せっかく買った服を着ないのはなぜ? 子供が服を着てくれるようになる方法

成長してくるにつれ、子供の自己主張がだんだんと激しくなってきていませんか。2歳を過ぎると「魔のイヤイヤ期」と呼ばれるほど、素直に言うことを聞いてくれる回数が減り困ってしまいますよね。新しい服を買ったのに着てくれなかった、という体験をされたママもいるでしょう。子供が言うことを聞いてくれなくなってしまうのには、脳のメカニズムが深く関係しています。今回は、自らすすんで服を着てくれるようになる方法を紹介していきます。

子供が服を着てくれるようになる方法

今までは、素直に洋服へ腕を通していた子供が、急に服を着ることを拒んできたという経験はありませんか?似合うと思って買った服だけど、一度も腕を通さずサイズアウト…というのは意外と多いのかもしれません。

なぜ子供は「服を着たくない」という気持ちになってしまうのでしょうか?そして、どうすれば素直に服を着てくれるようになるのでしょうか。

どうすればすんなり服を着てくれるのか…。そこには「触覚」に関する脳のメカニズムが深く関わっていました。

触覚はなくせない感覚であり、肌は心に直結している

肌 PIXTA

  • 何かに触ったことを感じる「触覚」
  • 圧迫されているかどうかを感じる「圧覚」
  • 痛みを感じる「痛覚」
  • 熱さや冷たさを感じる「温度覚」
  • 物の形状を感じ細かく判定できる「二点識別覚」

人間にはさまざまな感覚が備わっていますが、これらは全て「体性感覚」と呼ばれています。この触覚の最大の特徴は、なくすことができないということです。

なぜ触覚はなくすことができないのか

見たり聞いたりする「視覚」や「聴覚」は、目を閉じたり耳をふさいだりすることで一時的になくすことができます。しかし、触覚は肌に何か触れている限り常に脳へ情報を送り続けます。仮に何も触れていないように見えていても、空気には触れているので、空気の流れや気圧、温度や振動を感じています。

寝ているときも休む間もなく脳に情報を与えているのが触覚なのです。

触覚は心とも関係している

例えば、満員の電車内でじっとりした誰かの肌が触れて不快な気持ちになったり、恋人やパートナーと手をつなぐと幸せな気持ちになったりしたことはありませんか?これらは「触覚」が感情に働きかけ、さまざまな気持ちに変化しているからです。

触覚の持つこのような特徴を利用することで、子供の健やかなメンタルを作ることもできます。メンタルコントロールは難しそうに感じてしまいますが、触覚に対する意識を変えることなら、実は意外と簡単にできます。

なぜ新しい服を着ようとしないのか?

泣く PIXTA

風邪を引くから、せっかく買ったんだから、サイズが合わなくなるから…理屈で説明しても子供が新しい服を着ようとしない、という経験をしたことがあるママはとても多いと思います。

大人からすれば「お金をかけて買ったものだから」「寒いから」と合理的に考えることで「服を着ない理由がない」という結論に至りますが、子供がそれを拒否すれば「困った子供だ」と思ってしまうでしょう。

こんなとき、子供はどのように考えているのでしょうか。生理学的な面から考えていくと、子供が服を着ない理由がわかりやすいと思います。

触れられることと、自分から触ること

脳は「わからない」ことに対してストレスを感じます。新しい服という未知のものが触れるということは、自分の体に何が起きているのかがわからないため、拒絶反応を起こしてしまいやすいのです。

親が買ってきた新しい服を子供がなかなか着ようとしないときには、未知のものに触れられることを本能的に避けているせいなのかも、と考えることができますね。

自分で選ばせればうまくいきます!

選ぶ PIXTA

未知のものを本能的に避けるのならば、購入段階でできるだけ子供自身に触らせ、その感触を脳に伝えるようにしてみてください。自分で触れた服の感触が脳に伝われば、脳はその服を着たときの状態を予測できるので受け入れやすく、自発的に新しい服を着てくれるようになるかもしれません。

子供の脳に分かりやすい情報を届ける、ということを中心に考えてみれば、無理やり服を着させる苦労からも解放されるようになります。

応用して「触覚」を育ててみよう

子供たちに豊かな触覚刺激を与えるには、まずは子供の脳をTVなどの視覚情報から開放してみましょう。電子機器は簡単に情報が得られ、一度始めるとやめられないことも多いですが、それをまず、やめてみるのです。

そしてリモコンやゲーム、スマートフォンなど、視覚情報が得られて動かせる機器の置き場を決め、必ずそこに置くようにしましょう。

しばらく行うことで、定位置に物を置けば行動がコントロールでき、置かなければコントロールできなくなるということを実感できるはず。子供の意思や性格ではなく、脳の仕組みによるものだということが理解できるかと思います。

家事手伝いは触覚体験の宝庫!

次に、さまざまなものに触れる機会を作りましょう。日常生活の中でも豊かな触覚体験ができるチャンスはたくさんあります。その一つが、家事の手伝いです。

例えば料理は、野菜や肉、魚などさまざまなものに触れることができます。質感、重さ、温度などを感じ取ることで脳がその情報を受け取り、嫌いな食べ物を食べるストレスが少なくなります。

洗濯物を干せば、ぬれたタオルやパジャマなど、普段とは違う服の感覚を味わえます。洗濯物を取り込むときには、日の光をたっぷり浴びたよい香りや手触りを感じ取ることができるはずです。

触覚を育てながら、親が世話をやかなくても自分で動ける子供へと育っていくよい機会になります。休みの日や時間に余裕のあるときだけでもよいので、子供と一緒に身の回りのことから始めてみるとよいでしょう。

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子育ては生理学でうまくいく

脳 amana images

生理学の視点から考えてみると、子供の謎な行動や理解できなかったかんしゃくも解明できることがあるかもしれませんね。

作業療法士の著者が、心理学ではなく生理学の視点から考えてみた脳の仕組みを知り、子供にそれを教えていくことで親子で問題解決に取り組むことができますよ。

生理学で考える子供の思考『脳に任せるかしこい子育て 無理なく着実に才能を伸ばす!』

作業療法士で2人の子供を育てている著者が生理学の視点から、脳の仕組みを読み解き親子で成長していくためのコツを分かりやすく解説。

実践するための例題も掲載されているので、日常生活の中から行動し実践することができます。

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行動を変えることで子供の考え方も変わる

©中野サトミ

生理学をベースに考えることで、心理学の観点から見た複雑な構造が簡単に解明できるようになるかもしれません。身近なところから生活を見直し習慣を変えていくことで、子供が素直に、そして豊かな感情表現を持てるようになっていきます。

難しいことをしなくても取り入れられることから、子供と親のための生理学を始めてみませんか?

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