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監修:井手真理

【医療監修】乳歯の虫歯は永久歯にも影響、定期的に歯科健診を受けさせよう

子供の歯科健診は、口の中の状態や歯みがきがきちんとできているかを知る上で大切な機会です。みなさんは定期的に歯科健診に通い、子供の口腔環境を確認していますか。子供の虫歯は進行が早く、虫歯は口の中全体の環境を左右します。また、乳歯の虫歯は永久歯にまで影響するため、早期発見、早期治療が必要です。3~6ヶ月に一度はかかりつけ医を受診し、定期健診を受けましょう。また、虫歯菌の感染を防ぐには家族みんなで受診するのがおすすめです。

PIXTA

子供の歯科健診、受けさせている?

2歳半~3歳ごろに生えそろう乳歯。3歳ごろまでは自治体の歯科健診を受ける機会があっても、その後はあまり頻繁には歯科健診を受けさせない方も多いのではないでしょうか。幼稚園や保育園、学校での歯科健診以外に、歯科でのメンテナンスを受けさせる習慣はありますか。

ちょうど乳歯が生えそろう時期は、子供の生活習慣が変化しやすい頃です。甘いおやつを食べるようになったり、炭酸飲料を飲ませるようになったりしますね。こうした食習慣の変化が起こる時には、口の中の環境も大きく変わります。大人の虫歯に比べて早く進んでしまう子供の虫歯を素早く見つけるには、定期的な歯科健診が不可欠です。

子供の歯科健診と虫歯治療

歯科 PIXTA

虫歯を早期に発見したり、歯磨きがきちんとできているか確認したりするために有効な歯科健診。もし虫歯があった時の治療はどのようなものでしょうか。

子供の歯科健診や虫歯治療について、イデアデンタルクリニック(東京都巣鴨)院長の井手真理先生のお話を元にお伝えします。

歯科健診は3~6ヶ月に一度がおすすめ

井手先生によると、子供を歯科健診に連れていく頻度は3ヶ月が理想とのこと。忙しくてなかなか通えない場合でも、できれば6ヶ月以内の間隔で受診するようにしましょう。

子供の歯は大人の歯と比べてやわらかく、虫歯菌が侵入するとすぐに溶けて進行してしまうのだそう。特にお菓子やジュースの習慣が始まると一気に進み、痛みがでてきてしまうことも。

まだ虫歯が小さいうちなら進行を止める薬品を塗るだけで対処するなど、削る治療をしなくて済む場合があるため、こまめな受診がおすすめだといいます。

虫歯が見つかったときの治療法

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子供の虫歯治療は、大人の歯科治療よりも難しいと井手先生はいいます。理由は、まだ長時間口を開けていられないことと、唾が多いこと。唾が治療箇所に入ってきてしまうと邪魔になり、なかなか治療が進まないのだそう。

虫歯が進行してしまいしっかり治療をしなくてはいけない状況になると、動くと危ないので子供を押さえつけて口を開かせる器具を使わなくてはいけなくなる場合があります。まだ虫歯が小さければ簡単な処置で終わることができます。

子供時代に歯科治療が「痛い」「怖い」というイメージがついてしまうと長期間治療に来てくれなくなってしまうことがあり、悪循環が始まります。そのため、なるべく押さえつけて治療しないようにしているそうです。

乳歯もしっかり治療しないと、永久歯も虫歯になりやすくなる

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「乳歯は生え代わるから虫歯になっても大丈夫」と考えているママがいるようですが、実際にはその逆。乳歯が虫歯になっている状況ということは、口の中に虫歯菌がたくさんいる環境だということです。

もしその乳歯が抜けたとしても、口の中に虫歯菌が多いという環境は変わりません。そのため生えたての柔らかい永久歯が、虫歯菌の恰好のエサになってしまうのです。

乳歯だとしても油断せずに、きちんと健診を受け、虫歯があれば治療することを心がけましょう。

子供の「歯肉炎」が増えている

虫歯以外にも注意すべきなのが「歯肉炎」だと井手先生はいいます。以前に比べて子供の歯肉炎が増えているというのです。

歯肉炎とは、歯周病の初期段階で、歯茎に炎症が起きている状態のこと。原因は食生活の乱れや睡眠不足、運動不足などの生活習慣。予防するにはバランスの良い食事や規則正しい生活を送ることが必要です。

虫歯が砂糖を控えることや歯磨きで予防できる一方、歯肉炎はそれだけで予防することができません。生活全体を見直す必要があるのです。こうした歯肉炎を早期発見することも、子供の健康を守るためには大切。どのような状態なのかを早く知り、医師にアドバイスを求めることができるのは歯科健診のタイミングでしょう。

かかりつけ医でパパやママも一緒に歯科健診を

虫歯 PIXTA

井手先生によると、子供が歯科に通うことに抵抗を感じないためには、パパやママが先に歯科健診を受けているとよいといいます。子供が歯科に通い出す年齢になる前に、ママが歯科に通いメンテナンスをする習慣がついていると、子供も抵抗なく歯科健診を受けられるようになるようです。

子供の虫歯を予防したいなら、パパやママの口の中の環境を整えることも大切。家族みんなの口腔環境が良くなれば、自然と虫歯を防ぐことができるでしょう。

また、歯科健診で注意して磨く場所を教えてもらったり、磨き方のコツを習ったりすると毎日の歯磨きも意識して行えるようになります。イデアデンタルクリニックでは、お口の中にどのような菌がどのくらいいるか知ることができる、唾液の検査も行っているそう。こうした検査を行えば、さらに気を付けて歯磨きをしようというモチベーションになりそうですね。

子供の歯を守るには、こまめな健診が不可欠

歯医者 PIXTA

生まれてから大人になるまでに生え代わる乳歯。永久歯と比べて貴重ではないと考えられやすいものですが、口の中の環境という面では乳歯も永久歯も関係なく、虫歯を予防していくことが大切だとわかりました。また、子供の虫歯の進行は早く、治療も難しいことから、こまめに歯科健診を受けることが必要だと感じますね。

ママの目では完全に見つけることが難しい虫歯。そして口腔環境は検査をしてみないと詳しくはわかりません。きちんと歯磨きができているか確認したり、虫歯がないことを知って安心したりするだけでも健診の意味はあると井手先生は話します。

子供の体の状態を日々確認するのと同じように、こまめな歯の健康チェックを心がけたいですね。

記事の監修

idea dental clinic 院長

井手真理

香川県生まれ。歯科医師。
平成15年に広島大学歯学部を卒業し、一般歯科・小児歯科・審美歯科・噛み合わせ治療などの診療に従事する。平成23年より日本免疫治療研究会会長のミトコンドリア博士・西原克成先生の西原研究所でミトコンドリア免疫療法を学ぶ。子育ての悩みを解決する「赤ちゃん相談室」を担当。平成27年にidea dental clinicを開院し、(社)国際予防医學推進協会設立。長女の出産を機に次世代の母親に向けての活動を開始、現在までに200回以上のセミナーワークショップ・フィールドキャンパス等の企画運営を行う。
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