離乳食で肉はいつから食べられる?
まず、離乳食で肉類はいつから食べられるのか、その目安について見ていきましょう。
肉の種類によっては離乳食中期以降から
離乳食の初期となる5~6か月ごろは、消化しやすいお粥や、野菜、麺類などをやわらかくすりつぶして与え始める時期で、たんぱく質は豆腐や白身魚から始め、肉類はまだほとんど食べられません。
たんぱく質や脂質の消化を促す消化酵素は、生後7~8か月ごろから増え始めてくるので、離乳食中期となる7~8か月ごろからは肉も食べられるようになります。
ただ、やはり脂質は消化しにくいので、離乳食にする場合は、脂肪の少ない鶏むね肉やささみなどから与えるようにしてください。
9~11か月ごろになると、脂質を吸収しやすくするために、消化酵素の働きを高める胆汁酸が出始めるので、脂質の多めな魚や肉も食べられるようになります。
そのため、脂肪の多い豚肉や赤身の牛肉は、離乳食後期の9~11か月ごろから与えるようにし、肉を離乳食に加える際には、肉の種類にも気を付けて選ぶようにしましょう。
- 延岡市予防接種情報提供サービス「離乳食Q&A」(http://nobeoka.city-hc.jp/open_announcement/rearing/aVPLlMOfr9tevM56,2024年4月11日最終閲覧)
- 二本松市役所保健福祉部健康増進課「離乳食ガイド」(https://www.city.nihonmatsu.lg.jp/data/doc/1648688630_doc_40_0.pdf,2024年4月11日最終閲覧)
- あつぎメールマガジン「すこやか赤ちゃん通信 2月15日号 「どうして離乳食には順序があるのでしょうか」」(http://atsugimail.jp/atsugi/user/mobile/atsugi/showBlogDetail.do;jsessionid=78CC0BBDCFE34A597BC0AEC6A3D8549B?articleId=5683,2021年5月12日最終閲覧)
- 厚生労働省「離乳食」(https://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/03/dl/s0314-17c.pdf,2021年5月12日最終閲覧)
離乳食での肉の進め方のポイント
離乳食で肉を食べさせる際には、離乳食の中期から完了期まで、段階を経て少しずつステップアップさせていくことが重要です。
それぞれの段階ごとにどの種類の肉をどう調理すればいいかまとめました。
離乳食中期の7~8か月ごろはささみや鶏むね肉
離乳食中期の7~8か月ごろになったら、初めて与える肉類として脂肪の少ない鶏肉やささみから始めてみましょう。特に、脂質が少なくて皮もなく、しっとりした口当たりで食べやすい鶏のささみ肉が最適。
ただ、初めての食材を食べさせる際には、アレルギーがないかどうかも確認しながら慎重に進めていってくださいね。
初めて離乳食で肉類を与える場合、1回の食事で食べさせる肉類の量は、鶏肉やささみを中心に10~15gほど。
基本的には、肉を加熱してすりつぶした状態で食べさせることになります。
- 鶏ささみは先に両端に包丁を入れて、筋の先端を引っ張るようにしながら取り除いておく
- 鶏ささみは加熱して細かくほぐしてすりつぶし、水分でしっとりさせる
- 鶏ひき肉は水と片栗粉を加えて混ぜてから加熱しすりつぶす
レンジで加熱する場合は、繊維を切断するように削ぎ切りにしておくと、加熱後にほぐしやすくなりますよ。すりつぶしたものを冷凍保存することもできますし、生のまま凍らせた状態ですりおろして加熱するという調理方法も可能。
鶏むね肉は脂身や皮は取り除いて、一度茹でてから調理すると、アクが取れて食べやすくなります。鶏肉を加熱しすぎて硬くなったり、パサパサして飲み込みづらくなったりしないように茹で時間に注意し、水溶き片栗粉などで仕上げてとろみを加えるのもおすすめです。
- 生協の宅配 pal system「鶏ササミ」(https://kosodate.pal-system.co.jp/foods/torisasami/?oklist,2021年5月12日最終閲覧)
- 生協の宅配 pal system「鶏ひき肉」(https://kosodate.pal-system.co.jp/foods/torihiki/?oklist,2021年5月12日最終閲覧)
- 山元町役場「離乳食のしおり」(https://www.town.yamamoto.miyagi.jp/uploaded/attachment/3703.pdf,2021年5月12日最終閲覧)
調理しやすいひき肉で離乳食
離乳食はすりつぶしてペースト状にしたり、細かく刻んだりといった加工が必要になりますが、ひき肉は最初からバラバラになっているので調理しやすい素材になります。
ひき肉を選ぶ際にも、まずは脂質の少ない鶏ひき肉から始め、成長にあわせて段階的に豚ひき肉や牛ひき肉を選ぶとよいでしょう。
豚ひき肉は脂肪分が多いので、なるべく赤身部分を選び、湯通しして脂を落としてから調理することをおすすめします。
ひき肉に片栗粉と水を加えて、レンジで加熱してほぐすだけでも、とろみのある食べやすい離乳食になるのでお手軽です。肉団子やハンバーグなどのレシピのほかに、おかゆやマッシュポテトなどに和えるなどのメニューにも使えます。
離乳食後期の9~11か月ごろはレバーもおすすめ
離乳食後期の9~11か月ごろに1回の食事で食べさせる肉類は、脂肪の少ない鶏肉や豚のひき肉などを10~20gほど。
また、鉄分が不足しやすい時期になるので、レバーなど鉄分豊富な肉を取り入れるのもおすすめです。レバーはベビーフードにペースト状のものがあるので、市販品を上手に取り入れてみるのもいいですね。
肉の調理法は、すりつぶさなくても良くなりますが、なるべく小さく切ったりバラバラになるようほぐしたりして、食べやすく消化しやすい大きさにしましょう。
- 鶏ささみは加熱して3~4mm大に切る
- 鶏ひき肉は水を加えて混ぜてから、加熱してほぐす
- 豚肉や牛の赤身肉は脂を取り除いて加熱し、3~4mm大に刻む
- 生協の宅配 pal system「鶏ササミ」(https://kosodate.pal-system.co.jp/foods/torisasami/?oklist,2021年5月12日最終閲覧)
- 生協の宅配 pal system「鶏ひき肉」(https://kosodate.pal-system.co.jp/foods/torihiki/?oklist,2021年5月12日最終閲覧)
- 生協の宅配 pal system「豚肉」(https://kosodate.pal-system.co.jp/foods/butaniku/?oklist,2021年5月12日最終閲覧)
- 山元町役場「離乳食のしおり 」(https://www.town.yamamoto.miyagi.jp/uploaded/attachment/3703.pdf ,2021年5月12日最終閲覧)
- 厚生労働省「離乳編」(https://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/03/dl/s0314-17c.pdf,2021年5月12日最終閲覧)
豚肉や牛肉は脂肪分の少ない部分を選んで
鶏肉に慣れてきたら、少しずつ豚肉や牛肉も食べさせてみましょう。
豚肉や牛肉は鶏肉に比べて脂質が多いので、脂肪分は取り除き、なるべく赤身を選ぶなど、赤ちゃんでも消化しやすい部位を選んであげてください。
離乳食後期になれば、豚肉や牛肉もしっかり加熱して小さく刻んで食べさせることができますが、「カミカミ」に慣れてから食べさせるようにしましょう。
離乳食完了期の12~18か月ごろはいろいろな肉が食べられる
離乳食完了期の12~18か月ごろに1回の食事で食べさせる肉類は、15~20gほど。肉類を含むほとんどの食材を食べられるようになりますが、脂肪分はなるべく取り除くようにしてください。
ハムやウインナーなどの加工肉も食べられますが、脂肪や塩分を薄めるために刻んでから茹で、食べやすいよう小さく切るなどの工夫が必要です。
また、必要以上にたんぱく質を摂取すると、老廃物を処理するため腎臓に負担がかかるので、主食や野菜などとバランスよく食べさせるようにしましょう。
調理方法は、加熱して小さめに切るなどは変わりませんが、ひき肉を加工して肉団子にしたり、肉を油で炒めたりといった調理が可能になるので、レシピの幅も広がります。
- 鶏ささみは加熱して5mm~1cm大に切る
- 鶏ひき肉は片栗粉を加えて小さな肉団子にしたり、油で炒めたりなど
- 豚肉や牛の赤身肉は脂を取り除いて加熱し5mm~1cm大に切る
- 生協の宅配 pal system「鶏ササミ」(https://kosodate.pal-system.co.jp/foods/torisasami/?oklist,2021年5月12日最終閲覧)
- 生協の宅配 pal system「鶏ひき肉」(https://kosodate.pal-system.co.jp/foods/torihiki/?oklist,2021年5月12日最終閲覧)
- 生協の宅配 pal system「豚肉」(https://kosodate.pal-system.co.jp/foods/butaniku/?oklist,2021年5月12日最終閲覧)
- 生協の宅配 pal system「ハム・ウインナー 」(https://kosodate.pal-system.co.jp/foods/ham/?oklist,2021年5月12日最終閲覧)
- 山元町役場「離乳食のしおり」(https://www.town.yamamoto.miyagi.jp/uploaded/attachment/3703.pdf ,2021年5月12日最終閲覧)
- 野々市市健康推進課「離乳食のすすめ方」(https://www.city.nonoichi.lg.jp/uploaded/attachment/18601.pdf,2021年5月12日最終閲覧)
離乳食で肉を与える際の注意点
肉類にはいろいろな種類があり、部位によっても調理方法などが異なりますので、離乳食として肉類を与える際には、以下のことについて注意してください。
肉の種類や部位によっても調理方法が異なる
離乳食は、まだ歯の生えそろっていない赤ちゃんでも食べられるよう、食材を加工する必要があります。
離乳食中期となる7~8か月ごろには、下と上あごでつぶしながらもぐもぐできるようになるので、肉を離乳食にする場合は、舌でつぶせる絹ごし豆腐くらいのやわらかさになれば問題なく食べられるでしょう。
ただ、大きい塊はまだ食べられないので、細かく刻んだりすりつぶしたりして、食べやすく消化しやすいように調理してあげましょう。
また、肉の種類によってはスジがあったり脂身があったりするので、それぞれの種類に合わせて下ごしらえしなければなりません。
- 二本松市役所保健福祉部健康増進課「離乳食ガイド」(https://www.city.nihonmatsu.lg.jp/data/doc/1648688630_doc_40_0.pdf,2024年4月11日最終閲覧)
- 生協の宅配 pal system「鶏ムネ肉」(https://kosodate.pal-system.co.jp/foods/torimune/,2021年5月12日最終閲覧)
- 生協の宅配 pal system「豚肉」(https://kosodate.pal-system.co.jp/foods/butaniku/,2021年5月12日最終閲覧)
肉類にアレルギーがないかも注意
日本でよく食べられている鶏肉・豚肉・牛肉は、アレルギー発症数が比較的少なめですが、まったく発症しないというわけでもありません。
鶏肉・豚肉・牛肉は、アレルギー物質を含む食品表示の「表示を奨励する特定原材料」にも入っていますので、離乳食として初めて与える場合は、赤ちゃんに異常がないか慎重に確かめるようにしましょう。
また、肉アレルギーは食べて時間がたってから症状が出ることもあり、原因が何か特定しづらいという特徴もあります。
離乳食で食べさせてから数時間は、体調に異常がないか確認しておいたほうが安心です。
- 厚生労働省「リウマチ・アレルギー対策」第4章 食物アレルギー(https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/kenkou/ryumachi/dl/jouhou01-08.pdf,2021年5月12日最終閲覧)
- 肉アレルギー研究会「肉アレルギー」(https://www.foodallergy.jp/tebiki/meat/,2021年5月12日最終閲覧)
- 西松屋「必ず知っておこう!離乳食NG食材まとめ」(https://www.24028.jp/mimistage/babyfood/407/,2021年5月12日最終閲覧)
- 厚生労働省「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」(https://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/pdf/hoiku03.pdf,2021年5月12日最終閲覧)
お肉をはじめ、そのほかの食材の進め方やレシピなど離乳食についての記事をもっと読みたい方は、下記よりごらんください。
先輩ママに学ぶ肉の離乳食レシピ
最後に、先輩ママの実体験をもとに、肉を使ったおすすめの離乳食レシピや、食材の使い方や与え方、アレンジや工夫できることなどをご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
鶏ひき肉は解凍後に水溶き片栗粉でやわらかく
鶏ひき肉に水溶き片栗粉をかけてレンジで加熱し、冷凍保存しているというママから、ひき肉が硬くなって食べてくれないというお悩みが投稿されました。
私のいつもの調理法は、
①鍋にお肉&水を投入
②ほぐす
③茹でる
です(⁎⁍̴̛ᴗ⁍̴̛⁎)
ひき肉は茹でてからだと、結構とろみがついてないと慣れてない赤ちゃんは食べづらいので、ホワイトソースやミートソースにするのもいいと思います🙌💓ハンバーグっていう手もありますよ❤ฺ」
「チンではなく、多めの水で煮るように火を通して、最後にとろみをつけて冷凍してます❣️そして煮すぎるとやはり硬くなるので、火をきちんと通すけど、無駄ににないような加減でやってます✨
わかりにくい説明でごめんなさい😭
先輩ママからのアドバイスは、レンジで解凍ではなく多めの水で煮るのがおすすめという回答がありました。
鶏ひき肉は脂肪分が少ないので小さい子どもにも安心ですが、その分パサつきやすいという難点もあります。野菜と一緒に煮て水溶き片栗粉でとろみをつけるなど、食べやすい工夫を試してみましょう。
手づかみでも食べやすい肉料理
とりわけ離乳食や、手づかみで食べさせることに悩んでいるママへの回答として、ピーマンの肉詰めや鶏ひき肉と豆腐のナゲットをおすすめされています。
とりわけは‥ピーマンの肉詰めやお鍋なども取り分けてあげてます。汁物はお湯で薄めて一緒のものを食べてます‼
つかみ食べはマグロをだしと醤油につけて片栗粉をつけたものを焼いてあげるとパクパクと持って食べてますよ!
あとは鳥挽き肉と豆腐でナゲットも大好きみたいです(*´∀`)
ピーマンの肉詰めは小さく切っているそうですが、ピーマンもしっかり食べてくれているそうです。ひき肉は加工しやすいので、肉料理の中でも野菜と合わせやすくさまざまなレシピに活用できますね。
鶏ひき肉のレパートリーを増やす
脂肪分が少なくて使い勝手の良い鶏ひき肉ですが、せっかく離乳食を作っても子どもが食べてくれないという悩みを抱えたママは少なくないようです。
定番ですが、どんな野菜にも合いますよ。
大根とか、ナス、ジャガイモ、カボチャなど合わせやすいと思います。
豆腐ハンバーグと同じようなかんじですが、肉団子にすると、スープなどにも使いやすいです。」
「豚ひきはよく焼売にしてました!😊
最近はとりひきでチキンナゲット作ってます!
あとは肉団子とか!
最初のうちは加熱してすりつぶすなどのシンプルなメニューでも良いですが、だんだんと飽きてきて食べてくれなくなったら、少し手を加えて子どもが好きそうなメニューに変換させてみましょう。
野菜にも合わせやすいので煮物にも良いですし、ひき肉の使いやすさを活かした肉団子やハンバーグ、シュウマイなどにチャレンジしてみるのはいかがでしょうか。
パサつきを軽減するために、スープと合わせるのもおすすめです。
冷凍したお肉をすりおろす
うまくいくかはわかりませんが、よかったら試してみてください。
調理法やお肉の種類を変えてもどうやってもダメでした。
ささみを茹でて冷凍、凍ったまま大根おろしのように擦ると言う方法はやったことありますか?
うちは最初はこの方法で、あんかけに入れたりして食べさせたら食べましたよ(^^)
離乳食で肉類を食べさせようといろいろな方法で加工してみても、どうしても食べてくれないという場合は、茹でたささみを冷凍してそのまますりおろすのがよいようです。
凍った状態ですりおろすと、裂いたり刻んだりするよりも細かくなるので、食べやすくなりますし、あんかけのようにとろみをつけて煮込めば飲みこみやすくなります。
しゃぶしゃぶ用のお肉もおすすめ
ひき肉ばかり食べさせていると、ふつうの薄切り肉を食べることに抵抗を示すこともあるようです。特に、豚肉は脂肪分も多めなので、油が少ない部位から進めていくのがよさそうですね。
自分で肉を薄く切るのは難しいですが、しゃぶしゃぶ用の肉なら薄くカットされているので、離乳食としても使いやすそうです。
離乳食に使う肉は種類と調理法に注意
離乳食に肉類を追加することができれば、子どもに良質なたんぱく質を摂らせてあげられますし、メニューの幅もぐっと広がりますよね。でも、肉類は鶏肉・豚肉・牛肉などの種類があり、部位によっても肉の脂肪分や質感が異なるので、食べさせる順番や加工方法などには注意が必要。
最初は脂肪分の少ないささみや鶏むね肉から始めて、ひき肉や薄切り肉など食べやすいものを選んで進めていきましょう。
なかなか肉類を食べてくれないという子には、冷凍したささみをすりおろすという調理方法もおすすめです。今回紹介した進め方やおすすめレシピなどを参考に、子どもにおいしくて栄養豊富な離乳食を食べさせてあげましょう。