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監修:齋木啓子

離乳食で注意したい食物アレルギー!対応の進め方やレシピの工夫を解説

ミルクや母乳だけを飲んでいた子どもが離乳食を食べ始める…。子どもの成長は喜ばしいものですが、ママにとっては食物アレルギーへの不安が増す時期でもあります。離乳食でアレルギー対応をするためには、口の周りに症状が現れるなど、どんなアレルギー反応が現れるか知って、アレルギーの原因になり得る食材を使った離乳食の進め方を考えておくことが大切ですね。この記事では、アレルギーのタイプごとに起こる症状や離乳食でアレルギーが出やすい食材のリスト、アレルゲン食品を使った離乳食の進め方などをご紹介していきます。

PIXTA

離乳食で注意したい食物アレルギーの危険のある食材

離乳食でいちばん注意したい食物アレルギー。食物アレルギーが出やすい食材にはどのようなものがあるのか、離乳食として与える前にしっかりとリストでチェックしておきましょう。

独立行政法人環境再生保全機構による「ぜん息予防のためのよくわかる食物アレルギー対応ガイドブック」によると、食物アレルギーが出やすい食材は次のようになります。

  • 鶏卵:38.3%
  • 牛乳:15.9%
  • 小麦:8.0%
  • 甲殻類:6.0%
  • 果物類:6.0%
  • ソバ:5.0%
  • 魚類:4.0%
  • ピーナッツ:3.0%
  • 魚卵:3.0%
  • 大豆:2.0%
  • ナッツ類:2.0%
  • 肉類:2.0%

アレルギーが出やすい食材の中で、離乳食によく使われるものは「鶏卵」「牛乳」「小麦」「果物類」。これらの食材を初めて食べさせるときは、アレルギー反応が出ないか慎重に確認してから量を増やすようにしましょう。

出典元:

知っておきたい食物アレルギーのタイプとよくある症状

アレルギー PIXTA

食物アレルギーが危険だということはよく知られていますが、アレルギー症状の経験がないパパママであれば、離乳食でどんなアレルギー反応が出るかご存じない方も少なくないのではないでしょうか。

食物によるアレルギー反応は、タイプによって症状が変わります。離乳食でのアレルギー対応を適切に行うためには、アレルギー反応でどんな症状が現れるかタイプ別に知っておくことが大切です。

即時型食物アレルギー

離乳食によるアレルギーで最も一般的なのが「即時型食物アレルギー」です。最初にご紹介したアレルゲンになりやすい食材も、即時型食物アレルギーの原因食材としてご紹介しました。

即時型の食物アレルギー反応はアレルゲンとなる食材を食べてから、食後2時間以内に起こることが多く、じんましん・かゆみ・せき・呼吸困難・腹痛・おう吐・下痢などのアレルギー症状が現れます。

食物アレルギーでは口の周りに赤みが出る症状がありますが、同じ症状でもアレルギーが原因ではなく接触性皮膚炎の可能性もあります。

アレルギー対応のためには子どもの体調をよく見ることが大切ですが、本当にアレルギー反応であるのかどうかは、かかりつけの病院で判断してもらってから離乳食への対応を考えましょう。

非即時型食物アレルギー

「非即時型食物アレルギー」とは、「即時型食物アレルギー」よりもアレルギー反応が遅く現れるタイプです。

アレルゲン食材を食べてから2時間ほどで反応が現れる「即時型食物アレルギー」に対し、「非即時型食物アレルギー」は食後2時間後以降に症状が現れ、場合によってはアレルギー反応までに1~2日かかることもあります。

離乳食を与えてから数日間は注意深く様子を見るようにしましょう。

食物アレルギーが関与する乳児アトピー性皮膚炎

食物アレルギーの一つの現れ方として、「食物アレルギーの関与する乳児アトピー性皮膚炎」と言うものがあります。この場合、アレルゲンとなる食材を食べると、症状として皮膚に湿しんが現れます。

ただし、乳児アトピー性皮膚炎の場合は食べ物だけが原因ではなく、ダニやホコリ、ペットが原因になっている場合も。乳児アトピー性皮膚炎を発症しても、必ずしも離乳食が原因で発症したアレルギーではないことも覚えておきましょう。

口腔(こうくう)アレルギー症候群

「口腔(こうくう)アレルギー症候群」とは、果物や野菜が口の中の粘膜でアレルギー反応を起こし、アレルゲン食材を食べた後に口や喉に違和感を抱いたり、アナフィラキシー症状を引き起こしたりする食物アレルギーのことです。

アレルゲンはモモ・メロン・キウイ・パイナップル・リンゴなどが多く、シラカバやハンノキ花粉に陽性の花粉症に合併することが多いと言われています。

食物依存性運動誘発アナフィラキシー

「食物依存性運動誘発アナフィラキシー」は、アレルゲンとなる食材を食べた後に運動をすると症状が現れるタイプの食物アレルギーです。

アレルゲンとなる食材を食べてから2時間以内に運動をすることで、じんましん・呼吸困難・意識消失などのアナフィラキシー症状が現れます。原因となる食材は小麦と甲殻類がほとんどです。

アレルギー症状を現すためには運動が必要なので、離乳食期の乳幼児では多く見られません。運動量が多くなる学童期以降に発症する可能性の高い食物アレルギーです。

出典元:

初めてあげる食材は、何かあった際にすぐ受診できる平日の日中に少量から試す

離乳食 PIXTA

食物アレルギーにはさまざまなタイプがありますが、いずれにしても、離乳食の進め方は初めての食材に対して慎重になることが最大のポイントです。離乳食で上手にアレルギー対応していくためのコツを知って、安心・安全な食事を与えてあげてくださいね。

アレルギーの出やすい食材は少しずつ試していく

離乳食でアレルギー反応が出やすい食材を使うときは、まず少しずつ試していくことが基本です。アレルギー反応が起きにくくなるよう、離乳食開始を遅らせようかと考える方もいるようですが、アレルギーの予防効果はな、むしろ上がる可能性も指摘されているので自己判断はしないでください。

「アレルギー反応が出たらどうしよう…」と不安になるでしょうが、子どもの様子を慎重に見守りながら、少しずつ食べさせるようにしていきましょう。

家族に重い食物アレルギーがある場合は、医療機関で相談を

パパママのどちらかがアレルギー体質である場合、「子どもに遺伝しているのでは?」と不安になる方も多いようです。ママリにも、パパに魚のアレルギーがあって、遺伝が怖いという投稿がありました。

娘の初期の離乳食のことです。
勇気をください。。。

旦那に極度の魚アレルギーがあって(アナフィラキシー起こす)しかも、何の魚で出るのか、未知数なところがあります😢
(シャケやサーモン、さんま、あゆや川魚は大丈夫だけど
鯛やヒラメ、タラなどその他はダメです😢)


それが遺伝してたら?!と思うと、娘にまだ魚をあげられずにいます😭
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家族に食物アレルギーやぜん息、アトピー性皮膚炎などの症状を持つ人がいる場合、やはり離乳食に対してはより慎重になるべきです。家族が重い食物アレルギーを持っているなら、医師に相談して指示をあおいてください。

アレルギー反応が出たら病院で負荷試験をして解除を目指そう

もし離乳食を食べてアレルギー反応が出てしまったら、病院で負荷試験をして、食品の除去解除を目指していく方法があります。

食物アレルギーがあるからと言って、ずっとアレルゲンである食品が食べられないわけではありません。ただし、自宅で少しずつアレルゲン食品に慣れさせるのは危険なので、病院の指示のもとすすめるようにすることが基本です。

私は負荷試験やりました!
(中略)
数値は下がってたけど慎重に慎重に、入院3回にわけて少しずつ進めました!結果的にはなんとも無かったから家でもやれたけど、何かあったら怖かったので家ではできませんでした
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うちの病院では卵白は20分固ゆでした卵の卵白を0.2g、0.5g、1g、2gと負荷して、症状が出た時点でストップだそうです。
(中略)
ボーロでは正確な卵白の量もわからないし、自己流だと結局そのあとどうしていくのか悩むと思うので
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アレルギー症状が軽微なものであっても、自宅で食品に慣れさせるのではなく、医師の指導を適切に受けることが重要です。

出典元:

離乳食へのアレルギー対応は病院に相談しながら慎重に

離乳食 PIXTA

子どもが離乳食を食べ始めると心配になるのが食物アレルギーですよね。口の周りに赤みなどの症状が現れると「アレルギーかも…?」と離乳食を作るのが不安になってしまうかもしれません。

アレルギーに対応した離乳食の進め方における基本は、初めての食材はごく少量から試し、何かあったらすぐにかかりつけ医に相談すること。

離乳食でアレルギー反応が出やすい食材のリストや、どんな症状が現れるかを把握して、子どもの健康状態を慎重に観察しながらアレルギー対応の離乳食づくりを進めていきましょう。

記事の監修

家庭医、在宅医

齋木啓子

2004年島根医科大学卒。独立行政法人国立病院機構姫路医療センターにて初期研修、CFMDにて家庭医療後期研修および在宅フェローシップ、Leadership Training Fellowship-distant(LTF-distant)修了。
12年にふれあいファミリークリニックを開設し、院長として勤務。17年にEU Business SchoolにてMaster of Business Administrationを取得し、LTF-distant運営・指導に当たっている。現在は悠翔会在宅クリニック新橋で院長として勤務。
家庭医療専門医、在宅医療専門医、経営学修士。

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本記事は必ずしも各読者の状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて、医師その他の専門家に相談するなどご自身の責任と判断により適切に対応くださいますようお願いいたします。なお、記事内の写真・動画は編集部にて撮影したもの、または掲載許可をいただいたものです。

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