離乳食でトマトをあげるのはいつから?含まれる栄養素は?
離乳食初期の生後5〜6か月から食べさせることが可能な「トマト」。
β-カロテンやビタミンCなどさまざまな栄養素を含み、季節を問わず売られているため赤ちゃんにも食べさせたい食材ですよね。
どのように離乳食に取り入れていけば良いのでしょうか?
- 全国トマト工業会「トマトの栄養「リコピン」」(http://www.japan-tomato.or.jp/knowledge/index.html,2020年11月21日最終閲覧)
- 中津市「「夏の離乳食」食育レシピ」(https://www.city-nakatsu.jp/doc/2020071700065/,2020年11月21日最終閲覧)
生で食べられるのは1歳〜、それまでは加熱
赤ちゃんは消化機能が未発達のため、加熱1歳ごろまでは加熱して与えるのがよいでしょう。また、赤ちゃんのかむ力の面から考えても、歯茎で食材をつぶせるようになる1歳ごろまでは加熱して柔らかくした方が食べやすいです。
トマトはやわらかいため、1歳前後から様子を見ながら生で食べさせてあげてみても良いかもしれません。
- 母子栄養協会「生野菜、いつから食べさせて良い?」(https://boshieiyou.org/raw_vegetables,2020年11月8日最終閲覧)
- 西東京市役所「生野菜やお刺身はいつ頃から食べさせていいの?」(https://www.city.nishitokyo.lg.jp/kosodate/chiikikosodate_center/012_qanda/osasimi.html,2020年11月21日最終閲覧)
離乳食にミニトマトは使える?
トマトと同様、プチトマトも離乳食初期から取り入れることができます。
トマトより小さく離乳食にも使いやすいように思いますが、トマトと同じように加熱してから使うようにしましょう。そして、トマトと同じように1歳前後で様子を見ながら生でも食べさせてあげても良いですね。
トマト缶やトマトジュース、トマトペーストは使える?
トマトが離乳食で食べることができるようになると、トマト缶などのトマト加工品も使っても良いのか気になりますよね。トマトの加工品を販売しているカゴメのHPに、以下のような回答があります。
いずれも食塩無添加であり、トマトのみで作られた商品ですので、離乳食にもお使いいただけます。ただし、「濃厚あらごしトマト」は、トマトの種や皮が含まれるので、お子様の成長に合わせて、必要な場合は、種、皮を取り除くなどしてお使いください。 また、「濃厚あらごしトマト」、「トマトピューレー」は生トマトに比べ、約3倍の濃さに、「トマトペースト」は約6倍の濃さに濃縮しています。離乳の進行や、お子様の成長に合わせて、濃さ・量を調節してください。 ※1
いろんな商品があるため注意が必要になりますが、トマト缶・トマトジュース・トマトペーストなどいずれのトマト加工品も味がついていない、塩分無添加のものなら離乳食に使うことができます。
商品の中には、塩分無添加のものでも3倍・6倍など濃縮されたものもあるので、そのまま使わずにお子さんに合わせて量や濃さを調整してあげましょう。
トマトの下ごしらえと保存方法
トマトには、種もあり、皮をむかなければいけませんが、実際にはどのように下ごしらえをすればよいのでしょうか?
トマトの下ごしらえには少し手間がかかりますが、下ごしらえをしたトマトは冷凍保存可能。手間を掛けるのは一度に短縮し、冷凍ストックしておくと使いたいときに解凍するだけですぐに使えてとても便利ですよね。
以下、詳しくご紹介していきます。
トマトの下ごしらえ①直火(じかび)であぶる
赤ちゃんにトマトを食べさせるには、皮をむく下処理を行う必要があります。その方法の1つとして、直火(じかび)であぶる方法があります。
まず、トマトのヘタの部分にフォークを刺します。フォークの柄を手で持ち、トマトをガスコンロの火にかざして回しながら焼きます。このとき、フォークが熱くなるのでやけどには十分気を付けてください。
しばらくすると、徐々に皮がはじけてめくれ上がってくるので、冷水にとって皮をむくことできれいに仕上がります。
トマトの下ごしらえ②湯むき
トマトの皮をむくには、湯むきという方法もあります。
まず、トマトの表面に包丁で十文字に切り目を入れます。そして、沸騰した湯に切り込みを入れたトマトを入れ、切り込みの部分の皮がめくれてきたら冷水にとって皮をむきます。
火を入れ過ぎないように注意してくださいね。
トマトはピューレ状にして冷凍保存できる
トマトはそのまま冷凍することで皮がむきやすく下処理が楽になりますが、ピューレにしてから冷凍することで解凍するだけですぐに使える、便利なストック食材になります。
トマトピューレにするには、直火(じかび)であぶる方法または湯むきをして皮を除き、種をとってからざく切りにし、鍋でやわらかくなるまでトマトを煮て、その後に裏ごしするかすりつぶします。これでピューレの完成です。
冷凍用の保存袋に入れて、薄く広げながら空気を抜くようにして、ファスナーをしっかりと閉めて冷凍庫に保存します。使いたいときに使いたい分だけ割って使えて時短になりますよ。
- カゴメ「おいしいトマトの見分け方と、保存のコツ」(htwww.kagome.co.jp/vegeday/yasai/tomato/tps://,2020年11月10日最終閲覧)
- 旭化成「離乳食のためのフリージング」(https://www.asahi-kasei.co.jp/saran/preservation/baby/food08.html,2020年11月27日最終閲覧)
離乳食時期別の大きさの目安
- ゴックン期(生後5か月〜生後6か月):種と皮を取り除き、すりつぶす。
- モグモグ期(生後7〜生後8か月):皮を除き、みじん切りにする。
- カミカミ期(生後9〜生後11か月):皮を除き、5ミリ角程度に切る。
トマトは完熟したものを選び、皮以外にも種や白くてかたい部分も取り除くようにします。
また、1歳以降は、皮を取り除き、1cm角位やくし形に切ってあげましょう。
- 大分県中津市「「夏の離乳食」食育レシピ」(https://www.city-nakatsu.jp/doc/2020071700065/,2020年11月10日最終閲覧)
- 和光堂「立体タイプの食材チェックリスト」(https://community.wakodo.co.jp/community/babyfood/checklist/#check-04,2020年11月10日最終閲覧)
離乳食時期別のトマトを使ったレシピ
離乳食初期だけでなく、その後の離乳食でもソースとしても使えるトマトペーストやトマトソースなどのレシピを紹介します。
ぜひ、アレンジして今後の離乳食のレパートリーを広げてみてくださいね。
離乳食初期:レンジで簡単!トマトペースト
@miyan.37
材料
- トマト(5cm大):2個
作り方
@miyan.37
- トマトをカットし、ヘタを取り、スプーンで種を取り除く。
- 耐熱ボウルに入れ、ふんわりとラップをかけ、レンジで1分30秒加熱。
- スプーンなどで皮を取り除き、ブレンダーなどでペースト状にする。
トマトの種と皮は消化が悪く、消化器官が未発達な赤ちゃんには負担になるため取り除くようにしましょう。
また、ブレンダーにかけるのが負担になる場合は、レンジ加熱だけでかなりトロトロになるので、ブレンダーをかけずに、塊だけすくって包丁でみじん切りにしても大丈夫とのことです。
離乳食中期:トマトソース
@kotaro_babyfood
材料
- トマト:1個
- ピーマン:2個
- たまねぎ:1/2個
- オリーブオイル:小さじ1
- 水:大さじ3
作り方
- ピーマンとたまねぎはみじん切りに、トマトは湯むきをし、みじん切りにする。
- フライパンにオリーブオイルを熱し、ピーマンとたまねぎを中火でいため、トマト・水を加えて10分煮込む。
万能な「トマトソース」。
おかゆと合わせてリゾットに、パンがゆと合わせてピザ風に、豆乳と合わせてクリームスープに!いつものメニューに合わせることで味に変化を付けることができます。
また、ピーマンの苦味が心配のようなら、ピーマンの代わりにキャベツやズッキーニなど何でも代用可能とのことです。
離乳食中期:ささみ玉ねぎトマト煮
@kotaro_babyfood
材料
- 鶏のささみ
- 玉ねぎ
- トマトペースト
- とろみちゃん(かたくり粉)
作り方
- トマトペーストで作ったトマトスープに、ゆでて細かく刻んだササミと玉ねぎを入れる。
- とろみちゃんを入れて混ぜ、レンジで加熱する。(とろみのもと、かたくり粉でも可)
良質なささみたんぱく質源である「ささみ」。しかし、赤ちゃんには飲み込みにくいという難点も。
しかし、トマトスープにとろみをつけたものと一緒に食べることで、飲み込みやすくなります。さらに、トマトのうま味成分も加わり、おいしさもアップ!玉ねぎ以外にも、ブロッコリーやニンジンなど他の野菜を合わせても良いですね。
離乳食後期:トマトソース
@sooo_gohan
材料
@sooo_gohan
- トマト:2個
- にんじん:1/3個
- 玉ねぎ」1/2個
作り方
@sooo_gohan
- にんじん、玉ねぎは粗く刻む
- トマトは湯むきして種を取り除いて細かく刻む
- 鍋ににんじん、玉ねぎ、トマトを入れ 水をかぶるくらい入れて水分が無くなるまで煮る
- 水分がなくなって ソース状になったら完成
こちらは基本のトマトソースレシピです。今回のレシピでは味付けをしておらず、野菜の甘みとうまが味わえるソースに仕上がっています。トマトの酸味が苦手なお子さんには、にんじんや玉ねぎを多めにするのがよいそう。このレシピを基本に、具材を加えていろいろなアレンジができそうですね。
離乳食後期:ミートソースポテト
@sooo_gohan
材料
上記トマトソースに、以下の材料を加えます。
- 豚ひき肉
- コンソメ
- じゃがいも
作り方
トマトソースに、豚ひき肉とコンソメ、じゃがいもを入れて食べごたえと旨味がアップしたおかずです。追加する材料は少しですが、豚肉からいい出汁(だし)が出て食欲を引き立てます。トマトソースに材料を加えてアレンジしている間に、じゃがいもをレンジで加熱しておくとあっという間に完成しそうですね。
離乳食後期:ミートソーススパゲティ
@sooo_gohan
材料
上記トマトソースに、以下の材料を加え、食べやすく調理したスパゲティの上に載せます。
- 鶏ひき肉
- トマトピューレ
- コンソメ
- 水溶きかたくり粉/離乳食用とろみのもと
作り方
トマトソースに材料を+してアレンジしたレシピです。スパゲティは、やわらかくゆでで細かめに切ってあげると食べやすいですね。ゆでる前に折っておくと後から切らなくていいので楽ですよ。スパゲティは離乳食用のものも売られていますので、使いやすいものを選んで調理しましょう。
栄養・おいしさが詰まった「トマト」離乳食にも進んで取り入れよう
栄養豊富でうま味成分たっぷりな「トマト」。
離乳初期から取り入れることができる食材で、下処理が少々手間ではありますが、進んで取り入れていきたい食材ですよね。
離乳食初期にはトマトペースト、中期にはトマトソース、後期にはトマト煮にするなど、月齢が進むにつれて使い方にも変化を持たせることができ、赤ちゃんの食の幅を広げることができます。
1歳になるまではしっかり加熱をして、心も元気になれる真っ赤なトマトをどんどん食べさせてあげましょう。