療育施設での支援内容と、親子にとってのメリット
療育施設では、具体的にどのような支援を行うのか知っておきましょう。また、各支援によって親子が得られるメリットもお伝えします。
子どもの発達に合った専門療育
療育施設では、子ども一人一人の発達の状況やそれまでの過程、個々の特性に応じた発達支援をします。具体的には、言語聴覚士や作業療法士などの専門家のもとで、発達段階に合わせた遊びや指導を通じて、発達を促していくものです。
運動能力や知的能力だけでなく、子どもの育ちに必要な自信、コミュニケーション能力、自分で決める力について、今ある力を踏まえた支援をします。今できていることや得意なことは、さらに伸びるように促します。
子どもの現状に合わせ、そのときに必要な支援が受けられる点がうれしいですね。
- 子どもサポートセンター「専門スタッフ支援内容」(http://kodomo-support.jp/publics/index/55/,2021年5月6日最終閲覧)
- 岡崎市「こども発達相談センター」(https://www.city.okazaki.lg.jp/1500/1513/p020869.html,2021年5月6日最終閲覧)
家族に対する指導、支援
療育施設では、親に対する指導や支援も行います。子どもの特性を親が理解する手助けをしながら、家庭を子どもにとって過ごしやすい場にすることが目的です。
家庭での問題行動を減らし、望ましい行動を増やす方法について、臨床心理士などの支援者が一緒に考えます。療育に通う子ども本人だけでなく親も必要な支援を受け、困りごとを減らすことができるでしょう。親や家族だけで考えたら煮詰まってしまう部分も、専門家の知恵を借りて楽になるかもしれません。
- 厚生労働省「ペアレント・トレーニング実践ガイドブック」(https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/000653549.pdf,2021年5月6日最終閲覧)
- 広島県「肥前式ペアレント・トレーニング ひろしま版テキスト」(https://www.pref.hiroshima.lg.jp/uploaded/life/691916_6928758_misc.pdf,2021年5月6日最終閲覧)
保育園、幼稚園への働きかけ
対象の子どもが保育施設に通っている場合、その子が楽しい集団生活を送れるよう、訪問支援員などが保育施設を訪問し、施設の職員に対して子どもとの接し方のアドバイスをすることがあります。
子どもの特性は一人一人違うため、その子に適した接し方を助言して問題解決の手助けをします。このような活動の目的は、支援を受ける本人が集団生活に適応しやすくすることです。
- 日本障害者リハビリテーション協会 情報センター 「幼稚園・保育所と専門療育機関の連携について 」(https://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/resource/ld/z12003/z1200301.html,2021年4月30日最終閲覧)
- 重井医学研究所附属病院小児療育センター 「療育QA」( https://www.shigei.or.jp/smrh/ryoikuqa.html,2021年4月30日最終閲覧)
- 厚生労働省「児童発達支援ガイドライン」(https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12200000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu/0000171670.pdf,2021年5月4日最終閲覧)
- 新宿区「子ども総合センター 発達支援コーナー愛称「あいあい」」(https://www.city.shinjuku.lg.jp/soshiki/kodomos01_001012.html,2021年5月4日最終閲覧)
診断がなくても通える
療育施設は発達の遅れが気になる子から、発達障害の診断を受けている子までさまざまな子が通う場所です。発達障害の診断を受けていなくても通うことができます。また、支援内容も一人一人の発達段階に合ったもので、今の困りごとに即した支援を得られます。
発達支援施設で療育を受けるには、自治体が発行する「障害児通所受給者証(呼び方は自治体によって異なる場合があります)」が必要です。障害児通所受給者証は、障害の診断がなくても発行してもらえます。詳しい手続き方法は、自治体の窓口で確認してください。
障害児通所受給者証があれば、療育にかかる費用について自治体から補助を受けられます(負担額の上限は世帯収入によって異なる)。
- コペルプラス 「よくある質問」(https://copelplus.copel.co.jp/about/faq/,2021年4月30日最終閲覧)
- 発達障害のお子さまのための発達支援はハビー「よくあるご質問」(https://www.habii.jp/faq/,2021年4月30日最終閲覧)
- 北海道こども発達研究センター 「医師意見書について 」(https://kodomo.hokkaido.jp/category19/,2021年4月30日最終閲覧)
療育は、親の味方
ⓒママリ
発達の遅れから療育を勧められると、子育ての至らなさを指摘されたように感じてしまうことがあるかもしれません。しかし、療育施設は親と一緒に子どもの育ちを見守り、支える場であり、そこにいるスタッフや専門家は親の味方といえる存在です。
「育てにくい」「子どもとの関わり方に悩んでいる」という方にとっては、療育施設で相談して助言を受けることが、安心への大きな一歩となりえます。自宅から通える療育施設があるか知りたいなど、利用を考えたい方は、まずは子育てを担当する自治体の窓口で相談してみましょう。