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監修:保田典子

どもり、発音がおかしい…吃音(きつおん)の原因と見守り方を小児科医が解説

幼児の吃音(きつおん)は10~20人に1人程度で症状がみられます。数年で症状が消えることが多いですが、長く症状が残ることも。子どもの吃音やどもりを見かけたときに大切な対処法をお伝えします。

PIXTA

子どもの吃音・どもりが心配

1週間ほど前から急に吃音がではじめました。
一時的なものだと、気にしないようにしていますが、日に日に吃音が増え、簡単な言葉のでずらくなっており、話す言葉がすべてどもっており、心配です。
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ママリに寄せられた、子どもの吃音(きつおん)が心配だという声です。吃音とはどもりが出たり、言葉のはじめの音を繰り返し言ったりする状態のことです。

投稿者の方のように、急に子どもに吃音、どもりが出るようになったら、何が原因で、どんな対処をすればいいか悩みますよね。

出典元:

幼児期に始まることが多い吃音・どもり

幼児 お話 PIXTA

吃音は、多くは2~5歳といった幼児期にはじまることが多いです。最初の言葉が出てこなかったり、最初の言葉を繰り返したり、言葉を伸ばして発音したりという症状があります。

多くは自然に良くなりますが、一部成人しても残ってしまうことがあります。また、多くはありませんが、小学校入学以降に発症することもあります。

吃音は育て方のせいではありません

吃音は特に何か特定の原因があって起こるわけではありません。吃音の起こりやすい体質や遺伝が関係すると示唆される研究結果もありますが、詳しいことは明らかになっていません。

また、親の育て方や環境で起こるものではないと考えられています。

子どもの吃音に気が付いたら、静かに見守って

幼児 お話 PIXTA

吃音に気がついたら、その子が話していることをゆっくり聞いてあげましょう。「落ち着いて話そうね」や「ゆっくりでいいよ」などは言わない方が良いとされています。ゆっくり話そうとしても吃音が良くなることはありません。ゆっくり話そうと意識することで、余計にどもってしまうこともあります。

親だけでなく、まわりの人たちの理解も必要です。もしもお友達に吃音が見られた場合、子どもたちにも「このような話し方の子がいる、からかってはいけない。逆に気をつかいすぎる必要はない。他の子と変わらずに接してあげよう」ということを教えてあげましょう。

吃音は直すものではなく、受け入れていくもの

幼児 親子 パパ ママ PIXTA

吃音は親として心配になると思いますが、多くの子は自然に良くなっていきます。どもっていても、生活の中で安心して自分の気持ちを言えるように、ゆったりとした気持ちで子どもの話を聞いてあげるようにしましょう。

もし、長く続いてしまったとしても、吃音には特効薬のようなものはありません。直すことに一生懸命になるのではなく、どもっていても発言ができる環境を整えてあげてください。

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記事の監修

小児科専門医、「こどもの心」相談医、医学博士

保田典子

筑波大学医学専門学群卒業後、国立国際医療研究センター、大阪市立総合医療センター、東京衛生アドベンチスト病院を経て2021年高円寺こどもクリニック開設。子育て相談、起立性調節障害のサポートに力を入れている。3児の母。

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