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本や絵本が、家庭での性に関するコミュニケーションのきっかけ作りに。
性についてのコミュニケーション方法
my-muse編集部:家庭で性についてのコミュニケーションをどうとったらいいのか悩んでいる方も沢山いらっしゃると思います。宮原さんおすすめのコミュニケーション方法はありますか?
宮原由紀さん:幼児期から思春期まで、絵本や本を使うのがおすすめ。絵本は一緒に読めますし、読みながら性の会話をするきっかけにもなります。
ちょっと親から伝えにくい年齢の場合は、本を手渡しておいたり、子ども部屋に置いておくだけでも効果的。興味が出てきた時、正しいかどうか分からない情報をネットで鵜呑みする前に、ちゃんとした知識を本から得れるのは、とても良いと思います。
性教育におすすめの本
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my-muse編集部:性教育の本はすごく増えてきていますよね。その中でもおすすめの本はありますか?
宮原由紀さん:今だからこそ伝えたい絵本があります。
命育の「性を学ぶ」というメニューのおすすめ性教育絵本・本を紹介しているコーナーにもある、「ようこそ!あかちゃん せかいじゅうの家族のはじまりのおはなし」です。
この絵本では、性交のシーンがしっかり描かれていているのですが、科学的に書かれていて、且つ絵がとても綺麗。抵抗なく読めました。
その他にも、赤ちゃんを作る方法の一つに「性交」があるけど、体外受精や帝王切開もあること。お父さん・お母さんがいるところもあれば、一人親の場合もあること。お父さんが2人、またはお母さんが2人いたり、さまざまな家族があってそれぞれにとくべつなこと、というところまで書かれているんです。大人が読んでもとても勉強になる内容なので、おすすめです。
これを読んで子どもが育てば、視野の広い、多様性を受け入れられる子になるんじゃないかなと。性に限らず色んなものが詰まった絵本なので、ぜひ大人も子どもも読んで欲しいです!
思春期の子どもへの対処法
my-muse編集部:思春期のお子さんだったら、直接親子でお話できなくても、命育さんの記事のリンクを送るだけでも良いですよね!
宮原由紀さん:そうですね。命育には、お子さん自身に読んでもらえる10代向けの記事や、10代からの質問に答えているQ&Aもあります。また、「命育ギフト」という機能があって、これでまさにお母さんから中学生になる娘さんに送って下さった方がいらっしゃいます。ママ友に送ってくださる方もいますよ。
「性教育」の概念や、学べる場所を広げるために
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ジャンルを広げたきっかけ
my-muse編集部:サイトでは「性教育」以外にもネットリテラシーやLGBTQも取り上げていますよね。ジャンルを広げたきっかけは?
宮原由紀さん:私も元々「性教育」というと、妊娠や生殖が中心と思っていました。でもサイトを作る上で何を指標にしよう?と色々調べると、ユネスコが「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」を出していることが分かったんです。
そこには世界のスタンダードといわれる包括的な性教育の内容が書かれているんですけど、人間関係や多様性、さらには人権まで含まれていて。ここまで含めることで自分事に捉えられるなと思い、ユネスコのガイダンスを元にジャンルを広げていきました。
また、昨年コロナの直前に渡米した際のご縁から、世界に毎年約10万人に性教育のプログラムを提供する「PPFA(全米家族計画連盟)」というアメリカの大きなNGOが持つコンテンツを翻訳して、日本向けに監修して配信しています。
そのテーマがものすごく広くて、いじめや人間関係、アダルトサイトなども書かれていて。「あ、やっぱり世界的にはここまでを含めて性教育なんだな」と思って、命育では啓蒙も含める意味で包括的に取り上げています。
今後のビジョン
my-muse編集部:命育として今後のビジョンはありますか?
宮原由紀さん:性教育を子育ての中に自然にある状態にしたいと思っているので、子育ての1つとして命育を使ってくださる人を増やしたいです。
あと、どうしても思春期は家庭での性教育だけだと成り立たないので、園や学校との連携が必ず必要になってくると思います。
実は今、園や学校の出張講演の問い合わせが増えていて。そういった学校や塾などの教育機関と一緒に性教育を広げる活動も、どんどん進めたいと思ってます。
お家での性のコミュニケーションにも。命育から書籍が発売!
my-muse編集部:7月22日に「命育」さんの書籍が発売されるそうですね!どんな内容なんですか?
宮原由紀さん:著者は私で、先程お伝えした元中学校の教師の方が書籍のイラストを描いています。
監修は、命育の監修もしてくださっている産婦人科医の高橋幸子先生。SHELLYさんのYouTubeチャンネル『SHELLYのお風呂場』や、AbemaTVの『17.3 about a sex』の医療監修もされている、とても注目されている先生です。
命育サイトの世界観はそのままに、幼児・児童期・思春期、それぞれの世代に合わせた具体的な性の伝え方や、悩みに対するQ&Aをたっぷり詰め込んでいます。
実は300ページ超えるくらいのボリュームになったのですが(笑)、イラストをふんだんに使っているので、難しさを感じずに、楽しく読んでいただけるかと思います。会話のきっかけにもなると思いますので、是非、保存版としてみなさんに読んでいただきたい1冊です。
取材対象者:宮原 由紀(みやはら ゆき)
性教育サイト「命育」代表。大学卒業後、リクルート、アマゾンなどメディアやインターネット企業を約15年経験し、現職。子どもへの性教育に課題意識を持つクリエイターたちと、医師専門家協力のもと、命育を立ち上げる。サイト運営のほか、園や学校、PTA、地域などと連携して、多方面から家庭での性教育をサポートする活動に取り組む。3児の母。著書『子どもと性の話、はじめませんか? からだ・性・防犯・ネットリテラシーの「伝え方」 』(監修:高橋幸子、出版:CCCメディアハウス)