離乳食で注意したいこと
離乳食は、はっきりいつから始めたらよいのでしょうか。5ヶ月から、と書いてある育児雑誌もありますが、実際は子供たちそれぞれ成長のスピードも違うので、絶対にいつから始めなくてはならないということはありません。
食材の中でもアレルギー性が高かいものや、調理する時に工夫が必要など、赤ちゃんにとっては気を付けなくてはならない食材が多くあります。
離乳食で気を付けたいアレルギー
アレルギーの出やすい食材は無理して早くあげる必要はありません。離乳食期は母乳やミルクからの栄養が摂れているので、まずは食べることに慣れてもらうという意味で離乳食を与えれば問題ありません。
離乳食をスタートするとき、初めての食材をあげる時には、近所のクリニックが開院している時間を選び、赤ちゃんの様子をしっかり確認しながら慎重に進めましょう。
アレルギーの出やすい食材
食物アレルギー特定原材料等は25品目ありますが、その中でも0~6歳で最も発症数の高いものをご紹介します。(データは講談社「食物アレルギーのすべて」より「平成14年・17年度厚生労働科学研究報告書」から)
- 卵
- えび・かに
- 小麦
- そば
- 落花生
- 牛乳
- 果物
ここにあげたものには特に注意してください。1歳すぎてから、そばは2歳過ぎてからくらいで構いません。上記のものは知識として必ず知っておきましょう。
アレルギー以外で注意が必要な食材
アレルギー以外でも赤ちゃんに気を付けなくてはならない食材があります。
- はちみつ
- 刺身
- 貝類
- 飲み込みにくい物
注意が必要な理由をそれぞれ詳しくまとめてみました。
1.はちみつ
乳児ボツリヌス症というボツリヌス菌の摂取による感染症があります。ボツリヌス菌は過熱をしても生き残る可能性がある菌です。
赤ちゃんは免疫機能が不十分なため、ボツリヌス菌に感染するリスクがあります。このボツリヌス菌ははちみつに含まれているので、満1歳を過ぎるまでははちみつは与えないように注意しましょう。
2.刺身
お刺身では、寄生虫や細菌に感染するリスクがあります。お祝いの時など、一緒に食べたい思いが出てくる場合もありますが、3歳ごろまでは与えないようにしましょう。
お刺身はお湯でしゃぶしゃぶして、しっかり加熱してからあげると良いですよ。
3.貝類
生の貝にはノロウイルスによる食中毒の心配があります。とくに生がきが有名ですが、お腹をこわす可能性が高いので生の貝類は食べさせないようにしましょう。
4.飲み込みにくい食品
おもち、丸いままのミニトマトなどは飲み込みにくく、のどに詰まらせるリスクがあります。まだ飲み込む能力の低い赤ちゃんには、こうした詰まりのリスクがあるものは与えないようにしましょう。
食べ物は細かくし、おもちなどの喉にまとわりつくものはしっかり咀嚼できるようになるまで与えないのが良いですね。
飲み込みにくい、きのこ類
きのこ類は調理に気を付けたいものの1つ。エリンギは弾力が強く硬いので離乳食には向きません。しいたけやえのき、しめじなどは繊維が多くて消化も良くないので、10ヶ月頃から使ってみましょう。
離乳食に使う場合には軽く洗い、9~11ヶ月ならみじん切りにして茹でて使います。とろみをつけると食べやすいですね。いい出汁が出るので、それを活かした調理もおすすめです。
- 海老澤元宏「食物アレルギーのすべてがわかる本 13 36」(講談社)
- 池上保子「やさしい離乳食 98」(赤ちゃんとママ社)
- かわかみ整形外科・小児科クリニック「赤ちゃんとのくらしQ&A」かわかみ整形外科・小児科クリニック(http://kawakamiclinic.or.jp/sn_childexp/ikuji_005.html)
- 池羽小児科クリニック「役に立つ小児科の知識」池羽小児科クリニック(http://www.ikeba-lc.net/child/about.html)
- 東京消防庁「応急手当 のどに物が詰まったとき」東京消防庁(http://www.tfd.metro.tokyo.jp/lfe/topics/stop/02.pdf)
- 太田百合子、小池澄子「はじめての離乳食 92」(ベネッセコーポレーション)
- 東京都福祉保健局「ボツリヌス菌」食品衛生の窓(http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/micro/boturinu.html)
- 原口小児科クリニック「離乳食ガイド」原口小児科クリニック(http://haraguchi-clinic.com/rinyuu/)
離乳食作り食材選びから気を付けよう
大切な赤ちゃんへのことだからこそ気を付けたい!離乳食の注意が必要な食材ついてご紹介しました。離乳食を進めていく中で、食べられるものが多くなっていきますが、何でも食べさせるわけにはいきません。
離乳食を作る際には、今回ご紹介した内容を忘れずに毎日の離乳食作りを楽しんでくださいね。
生後5~6か月ごろの育児についてもっと知りたい方は、以下からごらんになれます。