子どもの育ちが気になるときこそ、夫婦の連携が大切
子どもの育ちに関する不安は、親にとっては重みが大きいものです。わが子はこれからどうなるだろうか、もしかして発達障害があるのだろうか…と考え始めると、歯止めがきかずに不安に駆られることがあるでしょう。
そんなときこそ、夫婦の連携が大切。発達が気になる子や、発達障害の可能性がある子の育児では、次の3つのことを約束として、夫婦で意識してみましょう。
1. 親同士で認識がずれないようにする
夫婦で育児に関して話すときは、お互いの考えを受け止め、できるだけすり合わせましょう。ママリには、子どもの発達の心配ごとや、発達障害について夫婦で共有していたという声も投稿されています。
子どもの発達状況について、片方の親だけが理解していても、もう片方の親が「このくらいできるはず」と誤って理解していては、子どもに対して適切な関わり方ができません。自宅で主に育児を担う親と、働きに出ている親で認識がずれないように現状を共有し合い、それを踏まえて話し合いましょう。また、夫婦で子どもの現状への認識がずれていないか時折見直すことも必要です。
そして、発達の遅れを相手の育て方のせいにしないことも大事です。子どもの現状をそのまま、夫婦で受け止めることを心がけましょう。
- 日本公衆衛生看護学会誌 「子どもの障害に気づき広汎性発達障害と診断を受けるまでの母親の生活上の困難」(https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjphn/7/1/7_3/_html/-char/ja,2021年5月6日最終閲覧)
- 岩崎久志、海蔵寺陽子「軽度発達障害児をもつ母親への支援」流通科学大学論集ー人間・社会・自然編ー第22巻第1号,43-53(2009)
2. 子どもの変化はこまめに共有する
子どものできることや、困りごとは日々変化します。そのような変化は、できる限りこまめに夫婦で共有できるとよいですね。例えば主に子どもと関わるのがママなら、パパが帰宅してから子どもの様子を共有したり、スマホのメッセージで状況を伝えたりするのも一つのやり方です。
できる限り新しく、幅広い情報を知っておけると、パパにとっても子どもと関わる際の良いヒントになるでしょう。
「今日はこんなことができるようになった」「今はこれをするのが難しいみたい」など、今できることやできないことの情報を共有しながら、一緒に解決策を探していきましょう。
- 笠井新「障害児療育における家庭の役割」(http://jinnta.org/jinnta/lib/takuma5.htm,2021年5月7日最終閲覧)
- 石田史織、奥野ひろみ、五十嵐久人、高橋宏子、山崎明美「療育施設を利用している発達障害児(疑い含む)の父親の育児実態調査 ~父親・母親の比較検討~」(https://ssph.jp/wp-content/uploads/2020/03/14-2-2.pdf,2021年5月7日最終閲覧)
3. 子どもへの働きかけは、夫婦で分担して
パパとママそれぞれが得た情報を共有しあったら、子どもとの関わり方を話し合い、一緒に子育てに取り入れてみてください。
家庭で過ごす時間が多い方に、子どもへの関わり方の工夫や困った行動への対応を任せると、心理的負担が偏ります。普段は仕事であまり関われない側の親も、家庭にいる時間を使い、主に自分が子どもの相手をする時間を作りましょう。
特に、どちらかの親が療育や発達相談に行ったときは、そこで得た情報を共有し、パパとママが同じように関わり合いにいかせると良いですね。
- 岩崎久志、海蔵寺陽子「軽度発達障害児をもつ母親への支援」流通科学大学論集ー人間・社会・自然編ー第22巻第1号,43-53(2009)
- 香川県身体障害者総合リハビリテーションセンター 「講 話 障害児療育における家庭の役割」(http://jinnta.org/jinnta/lib/takuma5.htm,2021年5月6日最終閲覧)
お互いの存在が支えになるような連携を
ただでさえ悩みの多い育児。わが子の育ちに関して気になることがあると、1人で考え込んでネガティブになってしまうことも少なくないでしょう。
そんなときこそ、夫婦でお互いの存在を支えにして、育児と向き合いたいもの。意見を伝え合い、親子がより心地よく生活できる方法を考えていけるとよいですね。