赤ちゃんの上皮真珠(じょうひしんじゅ)とは?
上皮真珠とは、生後3、4ヶ月までの赤ちゃんの歯茎にできる、白色や黄白色の光沢のある直径1~3mm位の膨らみのことを指します。触ってみると歯とは違う柔らかい感触があります。
1~2個だけの上皮真珠もあれば、いくつか並んでいる場合もあります。真珠のように光っていることから上皮真珠と呼ばれています。
上皮真珠は、赤ちゃんがお腹の中で育っていくときに、顎の中で歯が作られる過程でできた組織の残りが吸収されずに歯茎の表面に出てきたものです。
歯の生え始めと誤解されることもありますが歯ではありません。痛みやかゆみもなく、男女ともにみられます。
赤ちゃんの上皮真珠(じょうひしんじゅ)が出現しやすい部位
- 上顎の前歯
- 臼歯部
- 口蓋部
臼歯は奥歯のことで、口蓋部は上顎の部分のことです。上皮真珠は上の前歯の部分によく出現します。上の前歯の付け根から唇側にわたり、広い範囲で集中的に出現する傾向があります。
奥歯の部分では散発的にみられ、上顎の部分にもみられることもあります。
特に上顎の正中部にみられるものは、エプスタイン真珠とよばれています。これはお腹の中の赤ちゃんの成長過程で、左右の上顎が結合するとき、組織が吸収されずに残り、変化して出てきたものです。
赤ちゃんの上皮真珠(じょうひしんじゅ)の発生頻度
乳児の上皮真珠の発生頻度は43.6%とされており、実は半数近くのお子さんに見られます。しかし実際にはよく見ないと分からなかったり、小さくて見えなかったり、上皮真珠の存在に気づく方はわずかです。
上顎の前のほうや、下の奥歯のところなど、分かりやすいところに出てきたものや、数が多いもの、大きいものは、気づく方が多いようです。
上皮真珠があったら治療は必要?
赤ちゃんの歯茎に上皮真珠があったとしても、治療の必要はありません。そのままにしておいて大丈夫です。上皮真珠の影響で歯並びなどに影響がでることはありませんので、安心してください。
上皮真珠はどれくらいでなくなるの?
乳歯が生えてくる生後6ヶ月くらいまでに、上皮真珠は少しづつ小さくなり、自然に消滅します。
上皮真珠が自然に取れてしまうことがありますが、小さくて害はないので、赤ちゃんがもし飲み込んでも問題ありません。取れた後は、傷もなくきれいな状態に戻ります。
心配なことがあれば受診しましょう
口の中や歯にも大人とは違う赤ちゃんの特徴があります。生れたばかりの赤ちゃんの体に何か気になることを見つけると、病気なのかと心配になりますよね。
上皮真珠が病気ではないことを知っておくと、子供の口の中に上皮真珠みつけたとき、心配しすぎることはなさそうです。
しかし、赤ちゃん口は小さく、上皮真珠なのかどうか判断がつかないこともあるかもしれません。「病気かもしれない」と気になるようであれば歯科医師に相談しましょう。