最初は読み聞かせをきちんと楽しんでいても、途中で絵本をめくったりかじったりすることが楽しくなってしまい、読み聞かせに集中できない時期はあるものです。つい「読み聞かせはうまくいかないので面倒くさい」と考えやすくなり、絵本から離れてしまうママもいるでしょう。
しかしあきらめずに読み聞かせを続けることが大切。絵本をかじってしまうなら、ある程度頑丈な厚紙でできた絵本に変えてみるのもよいでしょう。壊してしまう場合のアドバイスは「一緒に直すこと」だそうです。破いてしまった絵本を「じゃあ一緒に直そう」と直す場面を見せることで「ママはこれを大切にしていて、壊れたら直す」ということが子供に伝わるといいます。
本をめくることが好きで最後まで読めない場合は「じゃあまたお話聞きたくなったら読もうね」と本を片付けてしまってよいようです。やがてお話を読みたくなったら、子供は自分で絵本をまた持ってきます。質問攻めになってしまって読めない場合も、できる限り子供が興味を持っている質問に答えたうえで、ママが辛くなったら片付けてもよいといいます。
「やがて『めくる』『かじる』のブームが過ぎると読み聞かせをきちんと楽しめるようになります」と前田さんは話します。読み聞かせはできる限りやめずに続けていきましょう。
絵本は「教育」ではなく「体験」
絵本を読むことの大きな魅力について前田さんは「絵本を通して色々な世界を疑似体験できること」だと話します。前田さん自身は現在10歳の女の子と5歳の男の子のママ。小さいころ読み聞かせをしていると、3~4歳の頃に「ママ、『にがい』ってどんな味?」と絵本に出てきた味覚を実体験したがったり、絵本に出てきた盲導犬を実際に見たときに「ハーネスをしているからお仕事中だね」と話したりと、絵本の中での疑似体験が現実の体験にしっかりと結びついていることを感じたそうです。
親はついつい絵本は「教育」と捉えてしまいやすく、言葉やひらがなを教えるために読みきかせようとしてしまうことがあります。しかし、子供自身にとって絵本は教育ではなく「体験」。いろいろな世界に自分が入り込んで、体験することがとても楽しいのです。
絵本を通した体験が自分たちが生きている世界につながり、子供の興味関心はどんどん豊かになるのだと前田さんは話します。ママも何かを教えようと必死になるのではなく、子供と一緒に豊かな絵本の世界を楽しむ気持ちで読み聞かせができるとよいですね。










