男性の育児休業について
仕事と育児の両立は本当に難しいですよね。働き手である女性が妊娠・出産を理由に、仕事を辞めたり働き方を変えたりせざるを得ないことが、みなさんの身近にもあるのではないでしょうか。
それは女性自身にとっても「妊娠さえしなければ」「子供さえいなければ」というように、素直に妊娠や子育てを喜べない状況になりかねません。
日本における父親の育児休業事情
厚生労働省が実施した「平成28年度雇用均等基本調査(速報)」によれば、男性の育児休業の取得率は3.16%です。
一方、同省の委託事業である「平成25年度育児休業制度等に関する実態把握のための調査研究事業報告書」によると、末子の妊娠が判明したときに育児休業を利用したいという意向があった男性(正社員)は19.9%にのぼります。
育児休業を利用したいという男性が一定数いるにも関わらず、実際に取得率がなかなか上がらないのはなぜでしょうか。
父親の育休取得率が低い理由
同報告書によれば、育児休業を取得したかったが取得できなかった理由として次のようなものが主にあげられています。
- 職場が育休を取りづらい雰囲気
- 職場が休暇自体を取りづらい雰囲気
- 会社で育休制度が整備されていない
職場の雰囲気や、男性が育休を利用することに対する理解・制度整備が進んでいないことがうかがえます。
- 厚生労働省「平成28年度雇用均等基本調査(速報)」(http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/71-28.html,2017年6月24日最終閲覧)
- 厚生労働省「平成25年度育児休業制度等に関する実態把握のための調査研究事業報告書(平成25年度厚生労働省委託調査)」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000042340.html,2017年6月24日最終閲覧)
父親の育児休業、我が家の場合
我が家の夫は育児休業を取得しませんでした。取得するかどうか話し合いもせず、私が専業主婦だったこともあり、自然と私が育児をして、夫は仕事を頑張る、という図式ができあがっていたように思います。
取得できる状況じゃない
夫は出産後1ヶ月は何とか早めに帰ってきてくれましたが、その後は帰りが遅い日々でした。忙しいときは有給休暇の取得すらままならない状況で、育休取得なんて無理でした。
夫の会社はまだ古い体質の会社というか、男性で育休取得した前例がなかったということもありました。もし取得しようとしたら手続きや社内での調整がいろいろ大変だと思い、そこまでして取得する必要性は感じませんでした。
週末や休日に手伝ってくれるだけでOK
育休取得の決断にはある程度、父親の育児スキルというか家事スキルも関係してくると、私個人としては思います。
夫は子供が生まれた直後は(今思えば私もそうですが)育児に関しては、ほとんど何もできない状態でした。
やってもらうとかえって大変になるので、週末や休日の手伝いだけで私は十分でした。育休がなくても本人の意識次第でいくらでも子育てに関わる機会はあるのでは?とも思います。
では育休制度は必要ない!?
必要がないとは思いません。育休は名ばかりの制度、という意見もあるかもしれませんが制度があるということは選択肢が増えることになります。
ただ育児休業はどの子育て家庭にも一律に適用できる制度ではないとは思います。それも取得率の低さに影響しているのかもしれません。
父親が育児休業を取得しやすい社会を目指して
育児は子供が赤ちゃんのときだけではありません。育児休業以外にも、引き続き子育てを支援してくれるような制度がありがたいところですよね。
また社会全体の雰囲気として、育児を積極的に応援していくことが今後も求められていくと思います。
男性の育児休業取得率が高くなることは、イクメンのアピールや、どれだけ男性が育児に参加するようになったかを計るものというよりも、男女が共に子育てに関わっていくことにつながるものではないでしょうか。
父親が育児休業を取得しやすいような社会になると良いですね。