2歳で食べ物の好き嫌いがあるのは当たり前!
2歳になって急に食べ物の好き嫌いが激しくなると、パパママは心配になることと思います。しかし、2歳で好き嫌いがあることは当たり前なのです。
食べ物の好き嫌いができるということは、自分の舌で味を感じ、自分の好みで食べ物を選べるようになり、その好みをパパママに伝えられるようになったということです。つまり、成長のあかしとも言えるのですね。
2歳で急に好き嫌いが増えてくるのは、子どもが自我を持ち、少しずつ言葉で自分の欲求を伝えられるようになる年齢だから。成長とともに好き嫌いをし始めると心配でしょうが、子どもの成長段階だと考え、温かく見守ってあげることが大切ですよ。
- 厚生労働省「保育所保育指針解説書」(https://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/hoiku04/pdf/hoiku04b_0001.pdf,2021年6月8日最終閲覧)
- 八千代市「幼児期によくある食生活相談」(http://www.city.yachiyo.chiba.jp/83500/page000028.html,2021年6月8日最終閲覧)
食べ物の好き嫌いができる原因
それでは、食べ物の好き嫌いはどうして起きるのでしょうか?2歳で偏食をしがちな三つの原因を見ていきましょう。
自我と食べる能力が発達してくるから
2歳で好き嫌いが多い子どもが増える原因は、最初にお話したように子どもに自我が芽生えることと、食べる能力が発達してくることに由来します。
小さなころは「おなかがすいた」「おむつが濡れた」など、不快感をいだき、泣くことでしか自己主張をしなかった子どもも、2歳ごろになると自分の感情や意思を言葉で伝えようとし始めます。
さらに、離乳食期には「食べ物を飲み込むこと」が食事の中心でしたが、2歳前後になると「食べ物を味わう」という食事に変化してきます。今までは飲み込んでいたものを味わい始めると、好みに合わない食べ物も出てくるでしょう。
自我と食べる能力が発達することから、「2歳になって急に好き嫌いが増えた」と感じやすいのです。
- 厚生労働省「保育所保育指針解説書」(https://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/hoiku04/pdf/hoiku04b_0001.pdf,2021年6月8日最終閲覧)
味覚が発達しきらないから
2歳になると食べる能力が高まるとお話しましたが、2歳児は食事の経験が少なく、味覚はまだまだ大人ほど発達はしていません。この「食べる能力の発達」と「味覚の未発達」という曖昧な状態にあるので、2歳児は急に好き嫌いをし始めやすい年齢だと言えるでしょう。
好き嫌いは脳の「扁桃体」というところで起こりますが、大人ほど食事の経験が多くない子どもは、脳の中に食べ物の情報が蓄積されていないので「苦味」や「酸味」の強い食べ物を拒否しがちです。なぜなら自然界においては、「苦味」は毒であるサインで、「酸味」は腐敗を表すから。
「甘味」や「旨味」はミルクや離乳食を通じて経験する味覚ですが、「苦味」や「酸味」は子どもにとって慣れない味。これらの味つけを受け入れていくには、扁桃体の中に食べ物の情報を蓄積しなくてはいけないのです。
つまり食わず嫌いに近い状態なので、2歳から成長とともに食事経験が増え、味覚が発達してくれば、扁桃体が「安心できる食べ物だ」と感じ始めて好き嫌いが減っていく可能性もありますよ。
- 独立行政法人農畜産業振興機構「「野菜シンポジウム~野菜をおいしく食べる~」の概要」(https://www.alic.go.jp/content/000088417.pdf,2021年6月8日最終閲覧)
- 公益社団法人日本心理学会「食べ物を嫌いになる理由」(https://psych.or.jp/wp-content/uploads/2017/10/74-9-12.pdf,2021年6月8日最終閲覧)
特定の食べ物で嫌な経験をしたから
今まで大好きだった食べ物でも、一度嫌な経験をすると食べたくなくなりますよね。
子どもが特定の食べ物で何かしら嫌な経験をした場合、2歳児に限らず、急に好き嫌いをするようになったと感じられることがあります。2歳でありがちなことは、ご飯食べないからとパパママが無理に食べさせようとしたり…というケースです。
好き嫌いを少なくするためパパママが無理に食事を食べさせようとすると、その食事に使われていた食材自体が嫌いになってしまうこともあります。子どもの好き嫌いを少なくするには、まずは、おいしく楽しく食事をとることが一番なのではないでしょうか。
体験談から学ぶ2歳児の好き嫌い克服方法
「2歳で好き嫌いをするのは当たり前」と言われても、「やっぱりいろいろな食べ物を食べてほしい」と思うのが親心ですよね。2歳児の偏食を経験した先輩ママたちは、一体どのように好き嫌いを克服させたのでしょうか?
ご飯食べない2歳児には好きな味付けで
好き嫌いが急に増えてくる2歳児の中には、全然ご飯食べないという子どもも少なくありません。そのようなときは、どのような食材でも子どもの好きな味付けに調理してあげましょう。
カレーやチーズ、マヨネーズは多くの子どもに好まれる味付け。野菜や魚を食べない2歳児でも、自分好みの味付けであれば食べる気になってくれるかもしれません。
食わず嫌いの食材も2歳児でも食べやすい味付けにすれば、扁桃体に味覚を学ばせるための役に立つと思いますよ。
食べ物のおいしさを伝える
偏食をする2歳児は、そもそも初めての食べ物を食べないのが原因であることが多いもの。そこで、パパママが食べ物のおいしさを伝えてあげるのも良い方法でしょう。
パパママがおいしそうに食べていると、「どんな味なのかな?」と気になってくれる2歳の子どもも…。無理に食べさせようとするよりも、食べ物のおいしさを子どもに伝えて、子どもから「食べたい」と思ってもらえるようにすると良いですね。
先輩ママ発!好き嫌い克服レシピを紹介
2歳児の好き嫌いを克服するためには、食べさせ方も大切ですが、レシピに一工夫加えることも同じくらい大切です。そこで、先輩ママたちが実践していた「ご飯食べない2歳児の好き嫌い克服レシピ」を紹介するので、ぜひ実践してみてくださいね。
すりおろし野菜を混ぜたホットケーキ
野菜嫌いの克服レシピとして実践した先輩ママが多かったのは、「にんじんホットケーキ」でした。すりおろせばにんじん1本分を入れられるので、ホットケーキだけで大量に野菜を摂れますよ。
色も味もにんじんが一番使いやすいでしょうが、じゃがいもや炒めた玉ねぎ、かぼちゃ、ほうれん草なども使えるでしょう。多少苦味のある野菜を入れても食べてくれるかもしれませんよ。
野菜&果物たっぷりスムージー
ホットケーキにしても、どうしても野菜を食べてくれない…。そんなときには、野菜と果物をたっぷり使ったスムージーはいかがでしょうか。
ご飯食べない2歳の子どもでも、野菜ジュースなら飲んでくれるという先輩ママもいたので、好き嫌いの多い子どもにおすすめです。
牛乳で作ればまろやかで飲みやすいスムージーになりますが、子どもの好みにあわせて飲むヨーグルトやフルーツジュースをベースにしてもおいしそうです。
好き嫌い克服レシピを見てみると、「いかに食材の味を感じさせないか」ということがコツとなるようですね。ホットケーキやスムージーだけでなく、ポタージュやカレースープなどに細かく刻んだ食材を入れる…など、いろいろなレシピで作ってみてください。
2歳の好き嫌いは当たり前!少しずつ食べられるようにしていこう
2歳で急に好き嫌いが多い子どもや偏食しがちな子どもが増える原因は、自我や食べる能力が発達してくるから。成長段階において当たり前のことなので、ご飯食べない、食わず嫌いをするとイライラすることなく、少しずつ食べられるようにしていきたいですね。
紹介した好き嫌いを克服するための方法とレシピは、実際に先輩ママたちが成功した対処法です。子どもが楽しみながら、おいしく好き嫌いを克服できるよう実践してみましょう。