生まれたての赤ちゃんが夜寝ないのはなぜ?
眠りは赤ちゃんの脳を育てるためにとても重要な時間です。「寝る子は育つ」と言いますが、寝ることは生きていく上でとても大切なことですね。睡眠時間と成長の関係性や朝夜逆転を改める方法を詳しくご説明します。
眠りが浅い
睡眠には、浅い眠りのレム睡眠と、深い眠りのノンレム睡眠があります。人が眠るときは、このレム睡眠とノンレム睡眠を一定の周期で繰り返しており、大人の場合は90~120分ごとの周期になりますが、新生児は40~50分ごとと短い周期での繰り返しになっています。
レム睡眠では眠りが浅い為、ちょっとした刺激などですぐに目が覚めてしまいますが、赤ちゃんは大人よりも浅い眠りのレム睡眠になる回数が増えるので、眠りが浅くて目が覚めやすい状態にあるのです。
赤ちゃんの成長に欠かせない睡眠時間をしっかり確保するためには、寝ているときに不要な刺激を与えないよう、できるだけ質の良い睡眠環境を整えてあげる必要があるでしょう。
のどが渇いている、空腹を感じている
赤ちゃんは不快に感じると泣いて訴えます。赤ちゃんは大人よりも代謝が良く、胃は小さいです。母乳の場合は基本的に約3~4時間で空腹を感じますのでどうしても夜中、お腹が空いて目を覚まします。
赤ちゃんは、大人よりも睡眠のサイクルが短くうまくいきません。深い睡眠から浅い睡眠になる最中で不快なことがあれば目を覚まし泣いてしまいます。それは空腹だけでなく、おむつが気持ち悪い場合や体温や室温が不快に感じる等も同じです。
昼と夜の区別が付いていない
赤ちゃんはママのお腹の中にいた時、自分の好きな時間に起きて自分の好きな時間に寝て、を約10ヶ月間続けていました。
生まれてきてすぐに昼と夜が分かるわけでもないので、「夜寝ない!」のではなく、赤ちゃんは自分の好きな時間に寝て起きてをただ繰り返しているだけです。
生活する上で、明るい時間が遊ぶ時間、暗い時間は寝る時間、というのを学んでいきます。体内時計を整える大切な時期ですので、ママもなるべく遅くまでは起きずに赤ちゃんと一緒に遊んで、寝て、食事して…と生活サイクルを決めてあげましょう。
生後1~3ヶ月の赤ちゃんの睡眠時間について
生後1~3ヶ月の赤ちゃんはどのような睡眠をとるのか、特徴についてご紹介します。
生後1ヶ月
生後1ヶ月の赤ちゃんは基本的に授乳中以外は寝ています。授乳間隔が約3~4時間なのでその都度起きてお腹を満たしまた寝る、の繰り返しになります。1日の平均睡眠時間は約17時間になります。
一方で、昼と夜の区別が付かず夜中にパッチリ目が覚めてしまう赤ちゃんもいます。夜中に起きている赤ちゃんは、日中のお昼寝で睡眠時間を補ってあげると良いのですが、出来るだけ生活リズムを整えるために昼は遊ぶ、夜に寝るという習慣を付けていくように準備してあげるようにしましょう。
夜中に赤ちゃんが起きてしまえば、当然お母さんも起きることになり、寝不足になりがちです。昼間赤ちゃんが寝ているときは、一緒に睡眠をとるようにしましょう。
生後2ヶ月
生後2ヶ月になると、赤ちゃんの平均睡眠時間は約16時間になります。睡眠時間と睡眠する時間帯が一定してくる頃です。寝ている時間も起きている時間も生後1ヶ月の頃に比べると長くなってきます。
生後3ヶ月から多いと言われている黄昏泣きですが、生後2ヶ月からの子もいます。1~2時間泣き通しというのもありますが、声をかけてあげたり遊んだりと色々試してみて下さいね。生後2ヶ月でもまだ昼と夜の区別はつきづらいです。根気強く、日中は遊ぶ、夜は寝る、という習慣を付けさせてあげるようにしましょう。
生後3ヶ月
生後3ヶ月になると、平均の睡眠時間は約15時間ほどになります。赤ちゃんによっても個人差はもちろんありますが、お昼寝以外で起きている時間が長くなり、夜の睡眠時間も生後2ヶ月の頃より長くまとまって眠るようになります。
この頃になると、昼夜の区別が曖昧ながらも付いてきます。日中、起きている間は存分に遊び、夜きちんと寝られるように生活リズムを整えてあげるようにしましょう。
睡眠リズムの整え方
睡眠リズムを整えるには、夜寝かしつける前に準備しておく必要があります。まずは、できることから始めてみてくださいね。
日中は活動的に
夜に深い睡眠を取るためには、日中を活動的に過ごすことが欠かせません。朝は太陽の光で起きるようにし、体内時計をリセットさせて、日光によって夜眠りやすくなる「メラトニン」というホルモンの分泌を促します。
1か月健診(乳幼児健康診査)で問題がないようだったら、外気浴や赤ちゃんを抱っこして散歩をするなどして、昼間は日光に当たりながら適度に刺激を与えて過ごしてみましょう。
夜間は静かに過ごす
自然に眠りやすくするためには、夜になったら日中とは対照的に静かに過ごすことをおすすめします。騒がしいテレビやアップテンポの音楽は避け、優しい音色のゆったりとしたBGMを流すなど、リラックスできる状態に導いてください。
また、部屋でおとなしくしているときでも、蛍光灯など部屋の照明が明るすぎると、目に強い光が入って脳が活性化し、眠りにくくなってしまいます。寝室は間接照明などで落ち着いた灯りにし、入眠を促しましょう。
寝室の環境を整える
入眠のしやすさには、快適な温度や湿度など寝室の環境を整えてあげることが重要です。
冬場に暖房をつける場合は、室温20度前後が適温ですが、新生児がいる場合は23~25度くらいでも問題ありません。また、夏場に冷房をつける場合は、室温28度くらいを目安にし、25度以下にならないようにしましょう。
さらに、乾燥し過ぎや多湿も不快に感じて眠りにくくなるので、湿度も60%くらいを保つようにしてください。
- 京都府「部屋の温度と湿度 [子育てQ&A]」(https://www.pref.kyoto.jp/kosodateqa/sewa_03.html,2024年4月22日最終閲覧)
新生児にとって大切な睡眠時間
短い睡眠を繰り返すこの時期の赤ちゃんは、お世話をしているお母さんやお父さんも大変な時期ですよね。無理せずに少し家事を休んで、赤ちゃんが寝ている間自分も睡眠をとるようにしてくださいね。
赤ちゃんがしっかり朝と夜の区別がついて、夜はぐっすり寝てくれるようになるまでは、つらく感じるときもありますが、今だけと思って楽しみましょう。
生後1~3か月の赤ちゃん育児についてもっと知りたい方は、以下からごらんになれます。