子供に怒ってばかりの自分…これでいいのかな?
子供は成長とともに自我が芽生えてきます。ママやパパの言うことをきかなくなり、そんな姿にイライラしてしまうことでしょう。
子供の成長は喜ばしいこと。次第に自分の意志で行動することや、善悪の判断などができるようになります。しかし、相手の気持ちを推し量ることは難しく、主張が増えてわがままが過ぎてしまうこともある程度は致し方ないことなのかもしれません。
けれど、仕事に行かなければいけないのにぐずぐずしている、子供の対応でいっぱいいっぱいになっていてもパパが気持ちを察してくれない…というように、毎日イライラしてしまうこともあるかもしれません。冷静になってから、つい感情任せに怒鳴ってしまったことを反省するママもいることでしょう。
妊活・出産・子育て女性のためのサイト「ママリ」にもこのような投稿がありました。
イヤイヤは成長の過程だなと思い、それ自体は仕方ないとは思えるのですが…
例えば抱っこしてほしくて泣いていて、抱っこしたからとすぐに泣き止まない時に、「抱っこしたでしょ、もう泣かないで」と怒り気味に言ってしまったりします。
「うん…」と言って子供は泣きやみますが、そんな泣き止ませ方をして子供はどんな気持ちなのかな…と毎回のように罪悪感。
ある時は、なにしても泣き止まない時や無理な要求で泣かれている時、話しかけても聞こえていないし、説得や取引に応じてくれるとも思えない時、スマホやテレビを見ながら放置してしまいます。
時間をおいて話しかけたり抱っこする?と聞いてみたりしますが、やはりスマホとかは見ずに子供とずっと向き合ってあげた方がいいのでしょうか。
ご飯時はすんなり食べてくれず、食べないなら片付けると言うと「食べるー!」と怒ります。怒る割に食べませんが😅
もちろんテレビやおもちゃなど使わせているわけではありません。
それを1時間近く繰り返すので毎回しんどいです。
もうずいぶん昔の話になりますが、このような時期も筆者にはありました。
こちらの投稿に記載されているお子さんの月齢がどのくらいか分かりませんが、お疲れになっていることが伝わってきます。ギャンギャン泣いているときは、困り果ててしまいますよね。
泣いている子供を放置してしまう、子供を泣き止ませるために取り引きを持ち掛ける、子供を泣き止ませるために怒り口調に任せてしまい後悔する…というお悩みは、どんなママでも経験があるのではないでしょうか。
わが子を活かす言葉・潰す言葉
「泣いてばっかりいると、お母さんいなくなっちゃうんだからね!」「泣いている子はこのおうちにいらないんだから」といった言葉を発してしまい、筆者の子供は不安が勝る子供になってしまいました。学生になった今でも、ときおり家族がいなくなることに不安を覚えるようです。
このようにわが子をつぶしてしまう言葉もあれば、前向きにものごとをとらえ考えをしっかり話せる子供に育てられる言葉もあります。
言葉の使い方に少し配慮をするだけで、子供に対する接し方のコツがつかめるようになるかもしれません。今回は、「言葉の言い換え」で子供が成長できるというような一例を紹介します。
NG「何度言ったらわかるの!」
おもらしやお片付けなど、毎日同じ失敗を繰り返す子供に思わず言ってしまう言葉です。子供としては、毎日同じことを言われて卑屈になっていることもあるでしょう。
「何度言ったら分かるの」とママに言われても、子供としてはどんなことを何回言われたのかわかっていないのです。ママの怒声は子供の心に突き刺さりはしますが、その言葉の本意は簡単にすり抜けていきます。
OK「どこが分からないの?」「もう一度言うからよく聞いてね」
イヤイヤの主張が始まる頃の子供は、親の語りかけはある程度理解できますが、まだまだ言葉のキャッチボールが難しい状態。それもそのはず、まだ年齢分の経験しかないうえ、ボキャブラリーだって豊富ではないでしょう。
「どこが分からないの?」と子供に問いただしても「分からないところが分からない」「うまく伝えられない」のかもしれません。「もう一度言うから~」とママが根気よく説明しても、ママの言っていることが理解できないこともあります。
聞き取った言葉を行動に照らし合わせて…という作業は大人でも難しいことがありますよね。「一緒にトイレ行ってみよう」「一緒にやってみよう」とママと一緒に行動し、プロセスを経て覚えてもらうことも言葉がけとセットにすることも取り入れてほしいと思います。
NG「どうして、こんなことするの?」
ママの立場からすれば、単純な質問の意味にしかならない「どうして、こんなことするの?」という言葉ですが、子供にしてみれば最上級の責めに匹敵します。「どうしてこんなことになったのか」には子供なりの理由があって、それを本人は重々承知しています。
よそ見をしたから、両手で持たなかったから、きょうだいや友だちが自分の希望を聞き入れてくれなかったから…。不注意であることはもちろん、ママに怒られるまでのプロセスがあるのだけれど、責め立てるママを見てしまうとどうしても本当のことを言いにくくなってしまうのが子供の本音です。
OK「どうしたの?」「何があったの?」
同じ質問の意味合いでも、「どうしたの?」と聞けば子供も責め言葉には受け取りません。子供自身も「ママが心配してくれている」というようなニュアンスでその言葉を受け取り、安心します。
また、「どうしたの?」と言葉を投げたときは、子供の説明に耳を傾けましょう。いったん受け入れた後で「○○がよくなかったんだね」「次からは、○○すると良いよ」というように悪かったところを指摘し、気を付けるべき行動を具体的に指摘してあげると子供も気を付けるようになります。
「どうしたの?」は、ママも感情任せに怒らず話を投げかけられる言葉なのではないでしょうか。
わが子を活かす!たった3つの言動
「もう5分しかない」状態と、「まだ5分もある」状態。同じ5分という時間でも、どちらの状態に安心感を覚えるでしょうか。「まだ5分もある」という状態であれば、この5分で何ができるか考えることもできるでしょう。こういった言葉を子供にかけるだけで、子供も前向きになります。
また、ママやパパが子供の気持ちを尊重することで、子供の自己肯定感につながることも。ここでは、わが子を活かすためにママやパパに使ってほしい3つの「言動」を紹介します。
1.子供のやる気を引き出す一言を言う
「うわぁ~、すごいねぇ」と子供が描いた絵をほめるだけで、大きな自信につながります。ここで「服や体、テーブルが汚れちゃったよ」と言ってしまえば、子供は「絵を描くとママに叱られる」という思い出がセットになり、なかなか絵を描かなくなるかもしれません。ママが言う「すごいねぇ」のたった一言で、絵が大好きになる子供も見られます。
「すごいねぇ」という言葉は、ママ自身の本心から湧き出ているはず。そのパワーは子供も体で受け止め「私は絵が描ける」という自信を深めていきます。
2.子供の立場で喜びを共有する、痛みに共感する
子供の達成感や喜怒哀楽を一緒に喜ぶことにより、「守られている」という安心感を受け取ります。子供と同じ目線で気持ちをシェアすることで、「ママは自分の気持ちを理解してくれている」という、子供自身の気付きにもつながります。
また、子供がうまく説明できなくてもどかしい気持ちになっているときでも、話をじっくりと聞きながら代弁してあげることで、子供の気持ちを引き出せるかもしれません。ママが気持ちを肯定することで、子供はさらに自分に自信を持つことができるようになります。
それが間違っている考え方だとしたら、「ママはこうだと思うけど、君はどうかな?」と話を投げかけることで、子供も考えを改めるきっかけになることでしょう。
「ちょっと難しい」と思うかもしれませんが、子供の言葉に耳を傾けることだけでも十分。小さな子供だったら、抱っこして今日あったお話を聞きながら、会話をするだけでもよいと思います。
3.親の人生を子供に伝える
「親の人生」というと大げさな感じがするし、語れるほどの経験もない…と思うこともあるでしょう。では、成功談や失敗談と置き換えるといかがでしょうか?
「こういうことがあったけど、頑張って乗り切った」「ママもこういう失敗をよくして、おばあちゃんに怒られていた」そう言った話をすることで、ママの経験を子供とシェアすることができます。「ママ」というモデルケースがあれば多少の失敗にもへこたれない子供になるでしょうし、ママを見習って成功のイメージを描ける子供にも育つことでしょう。
ただ、「ママが頑張れたからあなたも頑張れるはず」という押し付けや、一つの成功ばかりに執着してしまうような自分語りになってしまうことは、子供もへきえきしてしまいます。さくっと話せる内容で伝えてみてくださいね。
言い方一つで、子供の行動が変わります
ここまで、子供への接し方や声掛けの仕方を工夫することにより、子供が前向きな気持ちを持てるという内容のお話をしてまいりました。もっと詳しく知りたい、という場合に、今回参考にした書籍があるので紹介します。
実例などを織り込みながら、子供の気持ちに寄り添った言動ができるよう指南する内容となっています。子育てに悩んだときや、毎日叱ってばかりの自分を変えたいと思う方はぜひご一読されてはいかがでしょうか。
わが子が幸せになるお母さんの一言 「心の法則」で育む親子の絆
著者が経験した子育てや生活の中での気づきをもとに、「子供が前向きになれる一言」を体験談とともに紹介しています。
小さな子供を育てている家庭はもちろんのこと、子供が思春期に差し掛かり「育てにくさ・接し方の模索」をしている人にもおすすめしたい一冊です。
まずは「会話」からはじめてみるのがよいかもしれません
筆者は子供の失敗を「残念だったね」と共有するより、笑い飛ばしてしまいます。子供と一緒に笑っておしまいにします。だけど「失敗したことは忘れないよ。けど、次は絶対失敗しないから大丈夫」と励ますことも心がけています。
失敗はいけないこと・言うことをきちんと聞くことと子供へ言い聞かせることも大事ですが、本当は子供の話を引き出すことが大切だということを、この本では説いています。子供の話を聞くことにウエイトを置くようにすると、だんだんと子供もお話しすることが上手になってきますし、子供の言動から「かまってほしい」「アピールしたい」ポイントが分かるようになります。
イヤイヤ期の子育ては、毎日が戦いのようなすさまじさ。怒りたくもなりますし、自分自身にイライラしてしまう気持ちも分かります。それでも、ママがまず落ち着いて子供と話をすることが大切。言葉のキャッチボールをする時間を作っていきましょう。