体質にあわない食べ方をしている
食事の仕方は人それぞれですよね。しかし給食の時間は決められていて、時間内に割り振られた量を食べきらなければなりません。
子どもによっては食べきれないこともあるでしょうが、すると先生から怒られたり、無理に食べさせられたり、残されて1人だけで給食を食べなければいけなくなったり…。毎日そのようなことが続けば、子どもの中で「給食=嫌なもの」という意識が根付いてしまうでしょう。
ある調査では、給食を残してしまう原因として最も多いのは「喫食時間の短さ」があったそうです。
給食で好きな食べ物が出たとしても、時間内に食べ終えられなくて昼休みの時間に残しになったり、もうおなかがいっぱいで食べられないのに無理に食べさせられようとしたりしたら給食が嫌いになるのも当然ですよね。
過去には残したおかずを先生が無理やり食べさせて、子どもが嘔吐したという事件も起こりました。嫌いなメニューが出るから給食が嫌いな場合は好き嫌いを克服すれば良いことですが、学校給食自体が嫌いな子どももいるのです。
- CORE「小学校における給食指導の問題点」(https://core.ac.uk/download/pdf/250588767.pdf,2022年6月9日最終閲覧)
- お茶の水女子大学大学院「小学校における給食の食べ残しに関連する要因の検討」(https://www.jstage.jst.go.jp/article/eiyogakuzashi/69/2/69_2_75/_pdf,2022年6月9日最終閲覧)
他人との食事に苦手意識がある
まれな例かもしれませんが、人と一緒に食事をすること自体を嫌がっていることも考えられる理由です。最近では「会食恐怖症」という、人と一緒に食事をとるときにだけ対人恐怖を感じる人がいるとのこと。
もし好き嫌いが多くなく、自宅では普通に食べられるのに給食が嫌いという子どもなら、会食恐怖症のような状態であることや、「食べるのを見られるのが恥ずかしい」と思っていることも考えられますよ。
- パーソナリティ研究「現代青年における“ふれ合い恐怖的心性”と抑うつおよび自我同一性との関連」(https://www.jstage.jst.go.jp/article/personality/16/3/16_3_396/_pdf,2022年6月9日最終閲覧)
給食が嫌で不登校になるケースも
「給食が嫌い」と子どもに言われて、「大した問題じゃないかな?」と思うママパパもいらっしゃるのではないでしょうか。しかし給食があまりに嫌いすぎて、不登校になるケースもあるので注意が必要ですよ。
とくに給食の間食への要求は不登校の原因になりやすく、2017年5月から2018年9月までの間に、給食の完食指導が原因で不登校になった小中学生は1,000人以上にものぼったそうです。中には訴訟にまで発展した例も。
学校での勉強や友達関係に問題がなくても、給食が嫌いだと言う子どもには心理的なケアをしてあげてくださいね。もし給食が原因で不登校になった場合、午前中だけで早退させてもらえるように学校へ掛け合うのも良いでしょう。
- 小学校給食における食べ残しの発生抑制に関する取り組みの現状把握と課題への有効な改善策の提案「滋賀県立大学環境学部金谷研究室」(http://kanayalab.qcweb.jp/2018PDF/2018hashimotohyoushihonbun.pdf,2022年6月9日最終閲覧)
子どもが給食嫌いを克服する方法
それでは、子どもの給食嫌いを克服するためにはどのようにすれば良いのでしょうか?子どもはさまざまな理由から給食が嫌いになることがありますが、原因ごとの克服法について解説します。
ただし給食嫌いの完全な克服を目指す必要はないので、子どもの負担が少しでも軽くなるよう、次のポイントを参考にパパママがフォローしてあげましょう。
好き嫌いが多い場合の克服法
好き嫌いの多さから給食嫌いになった場合は、自宅で好き嫌いを少なくするようにするのが最大の克服法です。
小学校給食のメニューは事前に家庭へ配られますから、子どもの嫌いな食べ物が出される前に、パパママが食材を子ども好みにアレンジして自宅で出してみるのがおすすめ。味付けや調理法が違えば、嫌いな食べ物でも食べられるようになることもあります。
いろいろなアレンジを試していけば、いつか嫌いな食べ物を「おいしい」と思えるようになるかもしれません。
- 東洋大学「子どもの好き嫌いはどうしたら克服できる?幼児期から始める食育のコツを専門家に聞いてみた」(https://www.toyo.ac.jp/link-toyo/life/dietaryeducation/,2022年6月9日最終閲覧)










