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監修:三木 崇弘

療育に通うメリットは?親子ともに助かる3つの支援内容を解説

療育とは、障害を持っていたり、発達に遅れがあったりする子どもに対する発達支援を指す言葉です。療育を受けられる施設は、児童福祉法に基づく児童発達支援センターや児童発達支援事業所、あるいは民間の療育教室などが挙げられます。この記事では、療育施設で行うことと、親子にとってのメリットについてお伝えします。

PIXTA

療育施設での支援内容と、親子にとってのメリット

療育施設では、具体的にどのような支援を行うのか知っておきましょう。また、各支援によって親子が得られるメリットもお伝えします。

子どもの発達に合った専門療育

子ども 保育士 PIXTA

療育施設では、子ども一人一人の発達の状況やそれまでの過程、個々の特性に応じた発達支援をします。具体的には、言語聴覚士や作業療法士などの専門家のもとで、発達段階に合わせた遊びや指導を通じて、発達を促していくものです。

運動能力や知的能力だけでなく、子どもの育ちに必要な自信、コミュニケーション能力、自分で決める力について、今ある力を踏まえた支援をします。今できていることや得意なことは、さらに伸びるように促します。

子どもの現状に合わせ、そのときに必要な支援が受けられる点がうれしいですね。

出典元:

家族に対する指導、支援

主婦 相談 PIXTA

療育施設では、親に対する指導や支援も行います。子どもの特性を親が理解する手助けをしながら、家庭を子どもにとって過ごしやすい場にすることが目的です。

家庭での問題行動を減らし、望ましい行動を増やす方法について、臨床心理士などの支援者が一緒に考えます。療育に通う子ども本人だけでなく親も必要な支援を受け、困りごとを減らすことができるでしょう。親や家族だけで考えたら煮詰まってしまう部分も、専門家の知恵を借りて楽になるかもしれません。

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保育園、幼稚園への働きかけ

幼稚園 先生 PIXTA

対象の子どもが保育施設に通っている場合、その子が楽しい集団生活を送れるよう、訪問支援員などが保育施設を訪問し、施設の職員に対して子どもとの接し方のアドバイスをすることがあります。

子どもの特性は一人一人違うため、その子に適した接し方を助言して問題解決の手助けをします。このような活動の目的は、支援を受ける本人が集団生活に適応しやすくすることです。

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診断がなくても通える

施設 PIXTA

療育施設は発達の遅れが気になる子から、発達障害の診断を受けている子までさまざまな子が通う場所です。発達障害の診断を受けていなくても通うことができます。また、支援内容も一人一人の発達段階に合ったもので、今の困りごとに即した支援を得られます。

発達支援施設で療育を受けるには、自治体が発行する「障害児通所受給者証(呼び方は自治体によって異なる場合があります)」が必要です。障害児通所受給者証は、障害の診断がなくても発行してもらえます。詳しい手続き方法は、自治体の窓口で確認してください。

障害児通所受給者証があれば、療育にかかる費用について自治体から補助を受けられます(負担額の上限は世帯収入によって異なる)。

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療育は、親の味方

ⓒママリ

発達の遅れから療育を勧められると、子育ての至らなさを指摘されたように感じてしまうことがあるかもしれません。しかし、療育施設は親と一緒に子どもの育ちを見守り、支える場であり、そこにいるスタッフや専門家は親の味方といえる存在です。

「育てにくい」「子どもとの関わり方に悩んでいる」という方にとっては、療育施設で相談して助言を受けることが、安心への大きな一歩となりえます。自宅から通える療育施設があるか知りたいなど、利用を考えたい方は、まずは子育てを担当する自治体の窓口で相談してみましょう。

記事の監修

フリーランス児童精神科医

三木 崇弘

兵庫県姫路市出身。愛媛大学医学部卒、東京医科歯科大学大学院修了(医学博士)、早稲田大学ビジネススクール在学中。

愛媛県内の病院で初期研修・小児科後期研修を終え、国立成育医療研究センターこころの診療部で児童精神科医として6年間勤務。
愛媛時代は保護者との座談会や研修会などを行う。東京に転勤後は学校教員向けの研修などを通じて教育現場を覗く。
子どもの暮らしを医療以外の側面からも見つめる重要性を実感し、病院を退職。

2019年4月よりフリーランス。“問題のある子”に関わる各機関(クリニック、公立小中学校スクールカウンセラー、児童相談所、児童養護施設、児童自立支援施設、保健所など)での現場体験を重視し、医療・教育・福祉・行政の各分野で臨床活動をしている。
知的障害支援「あいプロジェクト」代表。

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