助け合いや思いやりの心を育てる!子どもに、「友だち」がテーマの絵本を選ぼう
絵本の世界は子どもにとっては夢の世界です。時には動物の世界に迷い込み、時には空を飛び、時には家族が増えたり友だちとけんかしたり。さまざまな世界が広がります。
まだ友だちという存在がいなかったり、わからなかったりする小さな子どもにとっては、絵本を通して友だちとの世界を想像することができます。
友だちができて、少しずつ相手の気持ちを考えることができるようになった子どもは、絵本を通してけんかや仲直りの方法を考え、より相手の気持ちを考えることができるようになるのではないでしょうか。
そんな助け合いや思いやりの心を育てることができる、「友だち」がテーマの絵本をご紹介します。どのような絵本を選ぼうか迷っているママは絵本選びの参考にしてください。
「友だち」がテーマの絵本を、「思いやりの心」が学べる内容から選ぼう!
「友だち」がテーマと言ってもその内容はさまざまです。
けんかと仲直りを学べる絵本は、仲良くなった友だちとけんかをした、気まずくなった時にどうやって仲直りをすれば良いのかわからない時におすすめです。絵本の中の登場人物と自分を置き換えて仲直りのヒントを得ることができます。
友だちを思いやる心を学べる絵本は、家族や先生とは違う、友だちの気持ちを考え、思いやる気持ちを学ぶことができます。
どうやって友だちを作ったら良いのかわからない、まだ友だちと呼べる存在がいないというときに読んであげたいのが友だちの作り方を学べる絵本。友だちという存在の良さを知り、友だちを作りたくなるのではないでしょうか。
「友だち」がテーマの絵本おすすめ15選
「友だち」がテーマのおすすめの絵本を15冊ご紹介します。対象年齢も記載していますので、参考にしてみてください。
2歳~「おんなじおんなじ」
ぶたの「ぶう」とうさぎの「ぴょん」は仲良しの友だち。仲良しすぎて、ぼうしもくつもおんなじです。持っているおもちゃまでおんなじ。
2匹の「おんなじ、おんなじ」というリズムが面白くて何度も読んでもらいたくなる絵本です。ぶうとぴょんと同じように、お友だちや家族とおそろいにしたい、一緒のことをしたいという時期におすすめの1冊です。
自分以外の誰かを意識し、「同じ」や「違う」を楽しみながら学ぶことができそうですね。
2歳~「コッコさんのともだち」
コッコさんは保育園に通う女の子。保育園では一人ぼっちで、なかなかみんなと遊ぶことができません。しかし、一人ぼっちの子がもう一人いました。
ちょっとしたことがきっかけで仲良くなり、もっともっと仲良くなり、そしてけんかをする。他の子とも遊べるようになって、仲直りをする。
コッコさんの心の成長が見え、小さいながらも悩んだり、喜んだりする子どもたちに思わず親も感動してしまいます。
保育園や幼稚園に入園する前にぜひ読んであげ、安心して送り出してあげたいですね。
2歳~「ねずみくんのチョッキ」
1974年に出版されたこの絵本、小さい頃に読んだことがあるというパパママもいるのではないでしょうか。今もなお受け継がれるこの絵本にはねずみくんの優しさが詰まっています。
お母さんに編んでもらった赤いチョッキを自慢げに着るねずみくん。そこへいろいろな動物がやってきて、「ちょっときせてよ」とねずみくんのチョッキを借ります。それを繰り返すうちにねずみくんのチョッキはどんどん伸びてしまいます。
友だちに大切なものを貸してあげるねずみくん。素敵なチョッキを貸してもらえてうれしそうな動物たち。他の友だちに対して優しい気持ち、思いやりを持つことの大切さをねずみくんが教えてくれます。
優しい気持ちがどんどん広がっていく様子が、長年にわたり子どもに愛される理由かもしれません。
3歳~「そらまめくんのベッド」
そらまめが主役のこの絵本。登場人物はえだまめやピーナッツやさやえんどうなどのお豆たち。
そらまめくんのベッドは柔らかくてふかふかでそらまめくんの大のお気に入り。他のお豆たちには誰にも貸してあげません。ある日そんな大事なベッドがなくなってしまいます。
お豆たちみんなで見つけたベッドはなんと他の誰かが使っていました。それを見たそらまめくんはどうしたのでしょうか?
かわいいお豆たちが出てくる絵本で、「かして」「だめ」「いいよ」などのお友達とのやり取りを学ぶことができる1冊です。
3歳~「しんせつなともだち」
寒い寒い冬の話。食べ物がない雪の日、お腹をすかせたうさぎはかぶを2つ見つけました。うさぎは1つだけ食べて、あと1つはろばに届けました。ろばも食べ物がなくてお腹がへっているだろうという気持ちからです。
そして家に帰ったろばはかぶを見てびっくりしました。そしてそのかぶをやぎに届けることに。1つのかぶを通して、動物が他の動物たちを思いやる気持ちがどんどん連鎖し、かぶと一緒に素敵な気持ちが届きます。
寒い冬なのに、心が温かくなる、友だちっていいなと思える1冊です。
3歳~「くれよんのくろくん」
新品のくれよんが主役のこのお話。くれよんたちは箱を飛び出して真っ白な画用紙に絵を描きます。ちょうちょやお花を描くカラフルなくれよんたち。しかし、くろくんは絵を黒くしてしまうので仲間に入ることができません。そこにシャープペンのお兄さんがやって来てくろくんにあるアドバイスをします。
最初は仲間はずれにされてしまうくろくん。しかし、くろくんのおかげでみんなで1つの絵を完成させることができたのです。
くれよんのように子どもたちの個性も十人十色。だめなところを見るのではなく、個性を大切にしていきたいですね。
3歳~「どうぞのいす」
うさぎが作った小さないす。うさぎは「どうぞのいす」と名前を付けました。
「どうぞのいす」という看板とともに置かれた小さないすを見たろばは、持っていたかごをいすに置き、昼寝をします。次に来たくまは「どうぞならば」と、かごに入ったどんぐりを食べます。どんぐりを全部食べたくまは、次に来る動物のために何をしたのでしょうか。
うさぎが作ったいすを通して、動物たちの「どうぞ」という思いやりが繋がっていきます。次の人のことを思って優しい気持ちを残していく。
子どもにも自然に優しさや思いやりの気持ちが伝わっていくのではないでしょうか。
4歳~「ともだちや」
「えー、ともだちやです。
ともだちは いりませんか。」
キツネはお金をもらって友だちになるという「ともだちや」を始めました。200円もらってくまの友だちになった後に、声をかけてきたのはオオカミでした。
トランプで一緒に遊んだキツネはオオカミに対してお代を請求します。しかし、オオカミは怒ってしまいます。オオカミが怒った理由とは一体?ここから始まるキツネとオオカミの友情に注目です。
本当の友だちはお金では買うことはできない。友だちとは大切なかけがえのない存在なんだと気づかせてくれます。
4歳~「ぼくとクッキー さよならまたね」
クマの子のぼくとクッキーは仲良しの友だち。毎日一緒に遊んで帰るときにはいつも「さよならまたね」と言っていました。しかし、ある日クッキーは「さよなら」としか言いませんでした。クッキーは引っ越すのです。
ずっとずっと一緒に遊べると思っていたのに、急に引っ越すことになり、ぼくもクッキーも悲しい気持ちでいっぱいです。ぼくはクッキーに手紙を書くことにしました。その手紙の内容とは?
2匹の「さよならまたね」という言葉に込められた思いに友だちの大切さを感じることができます。毎日一緒に遊ぶのも友だちだけれど、離れたからってその友だちが終わるわけではありません。大切な友だちとの別れを、切ないけれど温かく描いています。
4歳~「もしもしトンネル」
うさぎのナナちゃんの家の隣に引っ越してきたうさぎのロコちゃん。2匹はすぐに仲良しの友達になりました。毎日一緒に楽しく遊んでいましたが、ある日けんかをしてしまいました。
ナナちゃんはどうやって仲直りをしたら良いのかわかりません。その時思い出したのは初めて出会った時のことでした。
友だちになって、けんかをして、仲直りする。一連の流れをかわいい2匹のうさぎを通して知ることができます。けんかをして1度は離れてしまっても、本当に大切な友だちならば仲直りすることができる。この絵本が後押ししてくれます。
4歳~「きみなんかだいきらいさ」
ジョンとジェームズはいつも仲良し。おやつも半分こ、水ぼうそうだって仲良く一緒にかかりました。
そんな2人がひょんなことでけんかをしてしまいました。にらみ合い、百面相をし、「ジェームズなんてだいきらいさ」と言うジョン。それでもあっさり仲直りできちゃいます。
仲良しだからこそけんかをする。そして仲良しだからこそ仲直りできる。子どもだからこそできる友だちとの付き合い方。友だちってシンプルで良いものですよね。
5歳~「けんかのきもち」
仲良しの友だちのこうたと取っ組み合いのけんかをしたたい。泣きながら走って家に帰りました。こうたが謝ってくれたけれど、けんかの気持ちはまだ終わりません。
悔しい気持ちや、仲直りしたいけどできない気持ち、周りに気を遣われて複雑な気持ち。さまざまな気持ちと向き合いながら仲直りする2人に胸を打たれます。
2歳や3歳とは違う、少し大きくなって友だちと仲良くしたりけんかをしたり、そんな年頃にぜひ読んでほしい1冊です。けんかは決して悪いことではない。けんかができる友だちがいるって素敵だなと感じてもらえるのではないでしょうか。
5歳~「ともだち」
「ともだちって」から始まる谷川俊太郎さんの詩です。優しく語り掛けるように友だちについて教えてくれます。シンプルで子ども向けなのに、大人も胸を打つ内容です。
この本を読むと、友だちって何だろう。と子どもも親も考えながら想像力がどんどんふくらんでいく、そんな不思議な絵本です。
友だちって何だかわからない時。友だちが欲しい時。友だちと上手くいかない時。節目節目にぜひ読んであげましょう。
5歳~「ふたりはともだち」
仲良しのがまくんとかえるくんの何気ない日常が描かれたこの絵本。全部で5話あり、どのお話も2匹の友情を感じられる作品です。
中でも「おてがみ」は小学校の教材としても使用されています。手紙を1度ももらったことがなく落ち込むがまくんに、かえるくんはお手紙を書きます。一体どんな手紙を書いたのでしょうか。
がまくんを思うかえるくんの手紙の内容に2匹の厚い友情を感じることができます。がまくんとかえるくんは本当に良い友だちで、わが子にもこんな友だちができたらとママは思うのではないでしょうか。
6歳「みんなともだち」
ぜひ保育園や幼稚園の卒園の時期に読んでほしいのがこの絵本です。
みんなともだち ずっとずっとともだち
がっこういっても ずっとともだち
卒園式、幼稚園や保育園でのたくさんの思い出が思い出されます。プールもかけっこもいっぱい遊んだのも、みんな友だちと一緒でした。みんなで一緒に大きくなりました。
卒園して離ればなれになっても、その思い出は消えることはありません。ずっとずっと友だちなんです。親のいない環境で友だちという特別な存在と共に過ごした日々が、こんなにも輝くこと。友だちとはかけがえのない存在だということ。たくさんのことを教えてくれる1冊です。
「友だち」って良いものなんだと教えてあげよう
「友だち」をテーマにした絵本をご紹介しました。これから友だちを作る子にも、友だちともっと仲良くなりたい子にも、友だちとけんかして困っている子にも、どの絵本もみんなに届けたい本です。
子どもの成長につれ、友だちと過ごす時間が少しずつ増えていきます。いずれはパパやママと過ごすよりも濃い時間を友だちと過ごすことになるでしょう。だからこそ、友だちは良いものなんだと、友だちはかけがえのない存在なんだと、子どもに教えてあげたいですね。
気に入った絵本があれば、ぜひ親子で読んでみましょう。同じ絵本でも入園や卒園、年齢によってなど読むタイミングで子どもの感じ方も変わってくるのではないでしょうか。絵本を読んだ後は親子で友だちについてお話をするのも良いですね。