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監修:三木 崇弘

発達が気になる子の育児で行き詰まらない、夫婦の連携3つの約束

わが子の発達に遅れがあると感じたり、発達障害があるのではないかと気になったりすると、育児の先行きが不安になることがあるでしょう。特に、家庭で子どもと過ごすことが多い親は問題を目の当たりにすることが多く、悲観的になりやすいかもしれません。子どもの発達の遅れや発達障害の可能性が気になるとき、夫婦が連携して不安を和らげていくためには欠かせないことがあります。この記事で連携のポイントを知っておき、夫婦の子育てに役立ててくださいね。

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子どもの育ちが気になるときこそ、夫婦の連携が大切

子どもの育ちに関する不安は、親にとっては重みが大きいものです。わが子はこれからどうなるだろうか、もしかして発達障害があるのだろうか…と考え始めると、歯止めがきかずに不安に駆られることがあるでしょう。

そんなときこそ、夫婦の連携が大切。発達が気になる子や、発達障害の可能性がある子の育児では、次の3つのことを約束として、夫婦で意識してみましょう。

1. 親同士で認識がずれないようにする

夫婦 1歳 子ども PIXTA

夫婦で育児に関して話すときは、お互いの考えを受け止め、できるだけすり合わせましょう。ママリには、子どもの発達の心配ごとや、発達障害について夫婦で共有していたという声も投稿されています。

うちは発達障害だった場合のことを出生前から夫婦で話していたので、ずーっとグレーに感じていたことも共有していました。
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子どもの発達状況について、片方の親だけが理解していても、もう片方の親が「このくらいできるはず」と誤って理解していては、子どもに対して適切な関わり方ができません。自宅で主に育児を担う親と、働きに出ている親で認識がずれないように現状を共有し合い、それを踏まえて話し合いましょう。また、夫婦で子どもの現状への認識がずれていないか時折見直すことも必要です。

そして、発達の遅れを相手の育て方のせいにしないことも大事です。子どもの現状をそのまま、夫婦で受け止めることを心がけましょう。

出典元:
  • 日本公衆衛生看護学会誌 「子どもの障害に気づき広汎性発達障害と診断を受けるまでの母親の生活上の困難」(https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjphn/7/1/7_3/_html/-char/ja,2021年5月6日最終閲覧)
  • 岩崎久志、海蔵寺陽子「軽度発達障害児をもつ母親への支援」流通科学大学論集ー人間・社会・自然編ー第22巻第1号,43-53(2009)

2. 子どもの変化はこまめに共有する

スマホ 夫婦 PIXTA

子どものできることや、困りごとは日々変化します。そのような変化は、できる限りこまめに夫婦で共有できるとよいですね。例えば主に子どもと関わるのがママなら、パパが帰宅してから子どもの様子を共有したり、スマホのメッセージで状況を伝えたりするのも一つのやり方です。

できる限り新しく、幅広い情報を知っておけると、パパにとっても子どもと関わる際の良いヒントになるでしょう。

「今日はこんなことができるようになった」「今はこれをするのが難しいみたい」など、今できることやできないことの情報を共有しながら、一緒に解決策を探していきましょう。

出典元:

3. 子どもへの働きかけは、夫婦で分担して

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パパとママそれぞれが得た情報を共有しあったら、子どもとの関わり方を話し合い、一緒に子育てに取り入れてみてください。

家庭で過ごす時間が多い方に、子どもへの関わり方の工夫や困った行動への対応を任せると、心理的負担が偏ります。普段は仕事であまり関われない側の親も、家庭にいる時間を使い、主に自分が子どもの相手をする時間を作りましょう。

特に、どちらかの親が療育や発達相談に行ったときは、そこで得た情報を共有し、パパとママが同じように関わり合いにいかせると良いですね。

出典元:
  • 岩崎久志、海蔵寺陽子「軽度発達障害児をもつ母親への支援」流通科学大学論集ー人間・社会・自然編ー第22巻第1号,43-53(2009)
  • 香川県身体障害者総合リハビリテーションセンター  「講 話 障害児療育における家庭の役割」(http://jinnta.org/jinnta/lib/takuma5.htm,2021年5月6日最終閲覧)

お互いの存在が支えになるような連携を

夫婦 お茶 PIXTA

ただでさえ悩みの多い育児。わが子の育ちに関して気になることがあると、1人で考え込んでネガティブになってしまうことも少なくないでしょう。

そんなときこそ、夫婦でお互いの存在を支えにして、育児と向き合いたいもの。意見を伝え合い、親子がより心地よく生活できる方法を考えていけるとよいですね。

記事の監修

フリーランス児童精神科医

三木 崇弘

兵庫県姫路市出身。愛媛大学医学部卒、東京医科歯科大学大学院修了(医学博士)、早稲田大学ビジネススクール在学中。

愛媛県内の病院で初期研修・小児科後期研修を終え、国立成育医療研究センターこころの診療部で児童精神科医として6年間勤務。
愛媛時代は保護者との座談会や研修会などを行う。東京に転勤後は学校教員向けの研修などを通じて教育現場を覗く。
子どもの暮らしを医療以外の側面からも見つめる重要性を実感し、病院を退職。

2019年4月よりフリーランス。“問題のある子”に関わる各機関(クリニック、公立小中学校スクールカウンセラー、児童相談所、児童養護施設、児童自立支援施設、保健所など)での現場体験を重視し、医療・教育・福祉・行政の各分野で臨床活動をしている。
知的障害支援「あいプロジェクト」代表。

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出典元一覧

  • 日本公衆衛生看護学会誌 「子どもの障害に気づき広汎性発達障害と診断を受けるまでの母親の生活上の困難」(https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjphn/7/1/7_3/_html/-char/ja,2021年5月6日最終閲覧)
  • 岩崎久志、海蔵寺陽子「軽度発達障害児をもつ母親への支援」流通科学大学論集ー人間・社会・自然編ー第22巻第1号,43-53(2009)
  • 笠井新「障害児療育における家庭の役割」(http://jinnta.org/jinnta/lib/takuma5.htm,2021年5月7日最終閲覧)
  • 石田史織、奥野ひろみ、五十嵐久人、高橋宏子、山崎明美「療育施設を利用している発達障害児(疑い含む)の父親の育児実態調査 ~父親・母親の比較検討~」(https://ssph.jp/wp-content/uploads/2020/03/14-2-2.pdf,2021年5月7日最終閲覧)
  • 香川県身体障害者総合リハビリテーションセンター  「講 話 障害児療育における家庭の役割」(http://jinnta.org/jinnta/lib/takuma5.htm,2021年5月6日最終閲覧)

本記事は必ずしも各読者の状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて、医師その他の専門家に相談するなどご自身の責任と判断により適切に対応くださいますようお願いいたします。なお、記事内の写真・動画は編集部にて撮影したもの、または掲載許可をいただいたものです。

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