なかなか寝ない4歳の子どもを寝かしつけるためには、イライラして怒るよりもコツをつかむことが大切です。
眠る1~2時間前にお風呂に入る
子どもをスムーズに寝かしつけるためには、眠る1~2時間前にお風呂に入るのがとても効果的です。お風呂に入ると皮膚の温度が上昇して、熱放射によって体温が下がるため体は休息状態になります。
ヒトにおいて睡眠の開始に先行して、特定部位の皮膚血流が増加し、熱放散が活発化することが明らかにされ、深部体温の低下より、むしろ皮膚体温の上昇が睡眠のタイミングを制御していることが明らかになってきた。この熱放散のための皮膚体温の上昇は末梢血管の拡張による皮膚血流の上昇によって起こる。 ※9
このように、眠る前に体の表面温度を上げて血流を良くすれば、体の中心部分は少しずつ体温が下がるので寝付きが良くなります。熱放射の時間も含めて、お風呂は眠る直前ではなく1~2時間前に入るのが理想的ですよ。
照明を暗くしてテレビ・ゲーム・スマホを見せない
明るい照明は「メラトニン」の分泌を妨げるとお話しました。メラトニンを正常に分泌させて規則正しい睡眠を取るためには、眠りにつく少し前から室内の照明を暗くして、テレビやスマホなどは見せないようにしましょう。
人工照明やコンピュータ液晶端末から発するブルーライトには覚醒作用があり、ブルーライトを遮光すると覚醒作用が減り、眠気が増すと考えられた。 ※10
「ブルーライトに覚醒作用がある」ということは広く知られていますが、実はスマホやパソコンだけでなく、ブルーライトは照明からも発せられています。室内の照明はなるべく暗くして、間接照明などを使って眠りやすい環境を作り出してください。
規則正しい生活をさせよう
起床・食事・就寝という生活習慣を毎日規則正しくすることで、夜の寝付きが良くなります。人は「サーカディアンリズム」という体内時計によって起床と就寝を繰り返しているからです。
生物は地球の自転による24時間周期の昼夜変化に同調して、ほぼ1日の周期で体内環境を積極的に変化させる機能を持っています。人間においても体温やホルモン分泌などからだの基本的な機能は約24時間のリズムを示すことがわかっています。この約24時間周期のリズムは概日リズム(サーカディアンリズム)と呼ばれます。 ※11
この体内時計の周期と外界の24時間の周期との間のずれをうまく修正できなくなった時に睡眠・覚醒リズムに乱れが生じます。…中略…このずれを修正することができない状態が続くと、望ましい時刻に入眠し、覚醒することができなくなってきます。 ※12
体内時計がずれてしまった子どもは、自分で眠りたくても眠れないという状況に陥りかねません。体内時計を正しく保つためには、起きる時間と食事の時間、眠る時間を毎日規則正しく行うことが効果的ですよ。
眠る前に毎日同じことをしよう
4歳の子を寝かしつけるためには、毎日眠る前に同じことをする入眠儀式を行うのも効果的です。例えば、ベッドに入ったら絵本を読み聞かせる、同じ音楽を流すなど簡単なことで構いません。
毎日同じことを繰り返していると、「もう眠る時間なんだな」と子どもが認識しやすくなります。子どもがなかなか寝なくてもイライラせず、安心して休めるようにしてあげましょう。










