妊娠9週目は胎児の器官形成期です。骨や筋肉が急速に発達し、手足の指が見分けられるようになります。妊娠10~11週頃には、中枢神経や脳、心臓といった主要な器官の基礎がつくられます。
胎児の大きさ・体重
- 胎児の大きさ(CRL):20~30mm
- 胎嚢(GS):5.7cm
- 体重:1~3g
妊娠9週になると、胎児はいちご1個分くらいまで成長し、見た目も人間らしい体になっていきます。指が1本ずつくっついていたものが離れ、爪も作られ始めます。
胎児心拍が最も速くなる
胎児心拍は、早ければ妊娠6週あたりから確認することができます。初めの頃の心拍数はゆっくりで、徐々に速くなり妊娠9週目でピークになります。その後は妊娠後期までゆるやかに下がっていきます。
- 岡井崇(編)「標準産科婦人科学」P305(医学書院,2014年)
- 日本産科婦人科学会「妊娠初期の超音波診断」(http://www.jsog.or.jp/PDF/59/5906-152.pdf,2018年8月6日最終閲覧)
- 西村ウイメンズクリニック「妊娠された方へ」(http://www.ivf-nishimura.or.jp/contents/pregnancy/,2018年8月6日最終閲覧)
- 伊藤しあわせクリニック「診療案内」(https://www.itoclinic.jp/practice_guide/妊婦健診/,2018年8月6日最終閲覧)
- 古賀文敏ウイメンズクリニック「妊婦健診」(https://koga-f.jp/treatment/prenatal-care/,2018年8月6日最終閲覧)
妊娠9週目の過ごし方と注意点
妊娠9週目はつわりが徐々にピークを過ぎる頃ですが、症状がある方はまだつらい時期かもしれません。日常生活においても無理をせず体に負担をかけないことを第一に心がけましょう。
また、この時期は心拍確認ができたとはいえ初期流産が起こる可能性があります。妊娠初期の流産は、胎児の染色体の異常が原因となっていることが大半です。
切迫流産
切迫流産とは、子宮内で胎児は生存しているものの出血や腹痛などの症状があり、そのままでは流産に至る可能性がある状態のこといいます。
妊娠初期では有効な治療方法はありませんが、安静などによって妊娠継続ができることがあります。安静にしていても出血が治まらなかったり、腹痛がひどくなったりするときはかかりつけの産婦人科に連絡するようにしましょう。
ストレス
- 長時間立ちっぱなしにならないようにする
- 体が冷えすぎないようにする
- 重いものを持つなどして腹圧がかかりすぎないようにする
- 激しい運動をしないようにする
妊娠9週頃は、心拍確認はできているもののまだ胎盤が完成しておらず体が不安定な時期です。体に負荷がかかることで、体調をくずしてしまうことも。
体調がよい日でも疲れが出やすいため、疲労感があるときは無理せず休むようにしましょう。運動も仕事も完全にお休みする必要はありませんが、自分にとって「無理のない程度」にとどめておくことがポイントです。
もともと運動習慣があって出血や腹痛などもなく、運動をしてもつらさを感じない場合は、無理に安静にする必要もありません。










