5歳のみいちゃんがママに頼まれ、牛乳を買いに初めておつかいに行く物語。みいちゃんの緊張している様子や頑張っている様子がとても伝わってくる本。
100円玉も2枚小さな手に握りしめ、歩いている姿はとても頼もしいです。途中で転んでしまったり、いろんな人に出会い戸惑ったりと読み手側もドキドキするけれど頑張る子どもの心を等身大に描いています。
いつも家族でお買い物することが当たり前の子どもにとって、おつかいは大冒険ですよね。表紙の牛乳を持っているみいちゃんの顔がとても誇らしげでかわいいです。
どこか懐かしく、親子で読み終わった後にほっこりする絵本です。
かいじゅうたちのいるところ 作: モーリス・センダック
コルデコット賞を受賞し、世界中の子どもたちを惹きつけてやまないセンダックの代表作。いたずらばかりするマックスを見かねて、怒ったママに夕飯抜きで寝室に放り込まれます。さあ、想像の世界の中の旅に出発です。
怪獣と聞くと怖い生き物のイメージ。でも、マックスは王様になって、そんな怪獣ですら手なずけてしまいます。威圧感もなくなって、なんだか愛着が湧いてきます。一緒に怪獣おどりをする姿なんてとっても愉快。みんなすごく楽しそうです。
怪獣と遊ぶことも楽しいけれど、やっぱりママのところが良いと恋しくなる姿がかわいらしいです。絵のタッチも独特で不思議な世界観で溢れていますよ。
5歳のおすすめ絵本
5歳というと年長さんになる年齢です。お友達のこと、家族のことなど周りこともよく見て行動するようになっていきます。絵本の感想など、自分の感情を伝えるようになるのもこの時期です。大人が思っている以上に物語に込められたメッセージをしっかり受け止めているのでしょうね。
また、小学校入学を意識して、たくさんの種類の絵本を子どもに与えたり、文字を覚えさせるなど、勉強のためにも1人で絵本を読ませたりと考える、ママやパパが増えていきます。
先を見据えて、先回りした本を与えてしまうという気持ちも分かるのですが、今は親子の時間を大切にすることが1番。これまで通りママパパが絵本を読み聞かせしてあげると良いでしょう。
では5歳児の絵本の選び方のポイントを見ていきましょう。
- 童話への第一歩である、絵童話を読む
- 絵本体験を積み重ねた上で、長めの文章の絵本を読む
絵本が大好きな子どもにおすすめなのが、絵童話の読み聞かせです。童話は子どもが1人で読むものというイメージもあるかと思いますが、まずはママパパに読んでもらうことで、想像力をぐんぐん掻き立てることができ、絵本のように童話の面白さを知るきっかけになります。
5歳ごろは目には見えない絵本の世界を思い思いに理解し楽しむ年齢です。ママやパパに絵本を繰り返し読んでもらった子どもは「読解力」を自然と身に付けています。そのため、目に見える世界のように想像できるようになるので、文章の長い話や複雑な内容の物語でも十分楽しめるようになっていきますよ。
- 福音館書店「5・6歳におすすめの絵本」(https://www.fukuinkan.co.jp/bookguide/age5_6/,2021年4月9日最終閲覧)
- 大津市「5歳児」(https://www.city.otsu.lg.jp/material/files/group/242/kari_90.pdf,2021年4月9日最終閲覧)
- 文部科学省「幼稚園教育要領」(https://www.mext.go.jp/content/1384661_3_2.pdf,2021年4月9日最終閲覧)
おおきな おおきな おいも 作: 市村久子
発売から40年以上たった現在もたくさんの子どもたちに読まれ続けているお話。「雨でいもほり遠足が中止なってしまった」というハプニングから始まるお話。黒と赤紫の素朴な絵で、空想の世界を子どもたちが描いていきます。
白い紙を継ぎ足し継ぎ足し、おおきなおおきなおいもの絵をどんどん大きくなっていく様子は見ていると気持ちが高まっていきます。子どもの自由でのびのびとした発想って素晴らしいですよね。
テンポ良く話が進むので子どもも飽きずに絵本を見てくれるかと思います。
じごくのそうべえ 作: 田島征彦
上方落語の「地獄八景亡者戯」を題材にした落語絵本。落語と聞くと、子どもには難しいイメージですが、地獄の世界をおもしろく描いており、大人も子どもも楽しめるような物語になっています。
綱渡り中、転落死してしまった軽業師のそうべい。三途の川を下り、えんま大王に地獄行きそ命じられます。絵だけ見ると鬼やゆらゆら燃え上がる炎、ちょっぴり怖いけれど、現実には存在しない地獄の世界をコミカルに描かれており、話の展開がとてもおもしろいです。
上方落語ということもあり、関西弁の文章というところも、面白さに拍車をかけている理由の1つ。言葉のリズムがとても楽しいですよ。
地獄のへのイメージがなんだか変わってしまうような、見ごたえありの絵本です。子どもが大きくなっても折々に読み返しては新しい発見ができる絵本でもあります。










