子どもが嫌いな給食メニューのランキング
子どもが給食を嫌いになるには理由があります。自治体が調査した結果によると、子どもが給食を残す理由として「苦手な食べ物があるから」という答えが最も多かったそうです。
それでは、子どもが給食嫌いになる理由となる「嫌いなメニュー」とはどのようなものなのでしょうか?三原市・松阪市・岩見沢市・平塚市が行ったアンケート調査をもとに、「給食で嫌いなメニュー」をランキングで見てみましょう。
【三原市】
- 1位:わけぎのぬた
- 2位:ゴーヤチャンプルー
- 3位:魚
- 4位:野菜
- 5位:サラダ
【平塚市】
- 1位:野菜を使った料理
- 2位:サラダ
- 3位:魚を使った料理
- 3位:おしるこ
- 3位:きのこを使った料理
【松阪市】
- 1位:海藻・野菜・サラダ
- 2位:魚料理
- 3位:きのこ類
- 4位:パン
- 5位:ごはん類
- 三原市「学校給食に関するアンケート調査」(https://www.city.mihara.hiroshima.jp/uploaded/attachment/124321.pdf,2022年6月9日最終閲覧)
- 平塚市「学校給食に関するアンケート調査結果」(http://www.city.hiratsuka.kanagawa.jp/common/200087355.pdf,2022年6月9日最終閲覧)
- 松阪市「学校給食アンケート調査結果報告書」(https://www.city.matsusaka.mie.jp/uploaded/attachment/43235.pdf,2022年6月9日最終閲覧)
子ども嫌いな食べ物の傾向
子どもが嫌いな給食のメニューを見ると、どうやら子どもが嫌う食べ物には傾向があるように感じられませんか?
子どもが嫌いやすい食べ物は「魚」と「野菜」だと言われています。反対に「肉」「揚げ物」を好む子どもが増えているとされるのは、食文化や食生活の変化が原因だと考えられるでしょう。
一つ前の項目で紹介したアンケート調査の結果を見ても、魚と野菜が高い比率をしめていることがわかります。
子どもは「味蕾」という味を感じる細胞の数が大人よりも多く、食べ物の味を敏感に感じ取ります。そして「苦味」は自然界では「毒物の味」を示すので、子どもは本能的に苦味を避けようとするのです。野菜は独特の苦味がある食べ物の代表ですよね。
魚の中にも苦味があるものがあるので、多くの子どもが「嫌い」だと感じるのには子どもならではの味への敏感さが影響しているのではないでしょうか。
- 独立行政法人農畜産業振興機構「子どもの野菜嫌いと食育」(https://www.alic.go.jp/content/001169939.pdf,2022年6月9日最終閲覧)
子どもが給食を嫌いになる原因
子どもが給食嫌いになる原因として、アンケート調査の結果から「苦手な食べ物が出るから」というものを紹介しました。しかし、子どもが給食嫌いになる理由はそれだけではないようです。
- もともと食が細い
- 食べるのが遅くて食べきれない
- お腹いっぱいなのに無理に食べさせられる
- 他の子どもと食事をすることが苦手
子どもの中にはもともとあまり食べられない子や、他人と食事をすることに苦手意識を持つ子もいます。また、食べるのが遅くて時間内に給食を食べ終えられないということもあるでしょう。
つまり、特に嫌いな食べ物が出されなくても、小学校での給食が嫌いになってしまう子どももいるのです。
四つの理由をあげましたが、大きく分けると次の二つの理由で子どもが給食嫌いになる可能性があるといえます。
体質にあわない食べ方をしている
食事の仕方は人それぞれですよね。しかし給食の時間は決められていて、時間内に割り振られた量を食べきらなければなりません。
子どもによっては食べきれないこともあるでしょうが、すると先生から怒られたり、無理に食べさせられたり、残されて1人だけで給食を食べなければいけなくなったり…。毎日そのようなことが続けば、子どもの中で「給食=嫌なもの」という意識が根付いてしまうでしょう。
ある調査では、給食を残してしまう原因として最も多いのは「喫食時間の短さ」があったそうです。
給食で好きな食べ物が出たとしても、時間内に食べ終えられなくて昼休みの時間に残しになったり、もうおなかがいっぱいで食べられないのに無理に食べさせられようとしたりしたら給食が嫌いになるのも当然ですよね。
過去には残したおかずを先生が無理やり食べさせて、子どもが嘔吐したという事件も起こりました。嫌いなメニューが出るから給食が嫌いな場合は好き嫌いを克服すれば良いことですが、学校給食自体が嫌いな子どももいるのです。
- CORE「小学校における給食指導の問題点」(https://core.ac.uk/download/pdf/250588767.pdf,2022年6月9日最終閲覧)
- お茶の水女子大学大学院「小学校における給食の食べ残しに関連する要因の検討」(https://www.jstage.jst.go.jp/article/eiyogakuzashi/69/2/69_2_75/_pdf,2022年6月9日最終閲覧)
他人との食事に苦手意識がある
まれな例かもしれませんが、人と一緒に食事をすること自体を嫌がっていることも考えられる理由です。最近では「会食恐怖症」という、人と一緒に食事をとるときにだけ対人恐怖を感じる人がいるとのこと。
もし好き嫌いが多くなく、自宅では普通に食べられるのに給食が嫌いという子どもなら、会食恐怖症のような状態であることや、「食べるのを見られるのが恥ずかしい」と思っていることも考えられますよ。
- パーソナリティ研究「現代青年における“ふれ合い恐怖的心性”と抑うつおよび自我同一性との関連」(https://www.jstage.jst.go.jp/article/personality/16/3/16_3_396/_pdf,2022年6月9日最終閲覧)
給食が嫌で不登校になるケースも
「給食が嫌い」と子どもに言われて、「大した問題じゃないかな?」と思うママパパもいらっしゃるのではないでしょうか。しかし給食があまりに嫌いすぎて、不登校になるケースもあるので注意が必要ですよ。
とくに給食の間食への要求は不登校の原因になりやすく、2017年5月から2018年9月までの間に、給食の完食指導が原因で不登校になった小中学生は1,000人以上にものぼったそうです。中には訴訟にまで発展した例も。
学校での勉強や友達関係に問題がなくても、給食が嫌いだと言う子どもには心理的なケアをしてあげてくださいね。もし給食が原因で不登校になった場合、午前中だけで早退させてもらえるように学校へ掛け合うのも良いでしょう。
- 小学校給食における食べ残しの発生抑制に関する取り組みの現状把握と課題への有効な改善策の提案「滋賀県立大学環境学部金谷研究室」(http://kanayalab.qcweb.jp/2018PDF/2018hashimotohyoushihonbun.pdf,2022年6月9日最終閲覧)
子どもが給食嫌いを克服する方法
それでは、子どもの給食嫌いを克服するためにはどのようにすれば良いのでしょうか?子どもはさまざまな理由から給食が嫌いになることがありますが、原因ごとの克服法について解説します。
ただし給食嫌いの完全な克服を目指す必要はないので、子どもの負担が少しでも軽くなるよう、次のポイントを参考にパパママがフォローしてあげましょう。
好き嫌いが多い場合の克服法
好き嫌いの多さから給食嫌いになった場合は、自宅で好き嫌いを少なくするようにするのが最大の克服法です。
小学校給食のメニューは事前に家庭へ配られますから、子どもの嫌いな食べ物が出される前に、パパママが食材を子ども好みにアレンジして自宅で出してみるのがおすすめ。味付けや調理法が違えば、嫌いな食べ物でも食べられるようになることもあります。
いろいろなアレンジを試していけば、いつか嫌いな食べ物を「おいしい」と思えるようになるかもしれません。
- 東洋大学「子どもの好き嫌いはどうしたら克服できる?幼児期から始める食育のコツを専門家に聞いてみた」(https://www.toyo.ac.jp/link-toyo/life/dietaryeducation/,2022年6月9日最終閲覧)
食べるのが遅い場合の克服法
食べるのが遅くて給食が嫌いな子どもの場合は、食べるのが遅い理由を見つけることから始めましょう。小学生の子どもにありがちなのは、好きな食べ物だけを先に食べてしまい、後半の食が進みにくくなるというもの。
もし同じ理由で食べるのが遅い場合は、献立全体をまんべんなく食べるよう促してあげることで克服できる可能性があります。「ごはん・お肉・野菜・卵・ごはん・お肉・野菜…」と、バランス良く食べられるようパパママが掛け声をかけてあげると良いでしょう。
献立全体をバランス良く食べることをクセづけられれば、食べるスピードの遅さからくる給食嫌いの克服へと近づきます。
あまり食べられない場合の克服法
給食嫌いの理由が食の細さである場合は、子どもに給食の量を少なめにしてもらうようにお願いすることを教えてみてください。また、パパママが先生に子どもの食の細さを伝えても良いでしょう。先生に事情を知ってもらえば、子どもの給食の量を調整してもらえる可能性が高まります。
年齢や体格が同じであっても、食べられる食事の量は子どもによって違います。無理に量を食べさせようとするとますます給食嫌いになることも考えられるので、給食の量を減らしてもらえるよう、パパママが働きかけるのが最大の克服法です。
給食嫌いの子どもに関する先輩ママの体験談
実は給食嫌いな子どもは多く、ママリを閲覧している先輩ママたちの中にも、給食嫌いの子どもに悩んだ経験をお持ちの方は多くいらっしゃいます。
先輩ママたちは子どもの給食嫌いをどのように克服したのでしょうか?実際の体験談から、給食嫌いを克服するための方法など役立つ知識を学んでいきましょう。
先輩ママたちの意見を見ると、「自宅で給食嫌いを克服させた」という声はほとんど見られませんでした。子どもに無理をさせるのではなく、学校に相談して子どもに負担のない給食にしてもらうのが最も良い方法ではないでしょうか。
子どもの給食嫌いを無理に克服させない風潮は、現代の給食事情・教育方針事情も影響しているようです。
現代の小学校では嫌がるものを無理に食べさせることはないようです。
食べ物の好き嫌いはないほうが食事も楽しくなって良いでしょうが、無理に給食嫌いを克服させる必要はありませんよ。何らかの理由で給食が嫌いな子どもを持つパパママは、学校に相談して取り計らってもらうようにしましょう。
子どもの給食嫌いはまず学校に相談を
最初にランキングでも紹介したように、「嫌いな食べ物が出るから給食が嫌い」という子どもも少なくありません。しかし、子どもの中にはどうしても量を食べられなかったり、食べるのが遅かったりして給食嫌いになる場合も…。
現代の小学校では給食完食を強制しない風潮があるので、給食嫌い克服を目指すよりも、学校に相談したほうが解決が早いかもしれません。子どもは嫌なことを無理にさせられるともっと給食が嫌いになりかねませんから、子どもにとって負担のない方法で解決を目指しましょう。