病気やケガをしたときに保険証がなかったらどうなる?
帰省先や旅先で、子どもが急な病気やケガをすることもあります。医療機関にかかりたい場合に、保険証がなかったらどうなるのでしょうか。
通常、病院では窓口で治療費の一部を自己負担分として支払っています。残りの費用は加入している健康保険組合などに請求されているわけです。そのため、病院では費用を請求する先を確認するために保険証が必要になります。
保険証を忘れてしまうと病院側は請求先がわからないため、全額患者側の負担になります。治療内容によって金額は異なりますが、数万円になることもあります。
ただ、「そんなに支払うの?」と、心配しなくても大丈夫。後日、加入している健康保険組合などに申請をすれば差額分を払い戻してもらえます。そのため、病院でもらった領収書は必ず取っておきましょう。
子どもの医療費助成制度は都道府県をまたぐと利用できない
自治体によっては、子どもの医療費助成制度があります。設定金額や所得制限の有無、助成を受けることができる年齢などは違いますが、子どもが受診する場合、医療費が安くなるのでありがたい制度です。
制度の利用方法は自治体により異なりますが、一般的には子どもの名前が書かれた医療証を見せることで助成を受けることができます。
注意が必要なのは、都道府県をまたぐと医療証があっても利用できないことです。これは、各自治体のサービスになるため、その自治体内でしか使うことができないからです。
ただし自治体によっては、居住地以外の自治体で医療費を自己負担しても一部が戻ってくる場合があります。後日の申請にはなりますが、市区町村の役所に確認してみましょう。
保険証とお薬手帳はセットで
医療費の助成制度は他の都道府県では使用できませんが、子どもの保険証があれば大人同様、3割程度の自己負担になるため全額支払う必要はありません。
それでも通常支払っている子ども医療費よりも高い場合は、後日申請すれば払い戻しが受けられることがあります。病院でもらった領収書は必ず取っておき、帰宅後に健康保険組合などに確認してみてください。
また、保険証と同じように忘れないようにしたいのが「お薬手帳」です。お薬手帳とは、いつどのような薬を処方してもらったのか記録されている手帳です。薬の名前は覚えるのが難しく、同じ薬でも別の呼び方が存在するものもあります。
お薬手帳があれば、はじめて行く病院や薬局でも子どもの服用履歴を確認してもらうことができて安心です。現在飲んでいる薬や薬の飲み合わせなどを確認し、適切な処方をしてもらうことができますので、保険証とセットにしておきましょう。
忘れないためにも、ひとつにまとめておくと便利
旅行や帰省以外の時でも、保険証は忘れないようにしたいものの、洋服など他の準備に追われるとつい忘れてしまいやすいものでもあります。
自分の保険証は持ったけれど、子どもの分を忘れてしまったというパパやママはいませんか?そのような場合は、最低限必要な保険証や医療証は、大人のものと一緒に保管するようにすると忘れにくくなりそうです。
ケガや病気に気をつけて、旅行や帰省を楽しんでくださいね。
- IHIグループ健康保険組合「保険証を持たず病院にかかったら」(https://www.ihikenpo.or.jp/contents/kenpo_news/pdf/94/ihi_no94_03.pdf,2020年12月14日最終閲覧)
- 和歌山市「こども医療費助成制度」(http://www.city.wakayama.wakayama.jp/kurashi/kosodate/1001105/1001751.html,2020年12月14日最終閲覧)
- 全国健康保険協会「医療費の全額を負担したとき」(https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat310/sb3110/r137/,2020年12月14日最終閲覧)
- 目黒区「医療費を自己負担したら」(https://www.city.meguro.tokyo.jp/smph/kurashi/kosodate/josei/ko_iryojosei/seido/jiko-futan.html,2020年12月14日最終閲覧)
- 新宿区「子ども医療費助成」(https://www.city.shinjuku.lg.jp/kodomo/file03_04_00003.html,2020年12月14日最終閲覧)