1歳6ヶ月の成長目安
1歳6ヶ月になった子供は、心も体も大きく成長しています。ここでは1歳6ヶ月ごろの成長の目安についてみてみましょう。
体重・身長の平均値
- 男の子:体重10.41kg / 身長:80.6cm
- 女の子:体重9.79kg / 身長:79.2cm
上記の数字は平均値です。あくまでも目安として捉えてくださいね。
平均値に近いかどうかよりも、その子なりに体重と身長が増えているかどうかが大切です。不安な場合は、1歳6か月児健康診査(1歳半健診)で医師に相談してみてください。
- 厚生労働省「平成 22 年乳幼児身体発育調査報告書(概要)」(https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001tmct-att/2r9852000001tmea.pdf,2019年11月20日最終閲覧)
- つつじが丘こどもクリニック「乳児健診」(http://www.tutujiko.jp/556491965,2019年11月26日最終閲覧)
運動面の発達目安
運動面では、以下のような成長が見られます。
- ひとり歩きが安定する
- しゃがめる
- コップやスプーンを扱う
ひとり歩きが安定し、ものを持って歩くことができるようになっていきます。中には小走りができるようになる子も。また、しゃがんで遊ぶ姿も見られるようになるころです。
コップで飲み物を飲む、スプーンを持って自分で食べる、ボールを転がすなど、やや複雑な手の動きもマスターしつつあります。興味関心があることからチャレンジさせてみましょう。
精神面での発達目安
精神面では、以下のような成長が見られます。
- 名前を呼ぶと反応する
- 他人が注目しているものや指さしているものを一緒に見る
- 自分が興味があるものを指でさして伝える
- 言葉で示されたものを理解し、指さしをする
- 意味のある単語を複数話せる
- 自我が芽生え、気に入らないことは「イヤ」と意思表示をする
言葉の理解が進み、自分から伝えようとする力も少しずつついてきます。ママが注目しているものを一緒に見たり、自分が興味を示しているものを指さして教えようとすることも。
発語できる言葉の数には個人差がありますが、意味がある言葉をいくつか話せる程度が目安です。
また、この時期には自我が芽生え、自己主張が強まります。気に入らないことは首を振って嫌がったり「イヤ!」と口に出したりすることがあるでしょう。
- 国立障害者リハビリテーションセンター「健診での気づき」(http://www.rehab.go.jp/ddis/発達障害に気づく/乳幼児健診での気づきと対応(支援者向け)/健診での気づき/#_9990,2019年11月20日最終閲覧)
- 厚生労働科学研究(子ども家庭総合研究)「お母さんと子どものコミュニケーションのために」(http://rhino.med.yamanashi.ac.jp/sukoyaka/pdf/mama_communi.pdf,2019年11月26日最終閲覧)
- 国立成育医療研究センター「乳幼児健康診査身体診察マニュアル」(https://www.ncchd.go.jp/center/activity/kokoro_jigyo/manual.pdf,2019年11月26日最終閲覧)
- 秋山こどもクリニック「1歳6ヶ月健診」(https://www.akcl.jp/colum/co160cat1.html,2019年11月26日最終閲覧)
- 別府市「1歳6か月児健康診査アンケート」(https://www.city.beppu.oita.jp/doc/seikatu/kenkou_iryou/kenkoudukuri/kenkosinsa/1_6sai.pdf,2019年11月26日最終閲覧)
1歳6ヶ月の食事の目安
ここからは、食事量や進め方の目安をお伝えします。
食事量は大人の半分ほどが目安
白ごはんなら子供のお茶碗に1杯くらい、麺類なら大人の半玉くらいは食べられるようになります。食事量の全体としては、大人の半分を目安にしてください。
1日のうち1~2回はおやつを食べます。おやつは食事では足りない栄養素をとるためのものなので、甘いお菓子ではなく、おにぎりや果物、乳製品などがおすすめ。飲み物は甘いジュースではなく、お茶や牛乳としましょう。
かじり取りができ、スプーンも徐々にマスター
この時期は「かじり取り期」とも呼ばれ、生えそろった前歯で食べ物をかじり取って食べられるようになります。大人のように奥歯ですりつぶして食べることはまだできないため、大きさややわらかさを調整して与えましょう。
スプーンも徐々に使えるようになりますが、まだ手づかみ食べが中心です。
偏食が出始める
だんだんと偏食が出てくる時期です。濃い味に慣れてしまうと、薄い味の食べ物を嫌がるようになってしまうため、食事はできるだけ薄味のものを食べさせましょう。
嫌がって食べないものは無理矢理食べさせず、期間をあけて何度か食卓に出してみて。好き嫌いは固定化せず変わっていくこともあります。
すぐに食べないからといって無理強いしたり叱ったりせず、親がおいしそうに食べる様子を見せるなど、前向きに食べたくなるような工夫をしてみてくださいね。
- 本庄市「幼児食のすすめ方 ~離乳食から幼児食へ~」(http://www.city.honjo.lg.jp/ikkrwebBrowse/material/files/group/19/youjisyoku susumekata.pdf,2019年11月20日最終閲覧)
- 京都市「1歳半頃の子どもの食事ポイント」(http://kyo-syoku.net/education/幼児期/幼児の食事/3回食とおやつのリズム/,2019年11月20日最終閲覧)
- 坂城町「子どもはどのくらいの量とればいいのでしょう?」(http://www.town.sakaki.nagano.jp/www/contents/1001000000474/simple/recipe_kihon_02.pdf,2019年11月20日最終閲覧)
- 菅原ますみ(監)「最新版0-6歳のしつけ百科」78 (主婦の友社,2009)
- 奈良県立教育研究所「親学サポートブック」(http://www.nps.ed.jp/nara-c/keiei/keiei/kateikyouiku/sapo-to_book/sapo-to_1/suport_1.pdf,2019年11月26日最終閲覧)
- 奈良県栄養士会「栄養相談時の基本マニュアル」(http://www4.kcn.ne.jp/~n-eiyou/top/ny-syokuji/leaflet-7.pdf,2019年11月26日最終閲覧)
1歳6ヶ月ごろに楽しめる遊び
1歳6ヶ月ごろには、以下のような遊びができるようになるでしょう。子供の好みに合った遊びを楽しみましょう。
体を使った遊び
ひとり歩きが安定してくると、しゃがんだり、ものを持って歩いたりできるようになります。ボール遊びや追いかけっこなど、体を動かす外遊びがおすすめです。
活発さが増してくるぶん、転倒や落下などによるけがの心配も増えてきます。目を離さずに遊んでいる様子を見守ってあげてくださいね。
ふり遊び
箱を車に見立てて動かしてみたり、何も入っていないコップで飲むふりをしたりといった「ふり遊び」ができるようになります。「プップー!車だね」「ゴクゴク、おいしいね」など、短くわかりやすい声掛けをしながら遊びの世界に付き合ってあげましょう。
こうしたふり遊びが成長とともに発展すると、お友達と同じイメージを持って遊ぶ「ごっこ遊び」につながっていきます。
なぐり描き
クレヨンなどを使ってなぐり書きができるようになります。まだ握力が弱い子供でも書きやすいよう、ペン先がやわらかいフエルトペンやクレヨンを使いましょう。
2歳ごろにかけて、自分が何を描こうとしたのか言葉で伝えてくれるようになります。表現したい気持ちを受け止め、たくさんお話を聞いてあげましょう。
- 国立精神・神経医療研究センター「みてみて☆1歳6ヶ月児」(https://www.ncnp.go.jp/nimh/jidou/research/elearning10.pdf,2019年11月20日最終閲覧)
- 手の教室「子どもの絵の発達」(https://teno-kyoshitsu.com/text/kodomono_e/kodomono_e02.html,2019年11月20日最終閲覧)
- 井上洋平「幼児期におけるふり行動の発達的研究」(http://www.ritsumei.ac.jp/ss/sansharonshu/assets/file/2007/43-1_03-05.pdf,2019年11月27日最終閲覧)
- 大阪キリスト教短期大学「子どもの描画表現とその発達に関する一考察」(http://www.occ.ac.jp/wp-content/uploads/2017/12/kiyou57-08.pdf,2019年11月20日最終閲覧)
- 田口鉄久「1・2歳児のごっこ遊びと援助のあり方」(https://www.gijodai.jp/library/file/kiyo2004/P75-82.pdf,2019年11月20日最終閲覧)
- 枚方市「みたて・つもり遊びからごっこ遊びへ」(https://www.city.hirakata.osaka.jp/cmsfiles/contents/0000015/15908/mitate.pdf,2019年11月27日最終閲覧)
心も体も、ぐんぐん成長中
1歳6ヶ月ごろになると、体つきが幼児らしくなり、運動面や精神面でも大きな成長が見られます。できることが増えることで、子供自身もものごとへの興味関心が高まるかもしれませんね。
ママにとっては、食事面での好き嫌い、自我の芽生えによるイヤイヤなど、子育ての悩みが出てくる時期でもあります。心配なことがあれば、支援センターの職員や保健師などに相談しつつ、不安をため込まないようにしてくださいね。