子どもが野菜を食べない理由
子どもは野菜を食べないことがよくありますよね。「どうして野菜をそんなに食べないの?」と疑問に思うパパママもいるでしょうが、子どもが野菜を食べないのにはちゃんとした理由があるのです。
本能的に「苦味」や「酸味」に警戒心を抱くから
ピーマンが代表的ですが、お米や肉、魚と比べて野菜には苦味があるものがおおいですよね。また、トマトなどは酸味が強い場合もあります。実は子どもは、本能的に「苦味」「酸味」に警戒心を抱いているから野菜を食べないのです。
自然界では「苦味」は毒物であることを、「酸味」は腐敗していることを示す味覚。そのため、本能的に子どもは苦味や酸味の強い野菜を避けたがることが野菜を食べない理由です。
にんじんやかぼちゃなど甘みが強い野菜は食べられても、ピーマンやトマト、春菊が食べられない…という子どもは、苦味や酸味に苦手意識を持つ典型的なタイプだと言えますね。
味覚が大人よりも敏感だから
子どもは野菜の苦味や酸味が苦手。しかし、パパママにとっては苦味を感じない野菜でも、子どもが食べないという場合もあるでしょう。その場合、子どもは大人より敏感な味覚で、パパママが感じないような苦味や酸味を感じている可能性もあります。
味覚を感じる「味蕾(みらい)」は小さな子どものころに多いので、パパママよりも味覚に敏感です。子どもたちはパパママよりも、いろいろな味覚をたくさん感じ取っているのです。
- 独立行政法人農畜産業振興機構「子どもの野菜嫌いと食育」(https://www.alic.go.jp/content/001169939.pdf,2021年6月8日最終閲覧)
- ハウス食品グループ本社「子どもの野菜嫌いを克服する方法」(https://housefoods-group.com/activity/e-mag/magazine/64.html,2021年6月19日最終閲覧)
子どもが嫌いな野菜ランキング
それでは、野菜嫌いの多くの子どもが食べないのはどのような野菜なのでしょうか?
- ピーマン
- なす
- しいたけ
- にがうり
- トマト
- アスパラガス
- セロリ
- グリーンピース
野菜嫌いな子どもが食べない野菜ランキングを見てみると、ピーマン・なす・トマトを食べない子どもが多いようです。その他、にがうり・アスパラガス・セロリ・グリーンピースなど、苦味やクセの強い野菜がランクイン。
トマトは甘みが強い品種もあるせいか「大好き」という子どももいるようですが、皮が食べにくいことから食べない子どももいるようです。
- 農林水産省「知っているかな?!やさい・野菜・Vegetables」(https://www.maff.go.jp/chushi/kids/yasai/pdf/120209panf_yasai.pdf,2021年6月8日最終閲覧)
- 文部科学省「具体的な指導3 すききらいしないで食べましょう」(https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/eiyou/syokuseikatsu/kyouzai05/006.pdf,2021年6月8日最終閲覧)
- 福岡私立保育士会「離乳食おたすけBOOK」(http://www.f-hoikushikai.com/file/rinyuu.pdf,2021年6月8日最終閲覧)
子どもが野菜を食べない…大丈夫?
野菜を食べない子ども。パパママは「野菜を食べない子どもはどうなるの?」と不安ですよね。栄養素は足りるのか、健康に悪影響があるのではないかと心配するパパママもいるでしょうが、「野菜を積極的に食べましょう」とされる理由は、ビタミン・ミネラル・食物繊維が豊富に含まれているから。
つまり、野菜以外の食材からビタミン・ミネラル・食物繊維が補えていれば、子どもが野菜を食べなくてもすぐに健康への悪影響があるとは言い切れません。たとえば、果物も野菜と似たような栄養素が含まれるので、野菜の代わりに果物を食べるという方法もあります。
- e-ヘルスネット「野菜、食べていますか?」(https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-03-015.html,2021年6月8日最終閲覧)
子どもに野菜を食べさせる方法
体にとって必要な栄養素を豊富に含む野菜。野菜嫌いの子どもに野菜を食べさせるためには、次のようなひと工夫を加えてみてください。
- 野菜を食べない原因を取り除いてあげる
- 野菜の形を可愛くしたり食事の仕方を工夫したりする
- しばらく経ってからまた食卓に出してみる
- 頻繁にいろいろな野菜を料理に取り入れる
- ひと口だけ食べられたら思いっきりほめてあげる
野菜を食べさせる方法はさまざまですが、「味がイヤ」「食べにくいからイヤ」など、なにか理由があって野菜を食べないのであれば、原因を取り除いてあげることが根本的な解決につながります。
しかし、理由がなく食べないようであれば、クッキーの抜き型で野菜をかわいく切る、パーティー風・キャンプ風など食事の仕方を変えるなどの方法で、楽しい雰囲気を作り出すだけで食べてくれることもありますよ。
一度嫌いだと言われた野菜は、忘れたころにもう一度食卓に出してみましょう。小さな子どもの好き嫌いは変わりやすいので、何事もなかったかのように食べてくれることもあると思います。
そしていずれの方法でも、ひと口でも食べられたら思いっきり褒めてあげてくださいね。
先輩ママ直伝!野菜を食べない子どもに食べさせたいレシピ
ここからは、野菜嫌いの子どもを持つ先輩ママたちが実践していた、野菜を食べない子どもでもおいしく食べられ、野菜不足解消レシピを見ていきましょう。
野菜嫌いの子どもでも抵抗なく食べられる、野菜を使ったおかずや副菜を中心にレシピを紹介していきますね。
スムージーにする
先輩ママからの声によると、野菜を食べない子どもでも、野菜スムージーなら抵抗なく飲んでくれるそうですよ。
市販のものでも良いですが、ご自宅で作れば食べさせたい野菜を選べて、味付けも子どもの好みにしてあげられるのでおすすめです。最初は果物の割合を多くして、徐々に野菜の割合を増やしていく…というやり方で、野菜の味に慣れてもらうための方法としても活用できるでしょう。
食べない野菜はチーズ焼きにする
子どもが食べない野菜でも、チーズ焼きにすると食べてくれる…という意見がいくつか寄せられていました。
子どもはチーズが好きなケースがよくありますよね。味が濃いので野菜の味もごまかせるようなので、野菜嫌いな子どもには、苦手な野菜をチーズと一緒に焼いておかずにしてみてはいかがでしょうか?
おかずとしてはもちろん、チーズ焼きならおやつとしても食べられそうです。とろっととけた状態で出しても良いですし、オーブンでパリパリに焼いても美味しそうですね。
パンやごはんとともに食べさせる
小さな子どもの中には、野菜は全然食べないけれどパンやごはんは積極的に食べるという子どもも少なくありません。そのようなときは、パンやごはんに野菜を使ったミートソースや野菜ソースを加えてみてはいかがでしょうか?
こちらの投稿は、「アンパンマンパンしか食べない」という相談に寄せられたコメントです。
グラタンにしてみたり、切って間に野菜をはさんでみたり...
あとは、ニンジンやリンゴをトロトロの離乳食初期の頃に食べたような物にして
パンにつけて野菜ソースとして一緒に食べるとか...
野菜を使ってサンドウィッチを作ったり、おにぎりやチャーハンにしてみたり…と、野菜嫌いな子どもには野菜を「副菜」や「おかず」としてではなく、「主食」として出してみるのもひとつの方法です。
野菜を使ったおかずは食べてくれなくても、パンに挟んだり、ごはんに混ぜ込んだりすれば食べてくれることも…。野菜を混ぜたごはんを薄く伸ばしてしょうゆを垂らしてから焼き、ごはんをお焼き風にしても美味しそうですね。
野菜を食べない子どもでも大丈夫!レシピでいろいろ工夫してみて
「野菜を食べない子どもはどうなるの?」とパパママは心配でしょうが、子どもが野菜を食べないことには理由があります。必要な栄養素さえしっかりと摂取できていれば、すぐに健康への悪影響が現れることはないでしょう。
ただし、野菜は栄養豊富で低カロリーの優れた食べ物。やっぱり食べてもらいたいという気持ちもあるでしょう。野菜嫌いな子どもに野菜を食べてもらうには、おかずや副菜のレシピを工夫することが大切です。
今回紹介した子どもが野菜を食べない理由や野菜不足解消レシピを活用して、必要な栄養素を摂取できるよういろいろな工夫をしてみてくださいね。