2人目の子育ては、1人目とはまったく違う
初めての子どもが生まれ、悩み、考えながら頑張ってきた育児。少しずつ自信がついてきて、そろそろきょうだいが欲しいかな、と思い始めている方はいるかもしれません。また、周囲に2人育児の相談をすれば「2人目は楽だよ」などといった楽観的な声を聞く方もいるでしょう。
確かに、1人目での育児経験を、2人目でもいかせる部分は多いはず。しかし、意外にも想定外のことが起こるのが2人目育児です。1人目の経験には自信を持ちつつ、次の視点も持って考えてみましょう。
将来の「自分たちの姿」も想像してみる
1人目を出産したとき、理想と現実のギャップに気づいた方は多いはず。例えば、子育てが想像以上に大変、意外とお金がかかる、体力が持たないなど、1人目を育ててこその気づきは大きいですね。そんな気づきも踏まえて、夫婦で家族計画を立てていますか?
例えば、2人目不妊や、想定以上の高齢出産など、さまざまな事情を抱えるケースも想像できます。いろいろなパターンを想像しつつ、夫婦間で考えを共有してみましょう。
また、2人目を生むときのことだけでなく、もう少し先の家族像を想像することも大切。例えば、両親ともに40歳間近で2人目を生むなら、子どもが小学3~4年生のころには50歳前後。さらに、子どもが成人するとき、親は還暦目前になるでしょう。体力面では、想像以上に衰えを感じるかもしれません。
そんな未来の姿を想像しながら考えると「上の子の成長を待たず、早めに妊活を始めたほうがいいかな?」など、夫婦間で具体的な計画が見えてくると思いますよ。
マネープランはざっくりでも立てておく
教育費は、子どもの成長とともに膨らむ傾向にあります。文部科学省の調査では、学習費だけでも年間で以下のような費用がかかるとされています。
- 幼稚園:公立・約22万円、私立・約53万円
- 小学校:公立・約32万円、私立・約160万円
- 中学校:公立・約49万円、私立・約141万円
- 高校(全日制):公立・約46万円、私立・約97万円
大学に進学する場合はさらにかかります。これに習い事、生活費などを加えると、子ども1人を育てるために2000万円~3000万円程度はかかると言われているのです。この額をもう1人分負担できるか、冷静に考えたいところですね。
第1子のときにマネープランを立てた人も、立てなかった人も、2人目を考える際には、ざっくりでもプランを立てる、あるいは見直しておくとよいでしょう。マネープランが描けないという方は、ファイナンシャルプランナーなどに相談してみるのも手です。
- 文部科学省統計情報「結果の概要 平成30年度子供の学習費調査」文部科学省(https://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa03/gakushuuhi/kekka/k_detail/mext_00102.html,2020年8月6日最終閲覧)
周囲のサポート体制は、再確認が必要
1人目のときは、両親のどちらかの手があけば対処できたことが多いでしょう。しかし、2人目ができるとサポートが必要なケースがでてきます。
例えば、上の子が参加する行事の際に下の子はどうするか、両親ともに仕事で休めないときは…など。そんなとき、人によっては祖父母の手を借りることもあるでしょう。ただ、高齢の祖父母では子ども2人同時の預かりが難しいケースや、赤ちゃんのお世話が難しい場合があるかもしれません。
そんな不安を和らげるには、あらかじめファミリーサポートやシッターなどに登録しておくと安心です。最近では、自治体により産前産後のサポートが受けられる場合も。事前に確認しておきたいところですね。
お仕事をしている方によっては、産休・育休も大切なサポート制度ですね。2度目の産休・育休に「気が引ける」と感じることもあるかもしれません。しかし、そこは大切な家族計画。いざ妊娠がわかったら、謙虚に報告しつつ、スムーズに引き継げるように準備すれば大丈夫。丁寧に準備しておけば、周囲もサポートしてくれるはずですよ。
安心して2人目を迎えられるよう、しっかり計画を
2人目の出産と育児は、楽しみが増える一方で、慎重な計画が必要です。まずは夫婦間で考え方や費用面を相談し、周囲のサポートを得る体制を整えることがキーとなります。
それらの見込みがたてば、自信をもって2人目を迎えることができるはず。育児や家事で忙しい日々だと思いますが、2人目がほしいと思ったときは、ご紹介した3つ視点を参考に話し合ってみてくださいね。