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監修:児島史篤

おしゃべりが遅れている子をサポートするには?家庭と施設での支援方法

親の話す言葉は理解している様子なのに、おしゃべりをしない。言葉の発達途上では、このような状況になることがあります。周囲の子がどんどんおしゃべりしているのに、わが子はなかなか自分から話さないとなると、不安に思う方もいるでしょう。言葉を話す力をサポートするためには、どのようなことができるのでしょうか。この記事では、臨床発達心理士の児島史篤(こじま ふみあつ)さんに、言葉を話す力のサポート方法について聞きました。

PIXTA

言葉を話す力だけが遅れているときは、どうすればいい?

わが子が言葉の理解はできているものの、自ら言葉を発しないとき、親としては「早くおしゃべりしてくれないかな」と思うことがあるでしょう。また「専門家に支援を求めるべきなのかな?自然に話すまで待つべきかな?」と悩む方もいるかもしれませんね。

ここからは、都内で発達支援施設を運営する、臨床発達心理士の児島史篤(こじま ふみあつ)さんに、言葉を話す力をサポートする方法について聞きました。

Q1:言葉の理解はできていて話さないとき、発達支援は必要?

A1:自然に話し出す可能性はあるが、不安なら相談して

指 2歳 PIXTA

児島先生:おしゃべりが目安より遅れていても、理解ができているなら待つという手もあります。例えば、現段階で、親と言葉以外でコミュニケーションができていて、双方困っていないなら、無理に支援を受けてとは勧めません。

ただ、2歳を超えて話さないことが目安上で遅れていることは事実です。そのことに、親が不安を感じていたり、関わり方を工夫したいと思っていたりするなら、一度専門家に相談してほしいと思います。施設などでで子どもが話したくなるような遊び方や、関わり方のコツを教わると役に立つのではないかと思いますよ。

Q2:家庭でできる工夫の仕方はどんなことがある?

A2:声を出す「動き」を取り入れてみて

しゃぼん玉 2歳 PIXTA

児島先生:言葉を話すというと心の発達が主だと考えられがちですが、実は言葉を話す力は身体運動も大事です。息を吐く、声帯を震わせる、唇を動かすというのは、たとえ言葉の意味を理解できていても、体が動かせないとできないこと。そのため、声を出す動きに近い遊びをすることをおすすめします。

簡単な遊びだと、シャボン玉や、息を吐くと紙がピロピロと伸びる笛のようなおもちゃが手軽です。息を吹くことで楽しめるので、夢中になる子もいると思います。

あとは自然と声が出てしまうような、くすぐり遊びもよいですね。声を出すことが楽しいと思うようになると、言葉も出やすいでしょう。

Q4:療育施設ではどのような支援をしていますか?

A4:ままごとや絵本で、やり取りの仕方を伝えている

ままごと PIXTA

児島先生:家庭での例のような、息を吐く、声を出す遊びもしますし、言葉でコミュニケーションを取りたくなるような遊びも取り入れます。

例えば、ままごとなどのやり取り遊びです。「くださいな」「どうぞ」のような場面でスタッフが声を出すことで「この場面ではこの言葉を使うんだ」「やってみたい」と思えるように促しています。

やり取りがわかる遊びとしては、短い絵本の読み聞かせも良いですね。絵本のおすすめは『ノンタン』シリーズです。2歳くらいの子でも最後まで聞ける短さで、登場人物の簡単なやり取りを伴うので、言葉を学ぶのにぴったりですよ。

このように、遊びの中で自然に言葉のやり取りに触れ、言葉を使いたくなるような関わり方をすることを心がけています。

言葉を話すには、体と心の準備が必要

ままごと PIXTA

言葉を話す力は身体的な動きと、話したい気持ちの両方が必要です。声を出す練習になる遊びを取り入れ、話したい気持ちがわいてくる環境を整えてあげましょう。

具体的なサポート方法が知りたいときは、専門家の知恵を借りるのも手です。子どもの状況に合わせたサポートをすることで、言葉を話す力がぐんぐん伸びていくと良いですね。

記事の監修

株式会社児島教育研究所代表取締役

児島史篤

保育士として活動する中で直面した様々な場面から、より専門的な知識を学びたいとアドラー心理学と出会い、心理学について学び始めたのが最初でした。現在は、自分で保育園を立ち上げ、児童発達支援や保育所等・学童保育等の運営、研修講師や子育て支援やカウンセリング、発達障害支援や保護者支援に力を入れて活動しています。

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