お手伝いのメリットはたくさん
子どもが1歳ごろになると、こちらが言うことも少しはわかるようになり、お話するのも楽しくなりますよね。そろそろ簡単なお手伝いをさせてみようかなと思うママやパパもいるのではないでしょうか。
好奇心旺盛な1歳児にとって、お手伝いのメリットは実はたくさんあります。
子どもの成長を促す
最初はうまくできなくても、子どもなりにうまくやる方法を考えることで、「考える」力を養うことができます。初めてやる作業はできなくて当たり前。そんな時はママやパパがヒントをあげてみましょう。
失敗を重ね、何度も挑戦することで考える力がどんどん育まれます。
また、細かな作業は手指の発達にもつながります。野菜をちぎったり、ティッシュを丸めて捨てたり、遊びでは使わない動きをやることで子どもの成長を促すことができます。
親子の絆が深まる
1歳のお手伝いは、まだ一人ではできないので、親が手伝うものがほとんどです。二人で作業したり、やり方を教えてあげたり、お礼を言ったりといったコミュニケーションをとるなかで親子の絆が深まります。遊びとは違う、お手伝いを通したコミュニケーションで子どもと過ごす時間がより充実したものとなります。
共働きで子どもと過ごす時間が少ない家庭でも、お手伝いを通してコミュニケーションを取ることによって子どもの心を満たすことができます。仕事や家事で忙しく、子どもと遊ぶ時間がなかなか取れないというママパパこそお手伝いをお願いしてみてはいかがでしょうか。
大好きな家族からお願いされると子どももうれしい顔を見せてくれますよ。
子どもの興味を知ることができる
どんなことが好きで、どんなことが苦手なのか、いろいろなお手伝いから子どもの興味関心を知ることができます。
片付けが好きな子がいれば、料理が好きな子もいるでしょう。ちぎるのが得意な子がいれば、混ぜるのが得意な子もいるでしょう。
子どもがその時々でどんな作業が好きなのか、どんな動きが苦手なのかがわかれば、その能力を伸ばしてステップアップさせることができるし、苦手なことはもっと楽しくなるように工夫することもできます。
1歳の子どもにおすすめのお手伝いは?
1歳児でもできる、おすすめのお手伝いをご紹介します。できることから家庭で取り入れてみましょう。
片付け
おもちゃや絵本を箱や本棚に片づけるお手伝い。大き目の箱を用意して、「この中におもちゃをないないしようね」と声を掛けてあげましょう。
たくさんのおもちゃを1人で片づけるのは大変なので、ママパパも一緒にやることによって楽しみながら遊びの一環でお片付けをすることができます。
子どもが片づけしやすい環境を作ってあげるのも大切です。最初はおもちゃの種類を分けて片づけることは難しいので、大きい箱に全部入れることができれば上出来です。
ごみ捨て
床や机の上に落ちているゴミをゴミ箱まで捨てに行くというお手伝い。部屋をきれいにすることの大切さや気持ちよさを教えてあげましょう。
ティッシュや紙きれといったゴミを「あそこのゴミ箱にポイしてきてね」と声掛けして捨てるようにお願いしましょう。最初は子どもにゴミを持たせて一緒にゴミ箱まで行ってあげるのも良いですね。
ゴミ捨ては失敗しにくいお手伝いで、1歳児からでも取り組みやすくおすすめです。「きれいになったら気持ちいいね」と声を掛けると、部屋がきれいにすることの大切さを子どもながらに感じてくれます。
料理の手伝い
野菜をちぎってサラダにする、ボールに材料を入れる等の簡単なお手伝いから、食に関心を持たせる食育につながるのが料理のお手伝い。
ママパパが切った野菜をボールに入れてもらったり、袋に入れた食材をビニール袋の上からもんでもらったり、できることを見つけてお願いしてみましょう。自分が作った料理が食卓にのぼると、子どもはうれしくなっていつもよりたくさん食べてくれるかもしれません。
ご飯をつくる事は簡単なことではないこと、たくさんの工程があって時間をかけて料理ができていくこと、火や包丁は便利だけど危ないこと、苦労して育てた人、作る人がいて、食べ物を粗末にしてはいけないこと。
料理のお手伝いはたくさんのことを子どもに教えてくれます。1歳で早いかもと思うかもしれませんが、早いうちから料理に慣れ親しんでおきたいですね。
お手伝いの注意点
お手伝いをたった一回で終わらせないために、子どもが楽しくお手伝いをすることが大切です。そのためにはどのような点に気を付ければ良いのでしょうか。
子どもが楽しくお手伝いをするための注意点をご紹介します。
命令したり、強制したりしない
お手伝いに対して子どもの気持ちがのらない時、他の遊びに集中している時は強制しないようにしましょう。お手伝いは本人の意欲が大切です。そのためにも興味を持たなければ意味がありません。
子どもがお手伝いをやりたくなるシチュエーションを作っていくのも良いですね。嫌がることをやらせても、お手伝いの習慣がつかないので、興味を示す方向でお願いしましょう。
果物が好きな子どもなら「いちごをお皿に入れてくれるかな」や、車が好きな子どもなら「車をおもちゃ箱の駐車場に止めてきてくれるかな」など子どものやりたくなるお手伝いを楽しくやってもらいましょう。
失敗しても叱らない
まだ1歳、慣れないうちは失敗することもたくさんあることでしょう。何度も失敗するとママパパもイライラしてしまい怒ってしまいがちですが、決して叱らないでください。
子どもがお手伝いをするということは、手伝いたいという意欲を持ってやっていること。それなのに叱られてしまうと、子どものやる気がなくなってしまいます。また、失敗を恐れてお手伝いをやらなくなってしまいます。
失敗を恐れて、やる気の芽をつまないように、最初から失敗を想定に入れておきましょう。失敗した場合は、「こうやったらいいよ」とアドバイスをし、上手にできた時にはしっかり褒めてあげましょう。
お礼と褒めるのを忘れずに
お手伝いをした後に「ありがとう」や「上手にできたね」などの言葉をかけてあげましょう。パパやママに「ありがとう」と言われると子どもは自分は役に立ったと感じ、その気持ちが自己肯定感を育てます。
褒められると、達成感を味わい、次も頑張ろう、もっとやってみたいと自信に繋がっていきます。
ママやパパが家族に「ありがとう」「すごいね」と言われたらうれしいように子どもも家族からの言葉はうれしいものなのです。お手伝いをやって終わりではなく、ポジティブな言葉をかけてコミュニケーションもしっかりとっていきたいですね。
できるお手伝いから始めてみよう
1歳児にできるお手伝いは、家事の手助けとなるどころか、ママパパにとっては余計に時間と手間がかかるものがほとんどです。しかし、楽しくお手伝いをすることは自己肯定感を育て、達成感や満足感を得ることができ、子どもにとっては大きなプラスとなります。
小さなころから楽しくお手伝いをすると、それが習慣化しさまざまなことができるようになります。大人になり生活する上での自立心も養うことができるのです。
まずはできることから少しずつ、ママパパの余裕のある時だけでも構いません。子どもとのお手伝いタイムを設けてみてはいかがでしょうか。遊びとはまた異なる親子の絆ができていくのではないでしょうか。