1歳代のかんしゃくは、うまく言葉にできない気持ちの表れ
かんしゃくとは、自分の欲求不満や怒りなどを叫んだり、暴れたりして表現している状態のことです。自分の子がかんしゃくを起こしてしまったとき、ママはどうしたらいいか悩んでしまいますね。
かんしゃくは、子供が「うまくいかない」「本当はこうしたいのに」という気持ちを、うまく言葉に表せないために出るといわれている行動で、1~5歳くらいの子供にはよくあるものです。いったんかんしゃくを起こすと、多くの場合、子供は自分で感情をおさめることはできず、落ち着くまで待つしかないこともしばしばあるでしょう。
とはいえ、いつでもかんしゃくを起こすわが子をじっと見守れる状況であるとは限りません。また、成長とともに意思表示のしかたを身につければおさまることも多いものの、現在悩んでいるママは日々の対応にぐったりしてしまうこともあるかもしれませんね。
- 浜松市「かんしゃくについて」(https://www.hamamatsu-pippi.net/blog/hint/kenkou/2844.html,2019年11月26日最終閲覧)
- 辻本愛子「子育てヒント:【いうことを聞かないこども・かんしゃく】への対応」神奈川県小児保健協会(https://kanagawa-syounihokenkyoukai.wooowebby.work/wp-content/uploads/2022/08/No07_2017tujimotodr.pdf,2019年11月26日最終閲覧)
- Stephen Brian Sulkes「かんしゃく」(https://www.msdmanuals.com/ja-jp/ホーム/23-小児の健康上の問題/小児における行動面の問題/かんしゃく,2019年11月27日最終閲覧)
- 姫路市「子育てQ&A」(https://www.city.himeji.lg.jp/faq/faq_detail.php?co=ser&frmId=1273,2019年11月27日最終閲覧)
1歳児へのかんしゃく対処法はある?
かんしゃくを起こす理由はいろいろありますが、何が原因かわかるようでしたら、それぞれの状況に合った対処法を試してみてください。
落ち着くまで見守る・抱きしめる
かんしゃくを起こすには何か原因があった場合でも、その状態がひどくなると子ども本人も感情がコントロールできなくなって、欲求に応えてあげてもかんしゃくが治まらないこともあります。
そんなときは、危険がないよう安全なところまで移動させて、落ち着くまで近くで見守ってあげましょう。少しずつ子どもの気持ちが落ち着き始めたら、背中をトントンしたり抱きしめてあげたりして、泣き止んだことをほめて安心させてあげてください。
ルールをくり返し伝える
1歳くらいの子どもにとって、自分の欲求が通らないことや思うようにいかずイライラしてしまうことも、かんしゃくを起こす原因のひとつ。欲求に応えることばかりではなく、あらかじめしてはいけないことのルールをしっかり伝えておくことが、かんしゃくを防止することにもつながります。
たとえば、「ごはんはきちんと座って食べる」「夜はちゃんと寝る」「おもちゃは出したら片付ける」など、理不尽に怒られたと感じないように、してはいけないことについてルールを徹底するようにしましょう。
生活リズムを整える
かんしゃくは、「眠い」「おなかすいた」などの欲求が解消されずにイライラすることから始まります。すぐに昼寝できる環境だったり、おやつを用意してあげられたりするならよいのですが、それができずに欲求を我慢させてしまうとかんしゃくにつながってしまいます。
食事やおやつは毎日同じ時間に食べさせるようにして、合間におなかがすかないようにし、夜やお昼寝でしっかり睡眠を取れるように、生活リズムを整えて子どもがイライラしない環境にしてあげましょう。
「おしまい」を伝える
子どもは楽しんで遊んでいることを止められると、なぜやめなくてはいけないのか理解できず、感情のままにかんしゃくを起こすこともあります。
「もうおしまいだよ」と言っても、まだ言葉がわからないときは素直に聞き入れてはくれませんが、遊びを終わらせるときに「おしまい」という言葉を繰り返し聞かせ、これを言われたら遊ぶのは終わりなんだと理解させるようにしてみてください。
だんだんと言葉の意味がわかるようになったら、「もう少しでおしまいだよ」と言われたときに終わりに対する見通しをもつことができるようになり、かんしゃくを起こさなくなるでしょう。
危険な行為は止める
かんしゃくはただ大声で泣き叫ぶだけでなく、暴れたりものを投げつけたりすることもあるので、放置するのは危険です。外で道路に寝転んでしまうと事故にあいやすくなりますし、落ちているものや石で子どもがケガをする可能性もあります。
友だちとケンカしてしまったときは直接叩くなどの暴力行為に及ぶこともありますし、投げたものがほかの人に当たったり、壊れて破片が飛び散ったりする危険性もあるので、暴力をふるう場合などは毅然とした態度で叱ることも必要です。
気持ちを代弁してあげる
1歳くらいのこどものかんしゃくは、自分の気持ちをうまく言葉で表現できずにもどかしくて起こしてしまうこともあります。小さいうちは言葉でのやりとりは難しいものですが、そこは親がその気持ちを汲み取って、代弁してあげるようにしましょう。
そのためには、まず子どもの気持ちを理解してあげることが大切。「これがほしかったんだよね」「できなくてくやしかったね」と子どもの気持ちに寄り添い、代わりに言葉にして思いを昇華させてあげてください。
他のママはどうしている?先輩ママのかんしゃく対処法
ここからは、1歳半ごろでかんしゃくが強い子を持つママたちの「かんしゃく対処法」をお伝えします。わが子に合っていると感じられる方法には個人差がありますが、まねできそうな方法があればぜひ試してみてくださいね。
1. ママだけで背負わないで
(中略)
なかなか難しいかもしれませんが、思い切って旦那さんやご実家、一時保育にお子さんを預けて、休んだり、ひとりの時間をもらってみてはどうでしょうか?
一日中子供のペースに合わせて生活し、さらにかんしゃくまで起こされれば、ママが参ってしまうのは当然かもしれません。そんなときは、家族などに子供を預けるという手段を検討してみてもよいでしょう。
子供のかんしゃくの対応はママだけでしなくてはいけないものではありません。パパをはじめとする家族や一時保育などに子供を預け、一度子供と距離を置く時間を設けてみるのもおすすめです。ほんの少しでも子供と離れて外の空気を吸えば、気持ちが楽になることもあります。
かんしゃくに「向き合わねば」「もっと頑張って声掛けをすれば」と思うのではなく「つらいから離れる」という選択をするのも、間違いではありません。
2. 教えてくれてありがとう、と伝える
(中略)
癇癪って主張だったようで、その行動を認めてあげると、徐々におさまってきました。
例)おやつをご飯より先に食べたい
「おやつ食べたいっておしえてくれてありがとう」一呼吸おいて「ご飯たべて、おやつの時間ね」
最初はつうじなくても、ガンガン泣かれても、子供にしてみたら要求が親に伝わった、と言うだけで、一点は満足できます。
あと日中、できて当たり前のことも、できたら褒めたりすると「できた、認められた」とおもったみたいで癇癪へりました
気長にガンバです、
うまく行かない時もありましたが、「ありがとう、あなたのしたいことがお母さんに伝わってきて、うれしい」と地道に伝えてあげてください
うまく要求を言葉にできずにかんしゃくを起こしている子供にとって、「こうしたかったんだね」というママの声掛けは「自分の気持ちが伝わった」という満足につながるでしょう。
大声でわめいている子供に「教えてくれてありがとう」と声をかけるのは忍耐がいることですが、それによって子供の気持ちが満たされ、かんしゃくが減るならうれしいことですよね。
一朝一夕の努力ではなく、地道な声掛けの積み重ねが必要なのかもしれません。
3. かんしゃく対処のルーチンを決める
ヒートアップすると2時間でも泣き続けてました。
正しいかはわからないですが、私は
・声かけ、抱っこ、背中さする
・嫌がられたら、声かけやめる
・嫌がられたら、背中さするのやめる
・嫌がられたら、抱っこやめて近くで無言で見守る
・泣きながらも本人が寄ってきたら受け入れる
・落ち着いたら抱っこしながら話しかける
をしてました。
半年くらいして段々と癇癪がおさまり、今はほとんどなくなりました(本人が少しおしゃべり出来るようになったからかもしれません)
言葉が話せれば癇癪減るかもと、とにかく絵本は出来るだけ読んでました。
かんしゃくを起こしているときは、ママがよかれと思ってしたことが気に入ず、さらに嫌がることもあるかもしれません。
その場で柔軟に対応するしかないものの、投稿者のように「これがダメならこれ」と順番を決めておけば、毎回悩まずに済みそうですね。最後まで対応してもダメなら「無言で見守る」。これも大事な対処法です。
このママの場合は、半年ほどでかんしゃくがおさまったように感じたとのこと。気長な対応が功を奏したのかもしれません。
4. 好きなもので気をそらす
良いのか分からないですけど、イライラして怒鳴ってしまうよりマシかな😭
何をいっても、何をしても子供のかんしゃくがおさまらない。泣いてどうしようもないというときは、好きなお菓子などで気をそらせるのも手です。
「もので釣るのは気が引ける」と思うかもしれませんが、かんしゃくでママ自身が参ってしまうようなら、一時的な対処法としてものを使ってもよいのでは。お菓子ではなくシールやばんそうこうなどでもOK。ママ自身が納得して、割り切って使えるものがよいでしょう。
5. 心を無にして、ときには要求をのむ
ママ友は子供が着替えを全力で嫌がったからと言って、パジャマのままランチに連れてきてました😂寒い日だったのに、コートを脱いだら半袖パジャマでした。笑
時にはそのくらい適当?寛大?な心も必要だと思います。
1歳代の子供のかんしゃくは「伝えたいのに伝わらない」というもどかしさを表現する行動のため、がまんを促してやめさせるのは困難でしょう。それならばと心を無にして、ひたすら落ち着くのを待つ、あるいは子供の要求を一度のんでしまうという手もあるようです。
毎回子供のわがままに付き合ってはいられませんが、イライラしてママ自身が疲弊するくらいなら、そういう日があってもよいかもしれません。育児は毎日続くからこそ、どこかで力を抜くことも必要です。
専門家に相談をしたほうがよいケースは
かんしゃくは子供の成長とともにおさまってくることが多いといわれていますが、かんしゃく以外にも気になることがある場合は、医師などに相談したほうがよい場合もあります。相談をするだけでも、ママの心配ごとやつらい気持ちが少し和らぐかもしれません。
たとえば、1歳半を過ぎた段階で以下のような様子が見られ、育てにくさを感じている場合は、相談を検討してみてもよいでしょう。
- 他者と視線が合わない
- 運動発達に遅れがある
- あやしても笑わない
- 一語文が出ていない
- 母親に無関心で、1人でいても平気なようす
上記のような状況があてはまるからといって、必ずしも障害があるというわけではありません。
相談は自治体の窓口や発達専門医、かかりつけの小児科でも大丈夫です。
- 龍ヶ崎市「1歳から2歳未満までの相談」(https://www.city.ryugasaki.ibaraki.jp/fukushi/kosodate/dekakeru/kosodateshien/zadankai/soudan1-2.html,2019年11月26日最終閲覧)
- 松原三智子「1歳6か月児健康診査で保健師が気になる母子の様子 」(https://hus.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=117&item_no=1&attribute_id=22&file_no=1,2019年11月26日最終閲覧)
- 長野県立こども病院「こどもの発達問診票」(http://nagano-child.jp/wordpress/wp-content/uploads/2016/08/shinkeimonshin201907.pdf,2019年11月26日最終閲覧)
- 鳥取県「乳幼児健康診査マニュアル」(https://www.pref.tottori.lg.jp/secure/249478/ippan26.pdf,2019年11月26日最終閲覧)
子供に合った対処法を探しつつ、ママの心も休ませて
今まさに子供のかんしゃくに悩んでいるママは「なんとかかんしゃくを収めたい」「かんしゃくが起きないようにしたい」と考えているかもしれません。しかし、必死に向き合っても思うようにならないこともあるでしょう。
そんなときは自分の対処法を責めたり、うまくいかないことを思い悩んだりするよりも、ママの心を休めることを考えてみてください。この時期のかんしゃくは仕方ない面もあると考え、ときには親側が折れて、真正面から向き合わない日があっても大丈夫です。
子供の社会性と感情のコントロール力が育つにつれて、かんしゃくは収まっていくはずです。それまでは子供に合う対処法を探りつつ、なんとか乗り切っていきましょう。