性 ~ この力がないと生きていけない! ~ 見えない世界を生きることについて」(http://nire.or.jp/wp-content/uploads/2015/12/023.pdf,2019年11月18日最終閲覧)
2. なぐり描きができる
クレヨンなどの道具を握り、体の前で左右や前後に動かすことで、なぐり描きができるようになります。クレヨンを握って紙をたたいているうちに点や短い線が描けるというところからスタートし、次第に意識して「描く」ということにつながっていきます。
指先だけでなく肘と肩を同時に動かせるようになると、次第にダイナミックに大きな丸や線を自由に描けるようになり、描くことの楽しさを感じられるでしょう。
おすすめの遊び:腕全体を使ったお絵描き
この時期の子供には、体全体を使ったダイナミックなお絵描き遊びがおすすめ。
お絵描きに使うのは、描き心地がやわらかいクレヨンや水性マーカーがよいでしょう。子供の腕の力が十分でなくてもきれいに線を描けるため、子供の「描けた!」という実感につながります。
初めての場合、まずは大人が紙に描く様子を見せてみて、まねをするところからスタートしましょう。最初はクレヨンを振り回したり、紙にこすりつけたりするだけでも十分です。
肘と肩が連動し、ダイナミックに腕を動かせるようになると、大きな円を描いて遊べるようになっていきます。絵が描けたらたくさん褒め、お絵描きの楽しさを十分に感じられるように声を掛けてあげてください。
- 東京都教育委員会「 0歳児から2歳児の発達過程」(http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/school/document/pre_school/files/curriculum2/15_2_2_sankou.pdf,2019年11月15日最終閲覧)
- わかすぎの森 やまのこ保育園「子供の発達と絵画」(http://www.yamanoko-hoikuen.jp/konnahoiku_zokei.html,2019年11月18日最終閲覧)
- 大田区立幼児教育センター 「幼児教育センターだより」(https://www.city.ota.tokyo.jp/kyouiku/youkyou/johoshi/centerdayori/26senta-dayori.files/h26sentadayori.pdf,2019年11月18日最終閲覧)
- カリキュラム全体「年齢別カリキュラム」(https://www.city.sanda.lg.jp/kyouiku/documents/karikyuramuzenntai.pdf,2019年11月18日最終閲覧)
3. 人のまねをする
1歳半くらいになると、大人や周りの人のまねができるようになります。信頼している大人のまねをすることから始まり、やがて手を洗う、あいさつをするなどの生活習慣を身に着けることにもつながります。
いずれはお友達に対するまねをして、笑い合ったり、お互いに行動をまねて遊んだりするようになります。まねから派生して、遊びの幅が広がっていきそうですね。
おすすめの遊び:まねし合いっこ
この時期の遊びにまねを取り入れるなら、まずは、大人が子供のまねをすることからスタートしてみましょう。例えば、人形におもちゃのご飯を食べさせたり、ぬいぐるみに布団を掛けて寝かせてあげたりして見せると、子供もそれをまねるようになります。
遊びの中に限らず、ママがお化粧をしているときに子供用のメイクグッズでまねる、掃除のときに自分もハンカチやティッシュで手伝いたがるのも、まねっこ遊びの一つです。こんな行動が見られたら「上手にまねができるね」と声を掛けてあげると喜ぶでしょう。
おままごとグッズがない場合は、無理に購入しなくても大丈夫。家庭にあるものを遊びに使ったり、生活の中でまねを取り入れたりするだけでも、子供にとっては新鮮な遊びになるはずです。
- 東京都教育委員会「0歳児から2歳児の発達過程」(http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/school/document/pre_school/files/curriculum2/15_2_2_sankou.pdf,2019年11月16日最終閲覧)
- 新潟県医師会「1歳6か月児健康診査の手引」(https://www.hapiny.niigata.jp/download/h27_iltusairoltukagetu5.pdf,2019年11月18日最終閲覧)
- 大阪府「まねっこあそび」(http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/1418/00148376/kyozai10 21 mane.pdf,2019年11月18日最終閲覧)
4. 自分でやりたい気持ちを表現する
1歳半ごろになると、自分でやりたい!という気持ちが成長してきます。気持ちに行動が追い付かず、うまくできなくてかんしゃくを起こすという困った場面もありますが、自立心の芽生えと見てよいでしょう。
2歳ごろには自立心がさらに強まりますが、まだ自分の気持ちを言葉でうまく表現できないため「イヤ!ちがう!」などの否定的な言葉が増え、いわゆるイヤイヤ期に突入していきます。
この時期は親子の関わり方に難しさを感じることもあるかもしれませんが、子供にとってチャレンジは自信のもと。危険なものにだけは注意し、遊びの中で「やりたい気持ち」を満たしてあげることが大切です。
おすすめの遊び:お手伝いごっこ
自分でやりたい気持ちが強いこの時期には、簡単にできるお手伝いを遊びに取り入れてみるのがおすすめです。
「これをゴミ箱に捨ててきて」「おもちゃのおにぎりを取ってくれる?」など、簡単なことをお願いしてみると、意外と楽しんでお手伝いをしてくれるはず。大人にとってのお手伝いは、子供にとっては楽しい遊び。「助かったよ」とママが喜ぶ様子を見せてあげると、はりきって続けてくれるでしょう。
このころから習慣がつけば、大きくなってからも自然とお手伝いをしてくれるようになりそうですね。
- 龍ヶ崎市「SmilyDays」(https://www.city.ryugasaki.ibaraki.jp/fukushi/kosodate/dekakeru/kosodateshien/zadankai/2013092400144.html,2019年11月17日最終閲覧)
- 浜松市子育て情報センター「1~2歳の発育・発達」(https://www.hamamatsu-pippi.net/docs/2014021901022/,2019年11月18日最終閲覧)
- 諫早市「いさはや子育てネット」(https://isahayakosodate.jp/docs/2016030800051/,2019年11月18日最終閲覧)
- 奈良市「イクメンハンドブック」(https://www.naracity-kosodate.jp/download/pdf/ikumen/ikumen03.pdf,2019年11月18日最終閲覧)
- 高山市「発達のめやす」(http://www.city.takayama.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/007/395/4meyasu.pdf,2019年11月18日最終閲覧)
子供の「やってみたい!」という気持ちに寄り添ってみて
お子さんが気に入りそうな遊びは見つかりましたか?1歳半をすぎると、なんでも「やってみたい」という好奇心が出てくる子もいます。言葉が増えると、思いを少しずつ伝えられるようになってくるため、ゆっくりと言葉のキャッチボールをしながら、気持ちをくみ取ってあげてください。
チャレンジ精神を認めてあげたい時期ですが、ケガだけは要注意。安全に子供の自立心や意欲を伸ばしてあげましょう。
この時期にできることや好きなことには個人差があります。今回紹介した遊びの中からいくつか試してみて、反応のよい遊びがあれば、ぜひ取り入れてみてくださいね。