わが家の家族を紹介します
人生にはターニングポイントとなるイベントごとがいくつもありますが、その中でも女性にとって妊娠・出産は、これまでとは違う生き方となり、特に変化の大きい転機と言っても過言ではないかもしれませんね。
筆者自身、2013年に妊娠判明と夫の転職・引っ越しが重なったため、6年半勤めた会社を退職し、出産に向け環境を整えました。当時のことはとても印象に残っており、「正社員の肩書きをなくしても良いのかな…」と、自問自答したことを今でも覚えています。
2014年1月下旬に長女を出産してはや5年半。両親・義両親ともに遠方在住のためなかなか頼れる人が近くにおらず、月齢が低いうちは何かと苦労しましたが、幼稚園の年長さんになり手がかからなくなってきた今では、「あのときは大変だったね~」と笑い話となっています。
そんな長女は、一度話し始めたらマシンガントークが止まらないおしゃべり大好きガール。こちらがストップをかけないと、幼稚園であったことやお友だちのこと、大好きなプリキュアのことなどをいつまでも話しています。そのせいなのか、自分の主張はきちんと口に出せるタイプ。とっても負けず嫌いな性格で、友だちができて自分ができないことがあると悔しがって涙を流すこともしばしば。けれど「できるまでやる!」と信念を貫き通す姿は、親が見ていても感心するほどです。
夫は最近勤務地が変わり、通勤時間が短くなったことで娘と触れ合える時間が増えうれしいようす。娘のことが好きすぎて叱ることがなかなかできないため、よく筆者にたしなめられています。筆者は、昨年秋から幼稚園の預かり保育をときどき利用しながらアルバイトと在宅ワークを行っています。
わが家が子どもを1人と決めた理由と良かったこと
皆さんは、子どもが何人欲しいと考えていますか?筆者は結婚した当時、夫と「2、3歳差で2人育てたいね」とよく話していました。ですが今現在子どもは1人で、近々2人目を産むという予定も立てていません。
今回はなぜ筆者が一人っ子育児を選んだのか、その理由や良いなと思う点などをお話しようと思います。将来的な家族構成の件でパートナーと相談中の方、出産を控えている方の参考になれば幸いです。
子どもは1人と決めた理由
筆者には、4歳年の離れた妹がいます。同性同士なので一緒に遊ぶ、2人連れ立ってショッピングへ行くなど、いわゆる「仲が良いね」と周囲から言われるようなことはしていましたが、やはり年齢差のせいかどちらかが相手に話や行きたい場所を合わせる…ということが多々ありました。
妹からも「今だから言えるけど、私にはお姉ちゃんとの年齢差のせいで、絶対に越えられない壁にぶつかったことが何回もある」と、ぽつりと言われたことも。妹にとっては数々の楽しい思い出の裏に、何とも言い表せない歯がゆい気持ちも潜んでいたのだな、と気付かされました。
それらのことが決定打となったわけではありませんが、なんとなく「自分が子どもを産むときは年齢差が近いきょうだいだと良いな…」と、漠然と考えるようになりました。2番目の子どもが筆者の妹のように上の子どもに対し、引け目を感じることがないように、そして年齢が近いからこそ生まれるきずなを大事にして欲しい、そんな想いを抱くようになりました。
いざ出産を経験してみて「子どもは一人がいいかも」と意識が変化
前述しましたが、筆者は妊娠中にそれまで働いていた職場を退職しました。今思えばずいぶんと甘い考えですが、当時は「子どもが産まれて1年ほど経って落ち着いたら、また正社員やフルタイムに近い勤務形態の仕事を探そう」と考えていました。
しかし現実はそんなに甘くなく、夫婦そろってなじみのない土地に引っ越し、知り合いゼロという環境での出産・育児が思っていた以上にこたえ、筆者は精神的・体力的にキャパオーバー寸前。産後うつ目前といっても過言ではなかったように思います。
どうにか夫婦二人三脚で協力して乗り越えた0~1歳時期。もちろん新しい仕事探しは夢物語となりました。この頃の大変な思いがきっかけで「自分、そして私たち夫婦には子どもは1人で十分なのかもしれない」と考えるように。夫にも相談し、「子どもの数で幸せは決まるものではない。自分たち家族が幸せと感じるのであれば、子どもが1人でもいい」という結論に達し、結果現在に至ります。
一人っ子にしてよかった点
娘が生まれてはや5年半。気づけば幼稚園最高学年となり、集団生活の楽しさやお友だちが増える喜びなどを日々体感し、そのことを目を輝かせながら身振り手振りもつけて話してくれる姿は、見ていてこちらまでうれしくなるほどです。
娘とのマンツーマンでの会話や、家族そろってゆっくり話せる時間がたっぷりあるのは、子どもが1人ならではのメリットでありぜいたくなことなのかなと感じます。娘が一生懸命話してくれる話題でときには一緒に大笑いし、ときには共に涙できるのも、他のことに気を取られずしっかりと向き合えることが多いからなのでは、と思います。
また、きょうだいとの時間や費用の兼ね合いを心配する必要が無いため、子供自身がやってみたい!と言った習いごとをやらせてあげやすいこともメリットだと筆者自身は感じています。現在娘はスイミングとチアダンスを習っていますが、本人が楽しんで取り組んでいる以外に、体力やリズム感の向上に役立っていて、習わせてみてよかったと思うシーンが増えています。今習っていることステップに、さらに好奇心の幅を広げてもらいたい…そんな期待を抱いています。
きょうだいがいた方がよいのかな、と思うこともあります
一人っ子を選択したことでメリットを感じる部分も多々ありますが、逆に「きょうだいがいた方がよいのかな?」と感じる部分ももちろんあります。
筆者たち家族が住んでいる地域はきょうだいがいる家庭がとても多く、2人きょうだいはもちろんのこと、3〜4人きょうだいの家庭もざらにあります。わが家のように一人っ子の家庭はかなり少数派なこともあり、「2人目は考えていないの?」「弟か妹がいたらきっと喜ぶんじゃない?」と言われることもしばしば。
園のお迎えの際、一緒に来ているお友だちの妹や弟を見て「かわいい!」とにこにこしながら世話を焼こうとしている娘を見ると、「きょうだいがいないことで娘に寂しい思いをさせてしまっているのでは…」と考えてしまうことも正直あります。実際に娘から「どうして私にはきょうだいがいないの?」と聞かれ、返答に困ったことも。
もやもやした気持ちを、3人きょうだいがいるママに相談してみたことがありました。すると「私はもちろん望んで3人子どもを産んで育てているけれど、1人1人をゆっくり見てあげられる時間が少ないのが気がかり。筆者さんのように一人っ子という道を選んで、じっくり愛情をかけられている環境が良いなと思うときもあるよ」と言われ、そういう考え方もあるのかと、はっとしました。
その話を聞いてからは、きょうだいが多くても少なくてもメリット・デメリットがあり、そのなかでどれがより自分やパートナーとの価値観に合うかを見極めることが大切なのかな、と考えるようになりました。
幸せには決まった「かたち」はありません
筆者は学生時代の仲の良い友人たち6人で、月に1度会うようにしています。結婚しても子どもをもうけずに仕事を頑張る人、これから結婚式を挙げようとしている人、2人の子どもが幼稚園と小学校に上がり、自分の時間を上手に利用している人など、メンバーの生き方は千差万別。
彼女たちと会って話をしていると、「自分も頑張ろう!」と毎回思います。彼女たちがそれぞれキラキラ輝いて見え刺激をもらえるのは、ライフスタイルは違えど、自分や家族の選んだ道に誇りと自信を持ち、全力で向き合っているからなのではないかと思います。
幸せには決まった「かたち」はありません。人によって幸せの感じ方はそれぞれだからこそ、周りの声などを気にしすぎて「子供の人数は○人でないと!」と思い込んでしまう必要はないのでは、と筆者は思います。全ての人が、その人にとっての幸せと愛にあふれる家庭を築いていけますように。